言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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「縦の発達」と「横の発達」どちらを優先する?違いって何だ?

発達を促してあげたい気持ちは分かるけれど

 

私たちは、支援目標や方法を考えるときに、どうしても「次の段階に進む」ことにばかり目が向いてしまいがちです。このような支援に対して、親御さんが現在の子どもを否定されたように感じてしまうケースがあります。

なぜかというと、次の段階のことばかり言っている支援は「今はダメな状態だから、はやく力を獲得しましょう」と言っているのと同じだからです。支援や療育は、定型発達に近付けるために発達を促すのではありません。

 

・いま感じているであろう「生きづらさ」を少しでも軽くしていけるよう支援を行うこと

・今後、こういう力があれば楽に生きられるであろう力をつけられるよう支援を行うこと

 

発達の流れ、特に「子どもの気持ちに寄り添うこと」をとても大切にしている放課後等デイサービスでの支援では、この2つを考えることで支援に深みが出てきます。これらを考えるうえでポイントとなるのが「縦の発達」と「横の発達」なのです。 

 

 

縦と横の発達とは?

「縦の発達」・・・次の発達段階へ進むこと

「横の発達」・・・次の発達段階へ進むために、現在の発達段階で気づきやものをベースにして、様々な領域の発達へとつなげていくこと

 

次の支援目標を設定するときに、これらの視点は欠かせません。どちらか片方だけの支援では、頭打ちになりますし、不充分です。

障害を持った子は、発達に凸凹がみられたり、順番が前後することがあります。そのため、障害児と呼ばれている子たちに、定型発達を丸ごとはめることは危険です。

しかし、定型発達は「指標」となりえます。指標がないと、意見の強い支援者や発達課題や経験の長い人の考えが、その施設での「当たり前」になってしまいます。

 

 

今、持っている力を活かす

例えば、「引く」動きだけは出ている子がいるとします。こんな子には、どのような支援が考えられますか?

「じゃあ、次は押してみて」「左右に振ってみて」と縦の発達を促しますか?

それも大切なことだと思います。それ以上に、「手を出した先にスイッチがあって、押したら音が鳴った」とか「手を伸ばしたら支援者にぶつかって、笑ってくれた」などの変化への気づききを促す、横の発達への支援も考えられます。そこから、認知面や対人面の発達へとつなげることもできます。

 

 

放課後等デイサービスに合っている支援って?

支援者が、子どもの一部分だけに固執してしまうと、支援に拡がりがなくなります。ピンポイントで課題を設定するやり方も確かにあります。しかし、放課後等デイサービスの支援と考えたときに、“保育”へと落とし込みやすいのは、発達の横の拡がりを意識したやり方の方がしっくりきます。 

子どもの「気持ち」に寄り添いつつ、いまできることを見つけて、その種類を増やすこと。それが横の発達につながります。横の発達が充分増えるということは、その子にとって経験や手数が増えるということ。良いパターンを作れるということです。それらを使うことで縦の発達を進めていくのも楽になるのです。

 
 
2020年1月26日 追記・更新