障害者と障害児の支援目標の違い
障害者と障害児の違いをご存知ですか?
そう。
大人か子どもか、という違いです。
年齢の違い。
障害を持つ人のなかには福祉施設で支援を受けている人がいます。
支援には必ず「目標」が存在します。
では、障害者と障害児の目標は同じでよいのでしょうか?
今回は、支援目標を立てるとき、障害者と障害児は同じように目標を立案してもよいのか?というはなしです。
よくよく考えてみると、根本が違うことに気づくはずです。
支援目標とは?
障害を持つ人や子たちと関わる職種は「支援目標」を立てて、それに沿って支援を行っています。
ただやみくもに支援をしているわけではありません。
では、その目標は「誰の」目標なのでしょうか?大きく分けて3つあります。
・本人(障害を持つ人)
・家族(障害を持つ人の家族)
・支援者(施設のスタッフもしくは目標を立てる人)
もちろん当事者本人のための目標です。
しかし、家族や支援者の「願い」も組み込まれています。
それは障害者でも障害児でも同じです。
障害者と障害児の違い
その前にもう一度。
障害者と障害児は何が違うのでしょうか?
障害を持つ人へ支援を行うための法律「障害者自立支援法」によると、障害者とは何らかの障害を持つ人のことを指します。
障害の種類は大きく分けて3つ。
・身体障害
・知的障害
・精神障害
「障害者自立支援法」全文はこちらからご確認ください。
対象者の年齢に合った目標を立てよう
では、福祉施設に通っている障害児と障害者の「支援目標」は同じものなのでしょうか?
施設によっては混合してしまっているところもあります。
しかし、障害児も障害者もライフステージが異なるるのです。
ライフステージとは、人生における年齢で分かれた「段階」のことです。
学童期であれば学校に通います。
青年期であれば仕事をしているかもしれません。
障害児と障害者を支援するとき、目標が同じであるはずがないのです!
障害者
18歳~
学校を卒業した後の人たちです。
社会に出ている、もしくは 入所している。
今後、その世界で生きていくかもしれない人が多い。
そのため、障害者の支援目標には「生活」を挙げることが多いのです。
・日常生活動作(ADL)
⇒ トイレ、入浴など生活の中で行っている行動のこと
・社会生活を送るうえで必要な力
⇒ お金、対人面など
生活がメインとなりので知的能力に関わらず「身辺自立」を目標とすることが多いです。
完全自立でなくても介助量を減らすことを目標にすることもあります。
・洋服の更衣(脱ぎ着)
・食事を一人で行う
・オムツではなくトイレで排泄
障害児
0歳~18歳まで
障害を持っている子の場合、本来ならば特定の年齢で獲得できるはずの力が身についていないというケースがあります。
健常児(定型発達)とは異なるのです。
喋ることができない子、約束が守れない子、勉強が過度に苦手な子・・・
子どもの苦手な部分は「発達」の遅れや凸凹に原因があるかもしれない。
・ことば
⇒ ことばが出ない、遅れている
・コミュニケーション面
⇒ 友達との関係
・認知面
⇒ 知的な側面
そのため、支援の目標では「発達」に着目する必要があるのです。
まとめとして
今回は、障害者と障害児の違いについて説明しました。
対象者の「いま」どんな状況か?によって支援や目標の立て方が変わってくるのです。
何が必要で、今後どうなっていくのか?
親御さんや支援者の願いは?
特に子どもの場合、身辺自立といった目に見えることだけを支援の目標にしてしまうと、後になって「やっぱりできなかった」となることがあります。
発達的に「自分がいま持っている力」以上のことを求められてもうまくいくはずがありません。
そこを念頭に置いて支援を行うとよいのではないでしょうか?
よかったら参考にしてみてくださいね。
◆様々な発達の種類と年齢はこちらの記事をご覧ください ↓
いろんな発達段階を表にまとめてみた。子どもの発達年齢を知って支援に役立てよう【まとめ記事】