言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児施設での支援の鍵は人柄!目の前にいる子や人のことをもっと見て

効率的に障害児支援力をアップさせるために

障害児支援には様々な施設があります。施設には たくさんの支援者たちがいます。

・仕事のできる人
・感じの良い人
・嫌なことばかり言う人

福祉業界は全員が「聖者」ではありません。他の業種と同じようにスタッフもいろんなタイプがいます。

そこに自分の子どもを預けている親御さんも、日々、様々なことを感じておられるのではないでしょうか?

「この支援者は感じが悪いな」
「見下されている感じがする」

今回は、障害児分野で働く人たちは何を大切にして、どんな働き方をしているのか?という話しをします。

 

ポイント!

結論から申し上げますと・・・。

やっぱり「人柄」が大切なのです。施設の職員から「嫌な感じ」を受けてイヤだなと思っている人は読んでみてください。

 

 

 

支援技術と人柄はどちらが大切か?

障害児の施設は日々、忙しく働いているところが多くあります。

・人手不足
・障害の重度化
・資金不足
・いろんな重圧

そんななかでも向上心をもっている支援者はたくさんいます。「向上」する方向は「支援の技術」と「人柄」の2つに分けられます。

 

支援技術とは

障害を持つ子たちと関わるための技術のことです。技術といっても場面や職種によって様々なものがあります。

・車椅子からベッドやトイレへ移譲する技術

・リハビリの効果が得られるようなアプローチや訓練法

・発達が促進しやすい療育の方法や理論

技術がついてくればサービスも向上します。

近年、福祉の仕事も職種が細分化されています。そのため、同じ施設で働く支援者でも、人によって持っている力や考え方にバラつきがあるのが現状です。

 

人柄とは

どんなふうに子どもや他のスタッフと関わっていくのか?ということです。

コミュニケーション能力を伸ばすということです。この力を伸ばすためには、相手をよく見ないといけません。

・目の前の子(人)はどう感じているのかな?

・自分の言動はこれでいいのかな?

こういったことを日々、振り返り、ときには仲間内で相談し合うことが大切です。

 

ちなみに障害児分野では「子どもにだけ優しい」人というのが時々います。

一緒に働く仲間には厳しい。「愛の鞭(むち)」とかそういうのではなく、周囲の人のことを考えられないタイプの人です。

見極め方は・・・周囲のスタッフとのかかわり方を見ていれば分かると思います。

 

人柄を強調って偽善者じゃないの?

医療や福祉の仕事には様々な人たちが関わっています。いろんな職業の人と一緒に働くことになります。

自分の職種にプライドを持つことは大切です。しかし、過剰なプライドは身を滅ぼします。

医療&福祉の仕事は ひとりでできない仕事なのです。「連携」が欠かせません。

・自分の意見だけ押し通そうとする
・自分の仕事しかしない
・人を見下す

時々こういう人がいますが、たいてい孤立して辞めていきます。

 

「人柄」を優先させよう

技術と人柄。両方兼ね備えいることが理想です。しかし、そんな人は なかなか いません。だったら、どっちを伸ばしていくほうがよいのでしょうか?

もちろん「人柄」です。即答できます。

 

障害児分野は医療&福祉の仕事ですが、サービス業の予想も含まれています。

ずっと昔は、福祉業界も「施設の”先生”から支援をしてもらっている」という考え方が当たり前でした。

近年、「金を払っているのだから ちゃんと成果を出してほしい」と支援を受ける側からサービス業的な考え方がみられるようになってきました。もちろん全員でありませんが・・・。

だったら「技術」のほうが大切なのでしょうか?

 

例1:ちゃんと平等

わたしは長年、放課後等デイサービスで勤務してきました。

支援者のなかには、どんな人にも平等な接し方をする人がいます。もちろん、子どもの障害や課題によって関わり方は変えていますが、コミュニケーションは平等にとっています。

こういう人の周りには 子どもが寄ってきます。こういう人が困っているときは周囲のスタッフが助けてくれます。

逆に「わたしの推しはこの子。それ以外はあなたがみていて」というスタンスの支援者がいます。悲しいことですが、どこの施設にもいます。

冗談半分ならよいのですが、本気で言っている人もいるので周囲の支援者の仕事が増えてしまうのです。

 

例2:自分の主張ばかりはNG

自分の言いたいことを主張し過ぎる人。

このタイプの人も結構います。

・自分の考え以外は間違っている
・相手が休憩していようが仕事を押しつける
・自分のやりたくないことはやらない

普通の企業だったら徐々に隅へと追いやられるタイプだと思います。

なぜ、福祉分野で生き残っているかというと誰かがやらならないと仕事がストップしてしまうから仕方がなく他の人がやっているからです。あわただしい業界だからこそ、このタイプはうずもれてしまうのです。

 

結局は真面目が一番

障害児分野とは少しずれるのですが・・・。

以前、わたしが補聴器会社に勤めていたことがあります。

聴覚検査には自信を持っていましたが、販売や補聴器の調整はハッキリ言ってうまくありませんでした。もちろん売り上げのノルマも達成できません。

そんなわたしにも「あなたにお願いしたい」というお客さんが何人かいました。

当時は「真面目」に「一生懸命」お客さんと向き合うことだけは忘れないように仕事をしていました。そんな当たり前のことが「指名」という良い方向に向いたのだと思います。

 

わたしは仕事柄、毎日、子どもたちと遊んでいます。言語聴覚士(ST)としてと訓練的なことや助言などをすることもあります。

もう10年以上、障害児と関わってきましたが、遊びも訓練も何年たっても上達している実感がありません。

しかし、いまでもこの業界で働いていられるというのは「誠実に」ということを守ってきたからではないかと思っています。

 

まとめとして

今回は、障害児施設で働いていくために重点的に身につけていきたいのは、他者のことを考える力だという話しをしました。保護者や一緒に働く人から見られるのは「人柄」なのです。

世の中「コミュ障」ということばが蔓延しています。なかには本当に診断名がつくような人もいるかもしれません。しかし、たいていが「自分から前に出ていくことが苦手な人」なのではないでしょうか。

自分は他の人とコミュニケーションをとるのが苦手だという人でも、相手のことを考えることはできるはずです。

人柄とは相手のことを考える力と行動なのです。

これが障害児施設でうまく、というか気持ちよく働いていくためのポイントです。

 

結局のところ、人対人なのです。