放課後等デイサービスのスタッフ間でも使える「同時処理」「継次処理」
最終更新:2020.12.29
同時処理・継次処理って何回聞いてもごちゃ混ぜになりますよね。
今回は「同時処理」「掲示処理」を分かりやすく説明します。
障害児だけではなく、スタッフ間、特に上司から部下に伝達のときにも使える考え方です。
自分の意図はきちんと相手に伝わっているのか?
仕事を始める前には必ず打ち合わせがあります。
“上の人”がスタッフたちの前で本日の流れを説明します。ベテランスタッフであれば、“上の人”の「ことば足らず」「時間がタイト」などの癖を把握したうえで、その意図を理解していくと思います。しかし、注意していても、どうしても理解できないときがあります。その原因のひとつに認知処理の違いがあります。人が情報を処理するとき、認知の仕方に違いがある、という話しです。
継次処理と同時処理
同時処理・継次処理という言い方を聞いたことはないでしょうか。発達障害の分野で使われることが多いものですが、近年ビジネスの世界でも聞かれるようになってきました。
先輩が継次処理タイプで、順を追った説明を丁寧にしているけれど、それを聞いている後輩は同時処理タイプ。早く全体像を知りたくて先輩の話が全然頭に入ってこない。こんな悲劇が起こります。
障害児通所施設である放課後等デイサービスでは、子どもと一緒に遊んだり学んだりする場なので、情報共有の抜け落ち、穴は命取りになります。まさに児の通りの問題が起こりうるので注意が必要です。
同時処理
まずは全体を把握してから細部を認識していくタイプです。
今日は○○公園へいきます。15:00までに帰って来てください。子どもの担当と活動の流れは、この(紙に書いてある)通りです。
という指示で「ゴール(目的)」と「求められているもの」が把握できるタイプです。ゴールに向けて物事を進めていきます。そのため、自分はどこまで求められているのか?全体像が分からないと不安になりやすいです。
継次処理
順番に考え、処理を行っていくことが得意なタイプです。
今日は○○公園へいきます。11:00に出発して、付いたらすぐにお弁当にしてください。公園で遊んだ後、15:00までに帰って来てください。子どもの担当と活動の流れは、この(紙に書いてある)通りです。
という指示で「ひとつひとつ積み重ねて(こなして)」いく。「どのような順番で進めるかを予め知っておく」ことで安心できる。
保育活動の指示書を、各処理の人向けにそれぞれ作ってみました。こんな感じでしょうか。説明の仕方で相手の理解度が変わってきます。
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自分の考えなんて100%伝わらない
私は福祉業界で長年働いていますが、上司と部下の認知処理のタイプが異なることによるスレ違いを何度も目にしてきました。もちろん、放課後等デイサービスでもあります。
上司と部下が同じタイプの場合、上司はその部下に良い評価を与えがちです。部下も「なんだこの上司は」と思ってしまいがちです。しかし、根本が違うことがあるのです。目に見えないことにもお互い気を配る必要があります。
放課後等デイサービスで働く保育スタッフは、子どもの特性を配慮して、その子の気持ちを察することが得意です。専門職の自分から見ても「かなわないや」と思うくらいです。しかし、スタッフ同士だと、その強みが出ないんだか、出せないんだか・・・。本当にもったいないと感じています。
相手に自分の意見を伝える時には「どのくらい伝わっているのか?」に敏感になっていくことが求められるのです。お互い気持ちよく働くためにも。
まとめ
今回は「同時処理」「掲示処理」について説明しました。
これで少しはすっきりしたのではないでしょうか。
まとめると、「同時処理」と「掲示処理」は
・子どもの評価に使えるもの
・大人同士のやり取りでも使える
ということが分かりました。
忘れたらまた確認してみてください。
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