言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

スポンサーリンク

特別支援学校の卒後って進路はどうなるの?障害児と卒業後のはなし

卒業後はどこで過ごすの?

障害を持つ子は、学校を卒業した後はどこで過ごしているのでしょうか?作業所に通う子もいます。しかしそれは全員ではありません。では、その他の人たちはどこで何をしているのでしょうか?今回は卒後の進路についてのはなしです。

 

 

 

卒業後の進路先


特別支援学校を卒業した後の進路は、子どもによってバラバラです。大きく分けると「働く」「通う」「暮す」「学ぶ」「家にいる」の4つに分類できます。この他に、少数ですが大学進学をする子もいます。

① 働く
・一般企業
・作業所

② 通所施設
・作業中心
・生活介助中心

③ 入所施設
・施設や病院
・グループホーム

④ 学ぶ
・学校
・その他

⑤ 家で過ごす
・家事手伝い
・趣味

 

 

実際の人数(平成30年度)


実際の割合はどうなっているのでしょうか?


◆特別支援学校中学部及び中学校特別支援学級卒業後の状況(国・公・私立計)文部科学省

 

知的障害の学校では就職者が多く、聴覚障害の学校では進学・就職が多いことが分かります。身体的な介助が必要な子は、生活支援が受けられる入所や通所が多い傾向です。

 

 

障害者の就労を支援するサービス


では、障害を持った人の就労は、どのようなものなのでしょうか?

ここでは、特別支援学校を卒業した子と仮定してはなしを進めていきます。いくつかの種類に分かれます。

・将来、一般儀業の就職を目指すのか?
・働くことが目的なのか?リハビリなのか?

給料には大きな差があります。これは仕事をすると同時に援助を受けるケースが多いからです。そのため、一般就労と比べると賃金も安くなります。

働く人によって状態も目的も異なります。そのため、一概に賃金(工賃)の高いところが良い、とは言い切れないのです。

 

 

就労支援の種類


現在、支援サービスは大きく分けて下記の2つに分類することができます。



1)就労移行支援
就職するために必要なスキルを身につけるところです。将来、一般企業へ就職することを目的とします。原則2年以内の利用となります。賃金(工賃)は基本的には出ません(事業所によっては発生する場所もあります)。

2)就労継続支援
一般企業への就職は困難な人が働くための場所です。期間は定められていません。賃金(工賃)は毎月出ます。

①就労継続支援A型雇用契約を結び実際に働くことができる人。賃金は出される。

②就労継続支援B型雇用契約を結ぶことは難しい人。賃金は出される。ただし、リハビリや訓練が主となる。

★雇用契約が結ばれるのは「就労継続支援A型」だけです!

  

 

実際の作業所の内容


実際はどのようなものなのかみていきましょう。これらは東京都内の作業所のデータです。地方はもっと賃金が安くなると考えられます。

1)定員・工賃

● 作業所①
→受注作業、掃除、せんべい生産販売
就労移行支援:
・定員:15名
・工賃: - 円
・時間:8:30-16:00
就労継続支援B:
・定員:35名
・工賃:8,094円
・時間:8:30-16:00

● 作業所②
→給食の調理、配達、惣菜店配達
就労移行支援:
・定員:6名
・工賃:20,516
就労継続支援B:
・定員:14名
・工賃:25,518

● 作業所③
→掃除など
就労移行支援:
・定員:6名
・工賃:25,246円
・時間:9:30-16:30
就労継続支援B
・定員:14名
・工賃:30,581円
・時間:9:30-16:30

● 作業所④
→製パン、掃除
就労継続支援B:
・定員:20名
・工賃:11,103円
・時間:9:30-16:30

● 作業所⑤
就労継続支援B:
・定員:20名
・工賃:9,531円
・時間:9:00-16:00
※工賃は月額


以前、作業所で働く方から聞いたはなしです。その方は、利用者さんから「先生は、俺よりも10倍の給料をもらっている。先生は10倍偉いのか?」と言われたそうです。何も言い返せなかったそうです。

・・・そうですよね。実際に私たちから見ると「安い賃金!」と思ってしまいます。

しかし、今考えてみると「リハビリ」「介助」や「支援」も含まれているので、何とも言えない部分もあるのかなとは思います。

※ひとつの事業所でも「就労移行」と「就労継続支援A」など、2つ同時に行っているところもあります。

 

  

通所施設と入所施設


障害が重い子のなかには、生活介護・介助が中心の通所施設に通うケースもあります。生活介護を受けられる通所施設はさまざまな名称で呼ばれています。

通所施設 
⇒ 週数回通ってサービスを受ける

入所施設 
⇒ 施設で生活しながらサービスを受ける

 


通所施設とは?

