障害児施設の新人スタッフが悩みやすいこととは?
障害を持った子の施設が少しずつですが増えてきています。
求人も増加傾向です。
それによって興味を持ってくれる人も増えているのです。
「障害児と関わる仕事がしたい!」
「ボランティア等で関わってみたい!」
そう思って障害児分野に飛び込んでくれた人たちがたくさんいます。
障害を持つ子、持たない子にかかわらず、子どもたちと一緒に過ごすことは楽しいことです。
しかし、楽しいことばかりではありません。
行き詰ってしまうこと、迷ってしまうこともあります。
本来であれば経験の長いスタッフが助けてあげられればいい。
しかし、なかなかそうはいかないこともあります。
経験が長くなると「自分が新人だった時に感じたこと」を忘れてしまうからです。
今回は、新人がおちいりやすい悩み、その対応策を説明します。
いろいろ振り返ってもらって、みんなが気持ちよく働ける職場づくりのお役に立てればと思います。
施設スタッフが辞めていく理由
障害児施設が増えています。
放課後等デイサービスも同じです。
一時のような乱立はなくなってきました。
しかし、それでも増加はしています。
施設で求人を出せば、だいたい応募してくれる人がいます。
しかし、どの施設でも慢性的な人手不足。
これは止めてしまう人が少なくないからです。
数ヶ月、ひどければ数日で退職、なんてことも。
辞めていく理由
理由はいくつかあります。
・障害児と関わる難しさ
・人間関係
これが多いように感じます。
障害児と関わる難しさは、先輩スタッフたちがフォローできる部分です。
新しく入った人たちは障害児のことが何も分かりません。
先輩たちが教えていく必要があります。
それとともに子どもたちと関わる楽しさも伝えていければ、長く働いてくれるようになるのではないでしょうか。
新人が悩みやすいことって何?
放課後等デイサービスで働き始めたばかりの新人スタッフやボランティアさんが感じることが多い悩みです。
子どもに近づくと逃げられてしまう。
遊びの場面が多い放課後等デイサービス。
こんな悩みが続けば「これからやっていけるかしら?」と不安は増すばかりです。
「子どもが私と遊んでくれない」
「子どもが私と一緒に遊んでくれない」という悩み。
これはスタッフからすると本当につらいです。
スタッフ間の人間関係もしっかりと出来ていない時期にこの問題が起こると、どうしてよいのか分からなくなるのです。
私もそうでした。
子どもとの関わり方を見てあげる
新人スタッフが子どもとどうやって関わっていたのか?
これを先輩スタッフが見ておく必要があります。
ポイントとなるのは、大きく分けて2つ。
新人スタッフが悩むとき、この2つの問題が根底にあることが多いです。
新人スタッフ側の問題
まずは「新人スタッフ側の問題」です。
子どもによって発達段階が異なります。
大人からの声かけや提案が難しすぎると、その内容を理解することができません。
興味も持てないので離れていきます。
また、子どもの注意が大人に向いていたかどうか?という問題もあります。
中期機能の障害がある子でなくても、注意を向けづらかったり、逸れやすかったりするケースはあります。
声掛けの原則として「子どもの注意をこちらに向けてから」というものがあります。
障害があろうとなかろうと子どもは大人の言う通りにはなりません。
さらに、障害児保育とは「大人の言うことを聞かせるようにすること」ではありません。
これを覚えておくと、働いているときに少し心に余裕ができるはずです。
先輩スタッフ側の問題
次に「先輩スタッフ側の問題」です。
先輩スタッフが子どもと遊ぶのに夢中で、新人スタッフが置いてけぼり、というケースがあります。
これは意外と多いです!
先輩スタッフに悪気はないのですが配慮が足りません。
1人もしくは2人の子どもに対してスタッフ1人が担当して保育を行う「担当制」の場合、問題は顕著になります。
新人スタッフが担当する子を先輩スタッフが取ってしまうと、新人スタッフは何をやっていいのか分からなくなくなってしまいます。
先輩スタッフは子どもと新人スタッフを一緒の遊びに巻き込む流れを作る。
これがフォローではないでしょうか?
子どもの考えを先読みする
活動中、子どもは自分にとって「楽しい!」「安心できる!」というスタッフの元に寄っていきます。
これは「面白いことをしてくれる」という他にも「見慣れたスタッフだから安心できる」という意味合いも含まれています。
長年、子どもと一緒に活動をしてきた先輩スタッフであれば、その子の性格や物の見方はある程度、予測が立つと思います。
「今は一人遊びしているけれど、この遊びで誘えばついて来てくれるはず」
「こういう遊びだったらこういうアプローチなら受け入れてくれる」
そういう情報を新人スタッフに伝えていく。
もしくは、上手くいくよう流れを作るのです。
子どもの動きや考えを先読みするとともに、新人スタッフの動き方にも思いを馳せるのです。
「障害児分野で働くのは楽しい」
「この施設でずっと働きたい」
自分が働いている事業所で、新人スタッフがそう考えてくれたら最高ですよね。
このような丁寧なフォローを行っていくことで変わることはたくさんあります。
障害児施設で働いてくれる人材は貴重!
先輩スタッフが「わたしができるんだから、あなた(新人スタッフ)も同じようになるべき」という考えでは、間違いなくすぐに辞めてしまいます。
真面目な人ほど「わたしには務まりません」と悩んで辞めていきます。
子どもに優しくできるんだから、新人スタッフにも優しくできるのではないでしょうか?
放課後等デイサービスでは、万年人手不足な事業所が多いと思います。
そんな中でも年に数人の方がアルバイトやボランティアで参加してくれています。
新人スタッフに対して厳しくすることだけが指導ではありません。
これを勘違いしている先輩は意外と多いのです。
この機会に、新人スタッフへ「どうやって優しく接するのか?」をもう一度考えてみてはいかがでしょうか?
まとめとして
今回は新人スタッフが抱えやすい悩みとその対応について紹介しました。
新人にやさしくない文化はすたれていきます。
仕事だって同じではないでしょうか?
新人を大切に育てることが、子どもたちへの支援の充実にもつながっていくはずです。
先輩も自分の「新人だったころ」を思い出してみてください。
人からされて嫌だったことは他人にもやらない。
子どもたちにもそう伝えているはずです。
せっかく選んで働きに来てくれた職場です。
お互いに気持ちよく仕事がしたいですよね。
よかったら参考にしてみてくださいね!