言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

放課後等デイサービスのPT・OT・STって?専門職の違いについて

放課後等デイサービスの専門職を紹介します

放課後等デイサービスには様々な職業の人たちがいます。

基本的には、保育士、児童指導員などが中心となって活動を行っています。

医療的ケア児や重症心身障害児が通っている施設には看護師がいます。

さらに、専門職リハビリ職と呼ばれる職業があります。

今回は、放課後等デイサービスにいるリハビリ職について説明します。

名前は知っているけれど、何をやっている人なのか よく分からない。

そんな人もたくさんいるのではないでしょうか?

それではリハビリ職を紹介します。

 

 

 

リハビリ職とは

医療や福祉の現場にいる リハビリに関する職業。

何種類かありますが、どの職種も略語で呼び合うのが常です。

「STさん、お願いします」

「PTさん、教えてください」

略語で言われても・・・。

それぞれの職業のことをみてみましょう。

 

 

リハビリ職の紹介

放課後等デイサービスには、様々な職種が関わります。

言語聴覚士=STのような、略語も使われるので、誰が何をする人なのか、混乱してしまう保育スタッフがたくさんいるのが事実です。

実際にわたしも「STって理学療法士?」のような質問を受けることが多いです。

 

 

理学療法士(PT)

身体・肉体の専門家です。

 りがくりょうほうし 

(PT: physiotherapyphysical therapist) 

身体に障害のある者に対し、主としてその基本的な動作能力の回復を図る。呼吸理学療法では肺痰を促すための手技や体位を作る。

 

放課後等デイサービスでは、脳性麻痺児などの身体や運動面をみてくれます。

側弯(そくわん)へのアプローチや、座り方・歩き方もみてくれます。

身体面に関わることに幅広く対応してくれます。

 

 

作業療法士(OT)

基本的な身体の動きにも詳しいですが、作業(日常的な生活行為)に関することが一番の専門です。

 

 さぎょうりょうほうし 

(OT:occupational therapist)  

何らかの理由で障害を持つ者に対して、道具の使用や動作など、日常の作業が出来るようにする、高次脳機能障害に対するアプローチ、食具の使い方など。小児分野では発達全般をみることも多い。

 

放課後等デイサービスでは、玩具や食具の扱い方や、感覚面、発達面など、幅広くみてくれるます。

 

 

言語聴覚士(ST)

ことば、きこえ、食事が専門です。

 

 げんごちょうかくし 

(ST:speech language therapist)  

音声や言語の機能、摂食・嚥下機能、聴覚に障害のある者に対し、その機能の維持向上を図ること。

言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行う。

小児分野では発達全般をみることもある

高次脳機能障害、認知面、発達面はOTと重なる分野。

OTとの大きな違いは STは「検査」を行うということ(ex.発達検査、言語検査など)

 

放課後等デイサービスでは、コミュニケーション面、摂食嚥下を見ることが多いです。

施設にOTや心理職がいないときには 発達面をみることも少なくありません。

補聴器を付けている子がいる場合には、聴覚の分野にもかかわることがあります。

 

時々、言語療法士ですか?と聞かれることがあります。

〇〇療法士」という呼ばれ方を嫌うSTも、たまにいるので、正しい職種名で呼んであげるのが無難だと思います。

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一緒に働く仲間のことを知ろう

自分の職場には、言語聴覚士がいる。

でも、何の人なのかよくわからない・・・。

ことば?

食事?

指導員と違うの?

 

喋れない子を喋るようにする人?

何でも食べられるようにする練習をする人?

 

相手が「何をする人なのか?」を知っておかないと、何を聞けばよいのか分かりません。

 

 

お互いに尊重しあえる関係でないと、何も上手くいかない

「STなんだから、上手に食事介助できますよね?」

「看護師なんだから、痰吸引できますよね?」

 

こんな態度で、他職種と関わっていませんか?

それって、逆の立場だったら・・・。

「保育士なんですよね、子どもと上手に遊べますよね?」 と言われているのと同じくらい失礼なこと。 

 

子どもの育ちを促すために、知恵を貸してください。

 

そんなスタンスで他職種と関わっていただけるとよいです。

気づくと 味方がたくさんできているはずです。

 

 

保育職は子どもを全体的に支援するのだけれど

 

保育職は、子どもの生活や遊びを支援する仕事だと思います。

・子どもの身体

・子どもの心

・子どもの状態

すべてを一つの職種で受け持つのは大変です。

近くに専門家がいるのならば、その人に相談してみてください。

もしかしたら、期待した答えが返ってこないかもしれません。

でも、保育職とは違った視点から意見を出してくれるはずです。

 

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自分以外の職種を頼ってみよう

 

障害を持っている子と関わっていると「何とかしてあげたい」と思うことがあります。

しかし、「何にでも」首を突っ込んでしまうのも考えものです。

 

ex. 薬や医療的ケアについて

⇒ 施設に看護師がいるなら、任せるべきことがあるはず。

ex. 身体の動きについて

⇒ 子どもの移乗介助や姿勢づくり。何となく「このくらいかな?」と介助法を決めるのではなく、理学療法士(PT)に相談してみる。


もちろん、ことばや食事に関して言語聴覚士(ST)に相談してもらってかまいません。

 

 

まとめとして

今回は、放課後等デイサービスで働く専門家を紹介しました。

・理学療法士(PT)

・作業療法士(OT)

・言語聴覚士(ST)

基本的にはこの3種。

さらに、音楽療法士などのすてきな職種もいます。

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自分の施設に「専門家」がいたら、ぜひ話しかけてみてくださいね。

よかったら参考にしてみてくださいね。

 

投稿:2018年10月15日
改定:2023年7月12日