言語聴覚士(ST)は何をする人なのか分かりにくい
リハビリなどを行う職業のなかに「言語聴覚士(ST)」というものがあります。
名前を見ると「言語訓練」とかをやってくれそうです。
しかし、ST全員が言語訓練を行うわけではありません。
さらに、ST全員が子どもを対象としているわけでもありません。
医師や看護師の「外科」「内科」のように言語聴覚士も専門としている分野があるのです。
今回は子ども(小児)の分野で働く言語聴覚士はどんな人たちがいるのか?という説明をしていきます。
言語聴覚士とは?
「話す」「聞く」「食べる」のスペシャリストです。
障害や疾患によってこれらができなくなった人を対象に、リハビリや訓練などを行っていきます。
2021年3月には約3万6千人います(日本言語聴覚士協会HPより)。
理学療法士(PT)は2021年3月には19万2千人です。
他のリハビリ職と比べると人数はすくないです。
対象者は誰か?
基本的にSTは小児もしくは成人のどちらかを対象としています。
小児のSTが対象としているのは、もちろん子どもです。
しかし、病院の外来で言語訓練を行っている場合、小児も成人もみなければならないケースもあります。
・成人・・・大人
・小児・・・子ども
何をする職種?
「ことば」「きこえ」「のみこみ」を専門としている職種です。
それぞれの分野でリハビリなどを行います。
1)ことば
「ことば」とは、「喋る」という音声言語だけではなく、「書く」という文字言語、ことばの理解など、様々な側面があるのです。
喋ることに重点を置きがちですが、理解面、表出面ともにトータル的にみていきます。
2)きこえ
きこえとは耳の機能のことです。
いわゆる「聴力」や「聴覚」のことです。
耳が聞こえにくいとことばの獲得にも影響を与えます。
3)飲み込み
飲み込みとは「摂食・嚥下(せっしょく・えんげ)」のことです。
ご飯を口に入れてから胃に送られるまでの間に何らかのトラブルがあると、うまく食べることができません。
小児の言語聴覚士の仕事とは
小児といっても幅が広い。
生まれてからから18歳までを対象とすることが多いです。
子どもの年齢
子どもの年齢は大きく4つに分けることができます。
・乳児
・幼児
・学齢期
・卒後
施設と関わるものが異なります。
通所か入所か
施設の形態によっても関わりが変わってきます。
・通所
・入所
障害を持った子の卒後についてはこちらの記事もごらんください
「ことば」をみてくれない言語聴覚士もいる
言語聴覚士の分野は幅広いです。
「ことば」以外にも「聞こえ」や「食事」なども専門分野です。
それらすべての分野をみられる言語聴覚士も存在します。
しかし、それはごく限られた人だけ。
普段から業務で行っていることが専門となります。
そのため同じ言語聴覚士でも得意な分野に違いがでるのです。
例
・成人(大人)の言語障害をみているST
⇒ 小児のことは分からない
・「聴覚」を専門としているST
⇒ 食事(摂食嚥下)のことは詳しくない
・発達相談がメインのST
⇒ 成人の疾患は分からない
このように言語聴覚士の中でも携わるものが細分化されています。
「ことば」が専門ではないSTも存在します。
PTやOTとの違い
STと似た職種にPTやOTという人たちがいます。
いわゆる「リハビリ」の先生たちです。
ゴチャゴチャになりやすいのですが、
・PT(理学療法士)
⇒ 身体や運動面をメインにみてくれる職種です。
・OT(作業療法士)
⇒ こちらも身体や運動を見てくれますが、もっと細かな「操作面」「感覚面」などもみてくれる職種です。
※「T」はセラピストの「T」(Therapist)
詳しくはこちらの記事もどうぞ
◆専門職の「役割」と「職域」に関する記事はこちらです
まとめとして
今回は言語聴覚士(ST)はどんなことをやっている職種なのか?の説明をしました。
STによって得意分野が異なります。
特に子ども(小児領域)のSTになりたい人の参考になればうれしいです!
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