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福祉職を続けるコツ「面白がる」こと!【障害児支援】

福祉分野で長く働くためのポイント

わたしは若いころ「高齢者介護」、現在は「障害児福祉」で働いてきました。福祉職で20年以上働いてきました。はじめのころの給料は驚くくらい安かったです。生活できないくらい。現在ではだいぶ改善されています。福祉施設の数も増えてきました。昔は高齢者施設ばかりでしたが、現在は小児施設や障害児者施設も増えています。

施設の数は増えましたが、まだまだ、入職してもすぐに辞めてしまう人が少なくないのが現状です。どうして、みんなすぐに辞めてしまうのでしょうか?この記事では、福祉職特有の「辞めようかな」と思わされる要因を説明していきます。

わたしが長年、福祉職で働き続けてきて思うのは「面白がることが長く続ける秘訣」ということです。なんだ、と思われるかもしれません。でも、これが事実なのです。面白くなければ仕事なんて続きません。どの仕事も同じはず。では、福祉の仕事では、どのように面白がれば良いのでしょうか?

 

 

福祉職の種類

福祉の仕事の対象は「高齢者」「障害児者」「病気の人」に分けられます。

上記の図は、福祉の仕事をする場所です。本当にざっくりです。例外はありますが、基本的には こんな感じの場所で みな働いています。

 

なぜ長続きしないのか?

福祉の仕事を始めたは良いけれど、長くは続かなかった。よく聞く話しです。何が理由で、みな辞めていくのでしょうか?

 

何だかんだで重労働

「介助」とは、食事やトイレなどの生活動作を手伝うことをさします。移動するときの手助けも同じです。介助にコツはあるのですが、介助する側は動き回るので体力を使います。相手がケガをしないように気も使います。なんだかんだで重労働なのです。

・車椅子からベッドへの移乗(移動するときの介助)
・トイレ介助、オムツ交換
・公園で子どもと一緒に走り回る
・車椅子を押して散歩

腰痛がひどくて相手を抱っこするどころではない。その場合は福祉業界は難しいケースが多いです。福祉の事務職なら(座っていられるなら)大丈夫かもしれませんが・・・。

重い子を無理して持ち上げて、その繰り返しで自分の腰が壊れてしまった。それで退職する支援者は少なくありません。腰痛は福祉職の勲章、のように話す人がいますが、それは100% 誤りです!

※ 近年、体重の重い子を介助する際、2人以上で持ち上げるのが基本となってきています。

 

自己満足なのか悩む

福祉職で働いていると「すごいね」「えらいね」と他業種の人から褒めてもらえることがあります。大したことはしていないのに、ただ褒められる。そこでうぬぼれると前には進めなくなります。

また、弱い立場にある人や子を「助けてあげたい」という、見えない上下関係ができてしまうと「わたしって そんな立派な人間だっけ?」「わたしって何様なの?」という「自己満足じゃないのか?」と自問自答に陥るケースがあります。

 

人間関係がつらい

福祉職の特徴として「どんな人でも働きに来てね」という考え方が根底にあります。高齢者や障害児者とかかわる仕事なんだから、まずはスタッフに優しくしようという考え方です。基本的には働いている人は優しい人が多いです。

福祉業界は「偉くなって出世しても・・・」「直接、子どもと関わる仕事がしたい」という風潮があります。そのため、仲間を蹴落として上に行く「一般企業」のような人は少ないです。しかし、故意に人の足を引っ張る人は一定数います。

・自分だけ評価されたい
・利用者に人気のあるスタッフの足を引っ張りたい

そんな感じの人は多かれ少なかれ、います。そんな人と面と向かって戦うのは、自分の精神を擦り減らせることになります。基本的には無視しましょう。

 

 

