言語聴覚士は怪しい職種か?
「わたしの婚約者が言語聴覚士っていう職業なんだけれど、大丈夫かしら?」
こんな質問をされたことがあります。
おそらく、収入面や将来性を心配しての質問です。
今回は、自分の大切な人が言語聴覚士(ST)だったときに知っておきたいポイントを説明します。
言語聴覚士なんて聞きなれない職業(職種)だけど・・・大丈夫?
言語聴覚士って何?
言語聴覚士(げんごちょうかくし)は「ST」と略されることがあるリハビリの専門家です。
「話す」「聞く」「食べる」の分野で専門です。人によって異なりますが、大部分の言語聴覚士が医療職・福祉職です。なかには研究職や営業職という人もいます。
相手は障害や疾患をもった人たち。
・高齢者
・障害を持つ人
・子ども
など年齢も様々です。
すべての年代を受け持つ言語聴覚士もいます。しかし、たいていは「高齢者が専門」もしくは「子どもが専門」のどちらかです。
◆小児の言語聴覚士の仕事内容はこちらもご覧ください
収入は?
一番気になるのは年収だと思われます。
言語聴覚士の年収は次の通りです。
高収入とは言えないかもしれませんが、充分な収入と言える金額です。
では、時給ではいくらくらいなのでしょうか?
参考資料:令和2年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
※リハビリ職とは「理学療法士(PT)」「作業療法士(OT)」「言語聴覚士(ST)」「視能訓練士(CO)」を含んだもの
さすがに医師や看護師(正看)と比べると安いのですが、介護士や保育士と比べると明らかに高いです。
同じ業種の年収と比較すると次のようになります。
※このサイトではPTやOTもSTも年収が同じ額になっています。おそらく「リハビリ職」というくくりで産出された金額だと考えられます。
※高齢者施設、障害者施設は「福祉施設」のくくり
言語聴覚士は領域が広い職種です。
・病院
・福祉施設
・学校関係
・メーカー
さらに対象者が誰か?によっても変わります。
・一般患者
・小児
一般的に小児の領域は給料が安いと言われていました。しかし、近年、子どもの領域での言語聴覚士の需要が高まってきています。そのため、年々、給料が上がっています。
さらに、公的機関で働く言語聴覚士の中には公務員として勤務している人もいます。
将来性は?
医療や福祉の分野で働くまじめな職種だということは分かりました。
しかし、いくらまじめな職種でも将来性がなければ・・・。
安心してください。
言語聴覚士は実は様々な現場から引っ張りだこな職業です。
・超高齢化社会
⇒ 高齢者が増える。その分、病気などを抱える人も多くなる。
・医療の進歩
⇒ 命が助かる赤ちゃんが増える。しかし、障害を持って生まれる子も増える。
高齢者や子どもの「困っている」をどうにか助けるお手伝いをするのが言語聴覚士です。AIにとってかわられる心配もありません。
幸せになれる職業なの?
日々勉強が必要な職種ですが、やりがいはあります。職業的に「合う・合わない」はあります。しかし、自分に「合わない」と感じたらすぐに別業界に転職しているはずです。
職場が「合わない」のであれば別の職場に転職します。
ここでのポイントが何歳になっても転職(再就職)がしやすいという点です。
30歳代、40歳代、50歳代でも雇ってくれる職場があります。スキルアップのための転職がしやすいのは大きなメリットだと思います。
わたしも数回、転職の経験がありますが、ありがたいことにどれも2週間以内に次の職場が決まっています。
・障害者施設 ⇒ 補聴器メーカー
・補聴器メーカー ⇒ 放課後等デイサービス
・放課後等デイサービス ⇒ 放課後等デイサービス
このご時世、すぐに次の仕事が見つかるというのは幸せなことです。
あなたも、彼(旦那さん)も幸せになれるはずです。
まとめとして
今回は言語聴覚士(ST)について紹介しました。
聞きなれない言語聴覚士という職業。なかなか楽しい職業です。
わたしは気がつけば働き始めてから 10年がたちました。これからも言語聴覚士を続けていきたいと考えています。豪遊はできませんが、充分に楽しい生活を送っています。ライフワークバランスも保てています。
だから安心してください。
もしも、あなたの大切な人が言語聴覚士でも大丈夫です。職場を選んで真面目に働けばまあまあお金ももらえますし、将来性もあります。
あとは本人の人柄です。
◆参考資料
令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/content/000817351.pdf
職業情報提供サイト(日本版O-NET)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Search/Result