放課後等デイサービスの1日の流れを紹介します
放課後等デイサービスは、学校が終わったあとに障害のある子どもたちが集団で過ごす通所支援サービスです。放課後等デイサービスの1日は、午前中は静かで、子どもが来所すると一気に慌ただしくなるのが特徴です。
放課後等デイサービスに通わせるか迷っている保護者の方や、就職先として検討している学生の方から、
「1日どんなことをしているの?」
「言語聴覚士は実際に何をしているの?」
とよく質問を受けます。
この記事では、現役の言語聴覚士である私が、実際の1日の流れを平日・長期休み別に詳しく紹介します。
名前を聞いただけでは、1日をどんなふうに過ごしているのか分かりづらいと思います。今回は「放課後等デイサービス」での流れを紹介します。
放課後等デイサービスの1日は忙しい?大変?
放課後等デイサービスはどのくらい忙しいのでしょうか?
わたしの経験から言いますと「慌ただしい」です。やることも多いし、安全面に気を配らないといけないし、大変です。学校がある日と学校休業日でも、「慌ただしさ」に差があります。しかし、子どもたちと一緒にワイワイ過ごすのは、とても楽しい時間です。
放課後か?学校休業日か?
活動内容は施設によって異なります。
・児童発達支援があるのか?
・放課後か?学校休業日か?
によっても過ごす時間が異なります。
※児童発達支援とは、未就学児が通うサービスです。放課後等デイサービス(放デイ)の子たちが来所するまで預かるケースが多いです。
平日の流れ
学校がある日は、授業がすべて終わってから、放課後等デイサービスの施設で過ごします。
施設によって
・午前中は児童発達支援(未就学児)
・午後は放課後等デイサービス(小学生以上)
となっています。午前中、子どもが来ない施設は、事務作業をする時間が確保されています。
A)午後に「放デイ」のみの場合
9:00 出勤
10:00 午前中は事務作業
11:00 (評価、検査準備、資料作成、話し合いなど)
12:00 休憩
13:00 学校お迎え出発
14:00 施設到着、トイレ、水分摂取など
15:00 設定保育・おでかけ・検査など(日によって異なる)
16:00 おやつ
16:30 帰りの会
17:00 帰りの車送迎(重症心身障害児のみ)★
例)
放課後等デイサービスでは、午前中は子どもが来所しない施設も多く、言語聴覚士はこの時間を使って評価や記録作成などの事務作業を行います。
午後は、急に忙しくなります。子どもたちを来るまでお迎えに行きます。デイについたら、まずはオムツ交換(排尿チェック)です。トイレのベッドでオムツ交換をする施設では、トイレ渋滞が起こります。
全員が終わったら、やっと活動が始まります。感覚遊びや季節の行事、散歩など。毎日、スタッフがみんなで考えて活動を行います。子どもたちが楽しそうにしてくれると、スタッフも嬉しくなります。
今度はおやつです。市販のお菓子の場合、子どもに合わせて加工していきます。大きさを整えたり、ペースト状に再加工したり、水分にとろみを付けたり。
おやつ介助を急ぎたいけれど、安全第一なので、事故が起きないように、慎重に食事介助を進めていきます。
B)午前に児童発達支援、午後に放デイの場合
9:30 出勤、送迎
10:00 子ども来所、朝の会
活動(児童発達支援)
11:30 昼食
13:30 帰りの会、送迎(児童発達支援)
14:00 学校お迎え(放デイ)
15:00 おやつ、活動(放デイ)
17:45 帰りの会
17:00 帰りの車送迎
掃除、事務作業など
18:30 退勤
例)
職場に来たら、すぐに未就学児の子たちを車でお迎えに出かけます。とにかく朝は慌ただしいのです。
送迎から戻ってきたら、排尿チェックやトイレ誘導を行います。熱を計って、水分を取って、朝の会が始まります。
活動では、感覚遊びや季節の行事など。放デイと比べると、工作が多く、出来上がった作品を家に持ち帰ります。もちろん、お散歩や公園あそびもあります。通常の幼稚園に行けない子達のために、「通常の幼稚園でよくやること」を取り入れることも。
活動が終わったら、再び、排泄チェックです。手を洗って、きれいになったら、お弁当タイム。お弁当を食べやすく再加工するのもスタッフの仕事です。
食べ終わったら、のんびりタイム。部屋を暗くして光遊びをしたり、工作の続きをやったりします。時間になったら、排泄チェックをして、帰りの準備。帰りの会をして、送迎車に乗り込みます。
午後は、【A午後に「放デイ」のみの場合】と同じです。
・特別支援学校によって下校時間は異なります。
・子どもの学年によっても時間は異なります。
放課後等デイサービス ST 仕事内容
放課後等デイサービスでの言語聴覚士の主な仕事内容は次の通りです
