言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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姿勢の名前と種類。肢体不自由の子が遊びやすい姿勢(体位)とは?

肢体不自由の子の“姿勢”について

身体の自由がきかない子と一緒に遊ぶときに、どういう姿勢にしてあげればよいのか迷うことがあると思います。一度、姿勢の名前と特徴を整理していきます。

 

 

 

Ⅰ 姿勢の種類

福祉分野、医療分野で使われる姿勢の呼び方をまとめました。分かりにくいので、まとめてみました。

 

1)座った姿勢

目で物を確認しやすい姿勢です。手が前に出しやすく、スプーンなどの道具が使いやすいです。人の頭や身体は以外と重いものです。そのため、それらを支える力がないと崩れてしまいます。咳や呼吸もしやすい姿勢です。座る際には、腰がしっかりと座面の奥に入っているか確認をすることが大切です。

  

① 長座位

両足を伸ばして座った状態です。他の姿勢と比べると、上半身が不安定にになりやすいです。

  

② 端坐位

背もたれのない椅子に座った姿勢です。

 

③ 椅座位(いざい)

 背もたれのある椅子に座った姿勢です。

 

④ ファーラー位(半座位) 

仰臥位の姿勢から45~60度程度起き上がった状態。ベッドの角度を変えると身体が下に落ちていきます。予め、下肢を曲げて立たせることで落ちにくくなります。

 

⑤ セミファーラー位

仰臥位の姿勢から15~30度程度起き上がった状態。

 

⑥ 起座位

 

 クッションや机などに寄りかかって座っている姿勢です。上体は90度に起こしています。この姿勢や半座位(ファーラー位)を取ることで呼吸が楽になります。椅子に座っていても、ベッド上でも、机などに寄りかかった姿勢は起座位と呼びます。

 

⑦胡坐(あぐら)

私たちが普段からやっているあぐらと同じものです。あぐら座位とも呼びます。胡坐のように足を組むことで、脱力できる場合もあります。

 

⑧割座(わりざ)

正座の状態から尻を床に落とした姿勢をさします。女の子座りと呼ぶこともあります。日常的にこの姿勢を取り続けると、股関節内旋や骨盤前傾位になりやすいといわれています。腰痛を誘発することもあります。よく見る姿勢ですが、あまり好ましくありません。

 

 

注意点

座位を取ろうとしても、脳性麻痺等で、筋緊張の過度な強弱があると上手く座ることが難しくなります。その際には、車椅子や座位保持装置などの、自分の身体に合ったものを使用します。

 

 

筋緊張をやわらげるために

① 手先、足先を曲げ伸ばしする

② 膝や腰などの大きな関節を曲げ伸ばしする

ことで脱力を促せる場合があります。無理は禁物ですが。

 

 

2)寝転がった姿勢

 ① 仰臥位

 

 寝転がって天井を見た姿勢(仰向け)です。筋緊張が低くなります。下肢が左右どちらかに倒れがちなので上半身(特に首)がねじれやすい蛍光があります。重力の影響を受けるので手も出づらいです。下顎が引かれやすく、舌も落ちやすいです。そのため、食べものが飲み込みにくく、呼吸がしにくくなる場合もあります。

 

 

 ② 腹臥位(伏臥位)

 うつ伏せで寝転がった姿勢です。下顎が前に出ますし舌も落ちづらいです。そのため、呼吸が楽になる姿勢です。自分の身体の下敷きになっていなければ、両手も使えますし、目で確認もしやすいです。
 

 

 ③ 側臥位

 横向きに寝転がる姿勢です。仰臥位や腹臥位と比べると、設置面積が狭いので不安定(バランスが悪い)です。この姿勢は、逆流性食道炎(胃逆流食道)や呼吸障害がある場合には有効です。どちらを向くかは検査によって決まります。

 

 ④ 半側臥位

 仰臥位の状態から左右どちらかに身体を45度ひねった姿勢です。仰臥位(仰向け)と腹臥位(腹ばい)の間の姿勢で、褥瘡予防などの際に使用するものです。

 

  

 ⑤ パピーポジション(on elbow)

 腹臥位の状態で、両肘を床に付けて立たせる姿勢です。リハビリやトレーニングなどでよく使われます。普通の腹臥位と比べて視界が保たれやすい(前が良くみえる)です。

 

 

 3)その他

①四つ這い

両手と両膝をついた姿勢。運動発達(粗大運動)の流れのひとつ。

 

 

 

Ⅱ 活動によって姿勢を変える

活動によっては、姿勢を工夫した方が子どもが動きやすいケースがあります。下記はそんなときの例です。動きだけでなく視界の確保にも気を配りましょう。

 

① 体幹が安定した姿勢

座っている際に、片手で身体を支えている子がいます。体幹(胴体部分)を保持するのに手を使ってしまうと、遊ぶときに手を出しづらくなります。その場合、支援者が子どもの身体を支えてあげると、自発的に手が出てくることがあります。

 

 

② うつぶせの姿勢

うつぶせ(腹を床につけた姿勢)になると、両手がフリーになります。そのため、手が出やすくなります。床に両肘をつけないため、細かい動きをする際には適していない姿勢でもあります。手を使う際に、同時に目を使いやすくなります。しかし、長時間うつぶせではつらくなってしまう場合もあるので注意が必要です。

  

 

③ 横向けの姿勢

座位を取れない子が手を使う場合に有効な姿勢です。

 

a )身体の下になった方の手を使う場合

肘が床についているので姿勢が安定します。また、目を使いながら手も使って運動を調節しやすくなります。しかし、手を動かせる範囲がそれほど広くありません。

 

b )身体の上になっている手を使う場合

目で目的のものをとらえやすくなります。しかし、手を使おうとすると目が逸れやすくなります。しかし、姿勢が安定しなくなるため、支援者の介助が必要となります。

 

 

④ 座位の姿勢

やや前傾姿勢になって、両肘を机に乗せることで目と手を一緒に使いやすくなります。また、周囲のものと同じ方向(垂直)に見ることができるので、自然で、空間の認識もしやすくなります。 まずは、どうすれば外の刺激に気付いてもらえるか?、どうすれば手が出やすいのか?手を使う際に、一緒に目も使うにはどうすればよいのか?を考えていけばよいのだと思います。

 

 

 

 

まとめ

 

姿勢を整えてあげるだけで、活動に子どもが参加できることもあります

 

専門職は「臥位」など、専門用語をよく使います。助言などを行う際には、優しいことばに置き換えて話してくれると思います。

ただ、それは毎回ではなく、忙しいときや焦っているときなど、専門用語で済ませてしまうことがあります。そういうときに、基本的な専門用語を知っていると戸惑わずに済みます。(まあ、聞き返せばよいのですが・・・)

他職種に対して専門用語で話しかける方が悪いのだと、私は思っています。私自身、ときどきやってしまうので、反省の意味も込めて・・・。


逆に、こちらから発信するときに、無理に専門用語を使う必要はありません。専門用語で話しかけられると、相手も「そのことばを充分に理解しているもの」として話を進めてしまう可能性が高いです。注意したいです。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

・感覚と運動の高次化からみた子ども理解 学苑社 宇佐川浩

・子どもの摂食・嚥下障害 永井書店

・リラクセーション肢位の違いが呼吸運動出力及び自律神経機能に与える影響
 理学療法科学 25(5):657–662,2010
・乳幼児期における割り座姿勢の習慣と立位姿勢との関連

 

投稿:2018年5月12日

更新:2020年4月12日