言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

新型コロナウイルスと学童&放課後等デイサービス②「人数のはなし」

今回の新型コロナ対策と放課後等デイサービスの状況

学校休校の通達があってから2週間がたちました。
特別支援学校は、様々な理由で家にいられない子に限り通学が認められるところが多いようです。しかし、学校もすべての児童を受け入れられるわけではないようです。

 

 

 

子どもの数が多すぎるか、誰もいないか

例年ならば、そろそろ卒業式が始まる頃です。それまでは学校に登校して、その後、春休みとなるはずでした。今年は新型コロナウィルス対策として、3月に入ってからすぐに学校が休校。放課後等デイサービスは春休み保育の前倒し、というか見切り発車を余儀なくされました。現在、事業所によって異なるのが、登室してくる子どもの人数です。

・家にいられないから放課後等デイサービスへいきたい
 →いつもより大人数の子が通ってくる

・ウイルス感染が怖いから通うのはやめます
 →ほとんど子どもがいない

普段通りの事業所もあるかもしれませんが、大半は上記のどちらかです。それに加えて、スタッフの時差出勤や在宅勤務。さらに体調を崩してしまうスタッフも出ていると思います。現場は混乱しています。

 

 

現場の様子

学校に通っている子もいます。しかし、登下校の時間は普段と大きく異なります。放課後等デイサービスの開所時間も普段と異なります。
異なることばかりで、時間を間違える(勘違いしている)保護者の方やスタッフが続出。来るはずの子が来なかったり、いつまでたってもお迎えに来なかったり・・・。

保育の活動も制限されています。人の集まるような場所へ遊びに出かけることは避けて、公園や施設内で過ごすことが多いです。そのため、いつもよりも施設内が混雑している、公園がビックリするくらい混んでいる、という事態も。

活動を組むものも一苦労です。現場はかなり慌ただしいので「○時から外出する」「□□君と△△君は部屋に残る」等のスタッフ間の情報のズレが起こりやすい状況です。こういうときに事故は起こりやすいです。特に食事の事故が考えられます。充分に気を引き締めなければいけません。

 

 

しばらくの間は「やむを得ない」というグレーゾーン

今回の件は、突然始まったこともあり、受け入れの人数や開所時間など、国はある程度、容認しています。グレーな感じがいくつもあります。例えば下記のようなものです。


①定員を超えて受け入れることもやむを得ない

基本的に放課後等デイサービスは、事業所の規模ごとに定員が決まっています。利用する子が利用定員×150%をオーバーしてしまうと国からもらえるお金が「減算」されてしまうのです。


②いつもより少ない時間数での開所もやむを得ない

「開所するときは、少なくとも○時間以上開けなさいね」という決まりがあります。この決まりがないと「日曜に1時間だけ開所しました。お金ください。」のような事業所が出てくるからです。
今回はその制限を緩くするようです。

 

厚生労働省

新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての
放課後等デイサービス事業所等の対応について(その4)

 

 

1ヶ所が悪いことをすれば放課後等デイサービス全体のイメージが悪くなる

このグレーゾーンを悪用して、楽して儲けようとしている事業所は、少なからずあるようです。
国もそのことは分かっていて、どんどん対策を考えているようなので、ズルをしようとは考えない方がよいです。あたりまえですが。こういう状況で「自分たちだけうまい蜜を吸おう」と考える事業所が出てくると、業界全体のイメージが下がるのです。

 

ちなみに下記は、今回の新型コロナウイルス対策で被害を被った施設に向けて出した処置のひとつです。

 

新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての
放課後等デイサービス事業所等への財政支援制度について

 

 

前回の話し

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