言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害を持った子の食事介助④「食べる機能の順番」

食べる機能に気をつけよう

 

食事介助をしていると、スプーンや箸の使い方が目についてしまいます。食べる機能は無視して、食具の使い方を指導し始めている人もいます・・・。今回は「食べる機能」についての話しです。

 

 

食べる機能の順番

食事の発達にも順番があります

はじめは手づかみ食べ、そして、スプーンなどを使って食べる、箸を使って食べる、といった順番で機能を獲得していきます。

中高生になったからといって「箸を使って食べよう!」という目標をたてるのは・・・。

下記は食事に関する発達段階です。主に手の使い方の発達です。練習すればすぐに食具を使えるようになるというものではないのです。

 

 

■摂食動作の正常発達

1-2ヶ月 手を口に持っていく
指しゃぶり
3ヶ月 乳首を見て口を開いて待つ
乳首を触る
4ヶ月 両手を哺乳瓶に添える
5-6ヶ月 満腹になると哺乳瓶を手で払う
哺乳瓶を両手で持って飲める
6-7ヶ月 自分でコップやスプーンを持って食べようとする
8-10ヶ月 スプーンで食物をすくおうとする(突っつく動作)
ご飯粒をつまんで食べる
10-12ヶ月 ひとりで食べたがる(途中で遊び始める)
スプーンでうまく食べられないときは手づかみ食べをする
13-15ヶ月 スプーンですくう(肩の動きですくおうとする)
15-18ヶ月 スプーンで食べたがる
スプーンを口の中でひっくり返して食物を落とす
18-24ヶ月 母指・示指・中指の3指でスプーンを把持
手首の動きでスプーンの向きを変える
スプーンから落ちたものを他方の手で拾って再度乗せる
2-3歳 スプーンを手指で操作できる
3歳 箸を使おうとする

出典:『子どもの摂食・嚥下障害』永井書店 p169-171 摂食動作の正常発達 より

 

 

一口量の調節

はじめめは、少し大きめの、持ちやすいサイズの食べ物を用意します。

子どもが、食物を押し込まないように介助で手を添えていきます。

そこで一緒にかじり取ることを覚えいってもらいます。

食べやすいようにと食物を一口サイズにばかりしていると、いつまでたっても自分で一口量を把握することができなくなります。

過度な介助は、押し込み食べ、詰め込み食べの助長につながりかねません。

「ちょうどいい」が難しいですが、食事における介助のポイントのひとつです。

 

 

適当にスプーンを選んでいませんか?

食事介助を行う際に、スプーン選びで迷うことがあると思います。

特に障害を持った子どもの介助。

スプーンのボウル部分が、大き過ぎても、小さ過ぎても上手く食べさせることはできません。 一口量が、多過ぎると食物を処理し切れなくなります。

逆に、少な過ぎると、口の中で食物を感知できなくなることがあります。 

一口量を決めるときには、まずは少なめにあげて、口(舌や口唇、下顎など)が動いているかどうかをみます

動いていれば、処理できていると判断ができます。

その量を下限にして、少しずつ量を増やしていきます。 

スプーンのボウル部分が大き過ぎると、うまく口にスプーンが入らなくなることがあります。口角にスプーンの両端が当たっている場合は、そのスプーンは大き過ぎます。

大きなスプーンを選びたがる介助者の話しを聞くと「食事介助が早く終わるから」と答える人がいます。・・・そんなのは、良い支援とは言えません。

逆に、ボウル部分が小さいものであれば、食物を多めに盛ることができます。 スプーンの選び方では、大は小を兼ねません

 

 

 

 

 

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2017年2月5日投稿