福祉職ってどんな職場?【偏見と実際】

福祉職は一般的な会社の、いわゆるホワイトカラーの人と比べると、少し下に見られる傾向があります。実際に働いている わたしたちは、毎日、一生懸命、子どもたちと関わっています。そんなことを言われるいわれなんてありません。しかし、そう感じることがあるのは事実。

障害児支援は対象が子どもです。遊びを通して支援を行います。そのことが「遊んでるだけでお金がもらえる楽な仕事」と見えるのかもしれません。そんなことないのにね。

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では、少しでも福祉職の偏見をなくすために、障害児支援の仕事を簡単に整理してみたいと思います。

・福祉職は変な人が多い
・いろんな職種(職業)がいる
・長く働いている人が偉い?

 

福祉職は変な人が多い?

福祉の現場では変な人がたくさんいます。「この人、他の仕事はできないんじゃないか?」と周囲から思われている人なんて何人もいます。良い意味でも悪い意味です。

変な人は魅力的です。周りの人を楽しませてくれます。しかし周囲に悪影響を与えるのは社会人としてよろしくありません。そんな人がいたら反面教師にして、自分がそう思われないようにすればよいのです。

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いろんな職種(職業)がいる

病院や施設など、福祉の現場には複数の職種がいることが基本です。ひとりの子どもに対して様々な角度から支援を行っていく必要があるからです。「子どもの現状を良くしたい」という想いは どの職種も同じです。なかには「自分の職種が一番偉い」「他の職種は全然わかっていない」という人が存在します。

福祉職はチームアプローチが基本なので、こんな考えでは上手くいくものも 行かなくなります。

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長く働いている人が偉い?

福祉職では すぐに辞めてしまう人が多いです。逆に一部の人は一つの場所で何年も勤務している人もいます。そういった先輩のなかには「自分の意見が正しい!」と前面に出してくる人もいます。もちろん全員ではありません。もはや人柄の問題の気がしますが・・・。もちろん「この人についていきます!」と言いたくなるような、すばらしい先輩もいます。

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長く・楽しく働くためのポイント

福祉業界で、長く働くためには何に気をつけて、どういうふうにやっていけばよいのでしょうか?ポイントは2つあります。

・真面目に考えすぎない
・「面白がる」ことを忘れない

これを押さえておけば気持ちが軽くなります。

 

真面目に考えすぎない

仕事だと、どうしても「完璧にやろう」という人がいます。心構えは良いと思います。しかし、福祉職は、人対人の支援職。しかも介助などの直接支援がほとんどです。そのため、思い通りにいかないことも多いのです。そこで100%の完璧を求めても できるはずがないのです。

完璧を求めると自分が苦しくなる。自分が苦しくなれば、子どもたち(支援される側)もつらくなってしまいます。

じゃあ、手を抜けばいいのですか?

そういうふうに言う人もいるかもしれません。そうです。60~70%うまくいったら「それでよし」「今日もよくやったな」と自分を褒めてあげる。そして明日につなげていく。それが長く仕事を続けられるコツなのだと思います。

 

「面白がる」ことを忘れない

もうひとつ。

「面白がる」ということです。仕事で起こった、ちょっとしたことを楽しむ。面白がるということです。

・子どもが急に変な顔をした
・自分が失敗をしてしまった
・周囲が異常にバタバタしている

「変なこと」を見つけたら、子どもと一緒に「面白がってみる」のです。それが子どもとのやり取りになります。その積み重ねがコミュニケーションの力を育むことになるのです。

仕事は ちゃんとやります。でも面白がってみるのです。それがポイント。頭を柔らかくしていきましょう。

 

 

まとめとして

今回は、福祉職 ―特に障害児福祉で、長く働き続けるために気をつけておきたいポイントをまとめました。言ってしまえば簡単に聞こえるかもしれません。しかし、実際、このことを頭に置きながら働いている人はどのくらいいるでしょうか?よかったら試してみてください。きっと、何かが変わるはずです。実際にわたしも変わりました。

良かったら参考にしてみてくださいね。