肢体不自由の子が持つ「不安」とは?
肢体不自由の子たちは、自分で思うように動くことができません。
・虫が飛んで来たら避ける
・転びそうになったら手をつく
といった、私たちが無意識的に行っていることもできません。
そのため、不安やあきらめが強く出ていることがあります。
今回は肢体不自由児が持ちやすい「不安」について紹介します。
様々な不安の要因
肢体不自由の子たちと関わっていると、教科書には載っていないことに出くわすことが度々あります。
過度に驚いたり、受け身になったり・・・
わたしたちのような身体に制限のない人がやらないような反応が肢体不自由の子たちにみられるのです。
保育士の方から教えて頂いたことをいくつか紹介したいと思います。
放課後等デイサービスの活動の中で、
例えば、車椅子に乗っているときにこんな反応をする子がいます。
【一人にされる】
置いて行かれる等の、“ひとりにされること”に対しての不安があります。
「外出時に車椅子で取り残される」「夜中目を覚ました時」など。
自発的に動くことが難しいからこその不安の強さがみられます。
だからこそ、子どもと関係性が出来てくると、療育や保育がスムーズになります。
他の障害の子よりも顕著にみられる気がします。
自分で動けないからこそ、支援者からの援助が日常的なものとなり「この人から介助を受けると楽だな。楽しいことが起こるな」と感じてくれる。
そこから、その子どもが持っている色々な力が発揮されるのだな、と感じることが多いです。
【バックする】
急に車椅子を後ろ向きに動かしたとき、過度に怖がったり、怒ったり「バック」に対して不安を感じる子がいます。
原因はいろいろあるのだと思います。
・後ろを振り向けなかったり
・バックする感覚が嫌だったり
・突然動かされることが心外だったり
「後ろに下がるよ」等の声かけをしてからバックすることでこの不安は軽減されやすいです。
何かするときには、予めことばかけをしてあげるとよいです。
後から気持ちがついてくる
不安もそうですが、肢体不自由の子の中には、後から感情が湧く子がいます。
反応がゆっくりだからなのか、何かきっかけがあったのか、理由はその子によって違ってくると思いますが。
支援者がその場だけの評価や援助をしていると「わがままだ」と思ってしまったり、子ども像があやふやになってしまったりします。
そういうところも含めて、肢体不自由の子と関わるときには「じっくりと待って相手の反応を見落とさないようにしましょう」と言われているのでしょう。
自分もせっかちなので、気を付けていかなければいけませんが・・・。
どんな姿勢がいいの?
支援者が考えている以上に姿勢を整えていく必要があります。
不安になりにくい姿勢はどんなものなのでしょうか?
一番大切なのは見て安心できることです。
物や人を実際に目で見ることで予測が立ちやすくなるからです。
お役立ちグッズの紹介
動きに制限がある子と遊ぶときには声かけを忘れないようにしましょう。
・ボールを投げるよ
・車椅子を動かす
それに加えて見て理解できるようにするのです。
そんなときに役に立つのが鏡です。
それも全身鏡がよいです。
割れやすいものは避けましょう。
最近ではシート状のものが売られています。
割れることもないし安全です。
私もよく使っていました。
全身鏡くらいの長さの枠にミラーシートを張ります。
軽いので持ち運びもしやすい。
活動中、ミラーを使うことで子どもの視界が拡がるのです!
値段も高くありません。
ミラーシート、おすすめです。
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まとめとして
今回は肢体不自由児が持ちやすい「不安」について説明しました。
自分で動けない分、見えないもの、予測できないことに対して不安になりやすいのです。
そこを念頭に置いて支援をすると子どもが安心してくれる環境を作ることができます。
よかったら参考にしてみてくださいね。
自分の気持ちを伝えられることも不安解消のひとつの手となります!