・子どものコミュニケーション状態の観察と評価
・食事場面での安全確認や嚥下のチェック
・支援スタッフへの助言や共有
・個別訓練が必要な場合の対応
◆PT・OT・歯科医師などの外部専門家と意見を交わすこともあります。個別訓練を依頼されることもあります。その際は、活動の時間に、対象の子だけ別の部屋で訓練を実施しています。
◆基本的には、支援者とともに、一緒に活動に参加しています。その中で、気になる様子をスタッフに伝えたり、一緒に考えてもらったりもしています。
◆夏休みなどの長期休暇中は、子どもたちは朝から来るので、STも1日中、保育活動に参加しています。
◆放課後等デイサービスに、子どもが来るのは、基本的には学校が終わってからです。午前中の空き時間をうまく使うことが求められます。仕事を振られない限り、自分で仕事を作ることが多いです。
放課後等デイサービスでの言語聴覚士の役割については、以下の記事で詳しく解説しています。
休日・長期休み中の流れ
学校がお休みなので、小学生以上の子たちも朝からデイにやってきます。
休みの日の流れは、どこの放デイも似ています。ここでは、2つの施設の例を紹介します。
A)施設Aの場合
9:00 出勤、送迎(重症心身障害児のみ)
10:00 子ども来所、朝の会
11:00 集まり活動、設定保育など
12:00 昼食
13:30 片付け、午後の準備など
14:00 おでかけなど
15:30 帰りの準備、帰りの会
16:00 子ども引き渡し、送迎(重症心身障害児のみ)
掃除、事務作業など
17:00 退勤
施設Aは、午前もしくは午後のどちらかに外出します。公園や商業施設、博物館など。電車に乗って出かけることもあります。
車椅子に乗っている子の場合、お出かけで一番時間がかかるのが「車椅子の乗せ降ろし」と「トイレ」です。「だれでもトイレ(障害者トイレ)」を探すだけで時間がかかるので、あらかじめトイレの場所は調べてから出発します。
午後に出かけるのであれば、午前中は、ゆっくりの活動です。集団で遊ぶこともあれば、スタッフと個別に遊ぶこともあります。
B)施設Bの場合
8:30 出勤、送迎
10:00 子ども来所、朝の会
活動①
11:30 昼食
静養
14:00 活動②
15:45 帰りの会
16:00 送迎
掃除、事務作業など
17:30 退勤
Bの施設では、散歩に行くことはありますが、お出かけは ほとんどしません。午前と午後に、それぞれ活動時間を設けて、感覚遊びや季節の行事などを中心に行っています。
施設によって流れが異なる理由
放課後等デイサービスの施設によって、活動内容や流れが違うのはなぜでしょうか?それは次のような理由があるからなのです。
・支援方針の違い
・職員の違い
それぞれ、みていきましょう。
「支援方針」の違い
放課後等デイサービスは、子ども一人ひとりの発達や特性に合わせた支援を行うことが目的です。
・学習支援を重視する施設
・運動や感覚統合を中心にする施設
・社会性(コミュニケーション)を伸ばす活動が多い施設
など、それぞれの理念や専門分野によって内容が変わります。
職員の専門性や経験の違い
保育士、児童指導員、言語聴覚士など、どんな職種のスタッフがいるかによって、提供できるプログラムが変わります。
・運動に強いスタッフがいれば、体を使った活動が増える
・発達を学んできたスタッフがいれば、感覚を使った遊びが増える
それぞれの職種が自分の分野で能力を発揮しているイメージです。
言語聴覚士の場合
言語聴覚士だったら「言語訓練ばかりしているんでしょ?」そう思われる人もいるかもしれません。実際には、ことばを話す子ばかりではありません。
発達障害等がなくても、外にまったく興味が向かない子もいます。発達が初期段階の子には、遊びを通して興味が人やものに向かうよう促していく。それがコミュニケーション発達の土台となるのです。言語聴覚士の大切な仕事のひとつです。
放課後等デイサービスは施設ごとに特色が大きく異なるため、利用や就職を検討している場合は、実際に見学して比較することが重要です。
まとめとして
今回は放課後等デイサービスの一日を紹介してみました。
放課後等デイサービスには様々な形態があります。上記はわたしが関わったことがある施設の例です。日々こんな感じで時間が流れていきます。ほんとうにあっという間です。
何となくイメージがつかめましたでしょうか?
放課後等デイサービスは「同じ枠組みの中で、それぞれが特色を出しているサービス」なのです。そのため、活動内容や一日の流れに違いが出るのです。もしも、施設を比較する場合は、「何を大切にしている施設か」という視点で見ると分かりやすいです。
お子さんを通わせるときや自身が働きたいときなどの参考にしてみてくださいね。

