障害の度合いが違う子が一緒に遊ぶために気をつけたいこととは?
障害を持ったお子さんも、友達と一緒に遊ぶ機会があると思います。
・障害児の施設(通所)
・学校
・休日に友だちと
そんなとき、気になることがあります。
障害の重さが同じ子は一人もいない。
みんな少しずつ違っている。
それは個性や特徴として捉えればよい。
でも、ちょっとまって。
・障害の重さが違う友達と遊ぶとき、どうすればいいの?
・大人はどのように遊びを提供すればいいの?
そんなことを考えたことはありませんか?
今回は、障害の重さが違う子たちが一緒に同じ場で遊ぶためのポイントを説明します。
障害の重さが違う子でも一緒に遊べるのか?
障害は子どもによって重さが異なります。
重さとは障害の度合いや程度のこと。
そういった子たちが「一緒」に「同じ」遊びをことはできるのでしょうか?
障害には様々な種類がある
障害には様々な種類があります。
下記の図はその一例です。
・身体障害
・知的障害
・精神障害
これらの中に各障害があるイメージです。
・脳性麻痺
・自閉症などの発達障害
・ダウン症
もっと詳しく知りたい人はこちらもご確認ください。
それ以外にもたくさん種類があります。
障害名や疾患名が同じでもまったく同じ状態の子はいません。
なぜなら「知的」な力の障害具合、「発達」の進み具合が異なるからです。
では障害の「重さ」とはどのようなことを意味するのでしょうか?
障害の重さが違うってどういうこと?
障害や疾患によっても「障害が重い」は異なります。
障害児分野で働く人たちがいう「障害が重い」は下記のことを指すことが多いです。
・肢体不自由児 ⇒身体の動きに制限がある。その制限が大きいほど「障害が重い」
・自閉症 ⇒自閉症の傾向がより強いと「障害が重い」
・知的障害 ⇒知的な発達の遅れがより大きいと「障害が重い」
ひとつ注意したいのが「障害が重い」という中身が、親御さんと支援者とでは違っていることがあるのです。
・親御さん ⇒自分の子どもと周囲の子どもを比べて「重い」という
・支援者 ⇒同じ障害や疾患の子同士で比べて「重い」と言っている
全員が当てはまるとは思いません。
しかし、このように言っている人もいらっしゃるので支援者は気をつける必要があります。
あえて親御さんに「それは違いますよ!」という必要はありません。
そんなことを言うのはトラブルのもとです。
親御さんと支援者の「障害が重い」は一致しない場合も多い。
頭の片隅に置いておいてください。
遊びを組み立てるときの2つの考え方
障害の度合い(重さ)が同じ場で過ごす機会はたくさんあります。
では、そんなときにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
遊びを開始するまでの「組み立て方」の例を説明します。
大きく分けて2通りのパターンがあります。
・遊びの内容
・参加者
このどちらを先に決めるか?というものです。
① 遊びの内容から考える
「夏祭りをしたい」
「運動会をしたい」
「クリスマス会をしたい」
施設などでイベントを計画することも多くあります。
そんなときには、まず「遊びの内容」から考えると思います。
どんな遊びをするのか考える
↓
参加する子を確認する
↓
その遊びで「できること」を考える
↓
遊びの決定
↓
大人(介助者)や物品、場所を用意する
↓
遊びの実施
まず遊びの内容を決めます。
そして、どうすれば遊びに参加できるのか?を考えていきます。
② 参加する子どもをみて考える
何をしたいか?が決まっていない場合もあります。
そんなときには、参加する「子どもたちの力や興味」から遊びの内容を決めていきます。
参加者の確認
↓
子どもの「できること」「興味のあること」を調べる
↓
遊びの決定
↓
大人(介助者)や物品、場所を用意する
↓
遊びの実施
まずは、子どもの「できること」や現在の「課題」を考えます。
「できること」や「課題」を使って楽しめること=遊びを選びます。
子どもに何をさせたいのか?がポイントです。
そのため、同じ遊びを行うのであっても、子どもによっては別のことをすることもあるのです。
2つの共通点
先ほど挙げた2つの遊びの組み立て方には共通点があります。
それは子どもが持っている動きや力(能力)を考慮するということです。
もちろん、動きや能力は子どもによってバラバラです。
みんなそろって同じ遊びをするわけではないことがポイントです。
「別のこと」と聞くと「みんなで一緒にできないの?」と思われるかもしれません。
でも、考えてみてください。
・知的な遅れがあるために自分で選べないのに、大人から無理やり選ばされる
・まだできない動きなのに、大人から無理やり動かされる
・待つことが難しい子なのに永遠と待たされる
みんなで同じことをする必要はない
「みんなで一緒に!」を強調し過ぎると、遊びの内容が「できる子」に合わせたものになりがちです。
みんなで工作をするとき。
ほぼ大人がやってしまっている、なんてことはありませんか?
それって、子どもが今、持っている力を無視している証拠なのです。
みんなで同じ内容の遊びをさせてあげたいという気持ちは分かります。
必ずしも全員が「同じ」遊びを行う必要はありません。
大切なのは
・子どものできることを把握すること
・同じ「場」で過ごすこと
なのではないでしょうか?
大人の皆さん、先走っていませんか?
まとめとして
今回は、障がいの重さが違う子が集まって遊ぶとき、何に気をつければいいの?というはなしをしました。
大人はどうしても
・みんなで一緒に
・わたし(大人)がイメージする「遊び」をやらせてあげたい
というように考えてしまいがちです。
しかし、それではついて行けない子がいるのを忘れてはいけません。
大人が頑張れば大丈夫。
そうおっしゃるかもしれませんが、頑張りだけでは大人の自己満足で終わることも多いのです。
繰り返しになりますが、大切なのは子どもの目線で考えることです。
・子どものできることを把握すること
・同じ「場」で過ごすこと
いま、子どもに必要なことは何なのか?
他の子と同じことをすることだけが優しさではないのです。
よかったら参考にしてみてくださいね。
ちなみに・・・
「感覚遊び」は障害の度合いに左右されにくい遊びです。