 施設に通いながら支援を受ける人もいます。それが通所施設です。たとえば東京都では福祉園と呼ばれていることが多いです。

 

1)福祉園ってなに?
例えば、東京では通いながら生活介護を受けるタイプのサービスは「福祉園」と呼ばれる施設で行われています。

  

放課後等デイサービスとの違い


①法律の違い
放デイは、児童福祉法に基づくものでした。福祉園は「障害者総合支援法」に基づいています。福祉園では、脳性麻痺や自閉症などの障害名(診断名)の違いはあまり関係がありません。ここでは障害によって区別されるのではなく、障害の重さ(程度)によって区分されます。

②期限の違い
放デイは学校卒業まで在籍できます。一方、福祉園は、自主退所、入所、死亡、引っ越しなどの理由がなければ在籍していられます。

③年齢の幅広さ
例えば、とある施設(29名)の内訳
18~19歳:1人
20~29歳:7人
30~39歳:7人
40~49歳:10人
50~59歳:3人
60~69歳:1人

 


2)生活介護ってなに?


生活介護。名前を聞いただけだと「入浴介助」「トイレ介助」くらいしか思い浮かびません・・・。実際には、常に介護を必要とする人を対象として下記のようなサービスが提供されています。

 

身体介助・・・入浴や排泄、食事など
家事支援・・・調理や選択、掃除など
相談・助言・・生活などに関するもの
その他・・・必要な日常生活上の支援
活動の提供・・創作活動、生産活動の機会の提供
支援の提供・・・身体や生活能力の向上のための援助

これらのサービスを、日中、施設に通いながら受けることです。

 


3)どんなスタッフがいるの?

都内にある福祉園についてみていきましょう。

◆福祉園A
・介護支援職員:27・看護師:3・栄養士:1
+4回/月(理学療法士)

◆福祉園B
・生活支援員:13・看護師:2・栄養士:1・その他:6(事務員など)
+数回/月 医師:1、歯科医:1

 

4)活動内容

ここではどのような活動を行っているのでしょうか?

 

・運動系⇒ 歩行、プール、機能訓練など
・創作系⇒ 手芸、陶芸、美術など
・社会貢献活動⇒ 清掃、エコキャップ集めなど

上記はその一例です


◆タイムスケジュール(例)
 8:30 通園バス園を出発 
 9:30 通園バス園に到着        トイレ・準備など
10:30 朝の会
10:50 活動(班活動・健康活動・リトミック等)
11:40 トイレ・食事準備
12:15 昼食
13:15 お昼休み
13:30 活動(班活動・健康活動・リトミック等)
14:30 トイレなど
15:00 帰りの会
15:10 通園バス乗車
15:30 通園バス出発

 

この施設では利用者をグループ分けしています。それぞれの班での活動がメインとなっています。

 

※施設によって対応してくれる職種や活動内容が大きく変わっています。

 

 

入所施設とは?


施設で生活をしながら支援を受けていいきます。施設によって特色は様々です。基本的に、本人の知的や運動の能力に合わせた活動を行っています。余暇活動に力を入れているところも多く、サークル活動がある施設もあります。

 


1)どんなスタッフがいるの?

関東の入所施設についてみていきましょう。

◆入所施設A
・支援員:27
・看護師:2

 

2)活動内容

生活全般、余暇、イベントなど施設によっては作業があるところもあります。

◆作業あり
7:00 起床、洗面 
8:00 朝食 
9:00 日中活動、作業
12:00 昼食
13:00 日中活動、作業
15:30 おやつ
14:00 日中活動
16:00 夕食
19:00 入浴、余暇
21:00 就寝

◆作業なし
 7:00 起床、洗面 
 8:00 朝食 
 9:00 日中活動(散歩やお出かけ)
12:00 昼食
13:00 日中活動(散歩やお出かけ)
15:30 おやつ、入浴
17:00 余暇活動
18:00 夕食
19:00 余暇活動
21:00 就寝

  

 

まとめとして


特別支援学校へ通う子たちの卒後のはなし。イメージできたでしょうか?

ちなみに、以前、私が働いていた施設ではどうだったかというと・・・

 

通所施設
⇒ いろいろな食べ物の調理。時々、街頭販売
入所施設
⇒ それぞれの興味に合わせた余暇支援を中心に、散歩や買い物、作業など

を行っていました。施設によって内容や雰囲気が異なります。

もちろん地域差はあります。年々、サービスや法律も徐々に整備されています。

それぞれの子に合った進路が決まることを願っています。

 

 


参考資料
◆肢体不自由児の社会生活能力の発達と学校卒業後の進路https://core.ac.uk/download/pdf/198556652.pdf
◆特別支援学校卒業後の重症心身障害児とその養育者の生活の安定に寄与する要因https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007703/007/0243-0252.pdf
◆障害福祉サービス等情報公表検索サイト
https://www.wam.go.jp/sfkohyoout/COP000100E0000.do
◆特別支援学校中学部及び中学校特別支援学級卒業後の状況(国・公・私立計)文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/013.htm
◆障害者支援施設のあり方に関する 実態調査https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000569483.pdf