言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

転職希望者必見!障害児施設での経験を活かした働き方と注意点

障害児施設での経験をどう活かすか?

福祉分野はスタッフの回転が早いです。誰か辞めたら新しい人が入ってくる。次から次へと。入れ替わりが早い業界です。障害児分野も同じです。

しかし、短期間で転職を繰り返している人は信用されにくいというケースもあります。逆に、経験が豊富な人の転職は有利だけれど ちょっと注意が必要なのです。

ここでは、長年、障害児施設で勤務してきて、新しい職場でどうすれば自分の経験が活かせるのか?というはなしをしていきます。

・転職を考えている

・転職が決まっている

という人も現職の人も参考にしてみてください。

みんなが気持ちよく働く施設をつくるためにできることを考えてみましょう。

 

 

転職先のタイプを考える

障害児分野で働く人は、どのような転職をするのでしょうか?

考えられるのは3つ。

◆ これまでと同じ分野の他施設で働く
⇒ ex. 次も放課後等デイサービスで働く

◆ 別のタイプの施設で働く
⇒ ex. 次は児童発達支援や入所施設で働く

◆ 他業種で働く
⇒ ex. 福祉以外の職場で働く

 

同じ分野の施設で働くメリット

同じ分野で働く利点はたくさんあります。

一番大きいのが「これまで働いてきた経験を活かせるから」ではないでしょうか?

これまで放課後等デイサービスで働いてきた人だったら、次も放課後等デイサービスで仕事を探します。

同じタイプの施設で働いた経験があれば、即戦力まではいかないかもしれませんが、それに近い活躍ができる可能性が高いです。

 

経験を活かす働き方

経験を活かす働き方はたくさんあります。

なかでも分かりやすいのが次の3つです。

・施設立ち上げに関わる

・新規事業に協力

・同じ職種の指導

 

施設立ち上げに関わる

たとえば、近々、放課後等デイサービスを開所する施設にオープニングスタッフとして入職するのです。

スタッフのみんなが「放課後等デイサービスのことをよく知らない」状態。

ここに経験者が入れば意見を求められる機会も増えます。

重要な役割だって与えられるかもしれません。

これが一番ベストというか、自然なかたちで自分の経験を活かせるのではないでしょうか?

 

新規事業に協力

職場は変えないけれど、新規事業で別部署に異動する。

たとえば、今まで放課後等デイサービスだけの施設だったのが、今度は児童発達支援を始めようとしている。

放課後等デイサービスで障害を持つ子と関わってきた経験もある。保育士の資格も持っている。

なにか役に立てるかもしれない。

転職しない分、精神的&経済的負担は少なくて済むはずです。

 

同じ職種の指導

言語聴覚士(ST)のような専門職は、同じ職種の人がいない職場で働いている人が結構な数います。

しかも、新卒なのに先輩がいないということも多々あります。

実際にわたしもそうでした。

そういう施設にある程度経験がある人が入職すると、とてもありがたがられます。

 

先に働いている新人の人を立てつつ、その人を育てていく。自分の任された仕事もこなしていく。

ちょっと忙しいですが、「教える」「育てる」が好きな人ならやってもるのもよいかもしれません。

 

注意!こんな人にならないでね

先日、わたしが働いている施設に経験者が入職してきました。

話しを聞いていると知識も経験もたくさんありそうです。

子どもにも優しく接してくれます。

はじめは黙って業務内容の説明も聞いてくれていました。

しかし、徐々に「なぜ△△という やり方をするのですか?」「○○をしないのですか?」という発言が目立ってきました。

わたしは施設の現状を説明したうえで「できていない」理由を話していました。

そんなことをしていくうちに、その人がイライラしてくるのが感じられました。

そして・・・

「あなたたちは重心の何たるかを分かっていない」

というようなことを繰り返し言うようになったのです。

 

「この人は何を言っているの?」と思いましたが、このことが わたしの頭の中にずっと残っていました。

 

※「重心」とは「重症心身障害児」のことで、簡単に言うと「歩けなくて喋れない子」のことです。本当は細かな決め方があるのですが、ここではざっくりとした説明だけしておきます。

 

「重心の何たるか」が分かるって何だ?

いったい、どんなことをすれば「重心の何たるか」が分かるのでしょうか?

スタッフがどんなレベルにたどり着けば分かるのでしょうか?

○○療法のような、療育のやり方を前面に出して、カッチリとやっていくことが

喋ることのできない子どもの確実にくみ取ること?

どのスタッフもリハビリに精通しているということ?

 

わたしの同僚たちも「?」でいっぱいの顔をしています。

 

わたしだって長年、障害児分野で言語聴覚士(ST)として働いてきました。

しかし、「重心の子の何たるかが分かっている」なんて思ったことはありません。

むしろ、重心の子たちが「どんなことを感じているのか?」「考えているのか?」が分からない。それを知りたいから、子どもたちに教えてもらうつもりで関わらせてもらっています

それは昔も今も変わらない思いです。

 

転職後にあまり言わない方がよいこと

転職などで新しい施設に入職したとき、注意した方がよいことがあります。

前の職場のことを「あそこはすごい施設だった」という自慢はしないこと。

本人は自慢をしているつもりはなくても、聞いている方はよい気はしません。

 

今ここで自分は何ができるのか?

たとえ、あなたが立派な施設で働いてきたとしても、○○療法を身につけているとしても、それがあなたが立派な人間だということにはなりません。

そんなことをアピールするのではなく、今度の施設で自分は何ができるかな?と考えて立ち振る舞うほうがよっぽど必要とされる人材になるのです。

「教えてやろう」というスタンスの人間に好んでついていきたい人なんてほとんどいないのではないでしょうか?

 

言った方がよいこと

入職後、というよりは面接の段階で言っておいた方がよいことがあります。

◆ 何ができて、何ができないのか?
⇒ 自分の職種は、何ができる職業なのかを説明する

◆ 何が得意で、何が苦手なのか?
⇒ 自分の職種の領域で得意なものは何かを説明する

 

上記の2つは似ていますが、ちょっと違います。

自分の職業であれば「できる」ことをハッキリさせる。

自分が好きで得意なことをハッキリさせる。

これはとても大切。

これを曖昧にしておくと、職場から「できないの?」言われて、後になって自分の首を絞めることになります。

 

ex. 私の場合(言語聴覚士)

◆ 何ができて、何ができないのか?
⇒ 「ことば」「きこえ」「のみこみ」の訓練&指導。歩行訓練とかはできない。

◆ 何が得意で、何が苦手なのか?
⇒ 「のみこみ」が得意。「ことば」は構音訓練であれば可能。

 

 

まとめとして

今回は、障害児施設での経験を活かした働き方と注意点を説明しました。

どんな職場で働くときでも、その施設の悪口を言ってはいけません。

当たり前のことだけれど、意外と悪口を言う人はいます。

言いたいのであれば、みんなの前で「わたしはこう思います。○○を改善できるかもしれません。私でできることがあれば協力させてほしい」というような姿勢で「一緒にやっていきましょうよ」という感じを出していくほうがよいです。

それにしても、入職直後に言うのは・・・ハートが強すぎる人にしかできません・・・。

周囲の反応やキャラクターを見て少しずつやっていきましょう。

よかったら参考にしてみてくださいね。