言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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久しぶりに障害児へ食事介助をする人のための確認ポイント③ 食事介助(後編)

障害を持つ子への食事介助ポイント ③

 前回は「介助方法」(口に入るまで)についてでした。

 

久しぶりの食事介助シリーズ

 ① 姿勢・食形態

 ② 食事介助(前編/口に入るまで) 

 ③ 食事介助(後編) ←このページです!

  

今回は、「口に食物が入ってから」「食べ終えるまで」のはなしです。

 

 

 

Ⅱ 介助で気をつけるポイント


2)口に入っている途中


どのタイミングで口を閉じてもらう?

本当なら、処理している間も口を閉じた方がよいです。マナー的に。

しかし、そうできない子もいます。その場合は「飲み込む前~ゴックンまで」は口を閉じるようにしてください。よく見ておかないとタイミングを計れません。

一般的に、飲み込むのにかかる時間は0.6秒と言われています。その瞬間だけ狙うのは大変です。なので、ある程度噛むなり押し潰すなりしたら口を閉じてもらうのです。

 

周囲の環境


私はよく「食べている間は音楽(CD)をかけないで」とスタッフの人たちに言っています。

なぜ言うかというと、事故が起こりやすい環境=気が逸れやすい環境だからです。

窒息事故が起こる要因は、大きく分けると「食形態が合っていなかった」「ふざけていた」「注意が逸れた」です。ペースト食でも窒息は起こります。

発達が初期段階の子は、食べるのが上手でない子が多いです。そういう子は、食べているときに音楽が聞こえてくると「あれ?楽しそうな音が聞こえてきたぞ」と笑ってしまいます。口の中に入っている状態で笑うならいいのです。食物が落ちるだけだがら。しかし、それが飲み込むタイミングだと・・・。

黙って食べろとは言いません。楽しい雰囲気で「美味しいね」「上手に食べたね」と言いながら食べることで、コミュニケーションを育むことにもなります。

場所の制限はあります。しかし、何を重視しなくてはいけないのかは考える必要があります。

 

 

 

3)口が空になってから


飲み込んだかどうかの確認


口が空になったら次の一口を入れる。意外と大切なポイントです。これを怠ると、次から次に口の中に食物を入れることになります・・・。
判断の仕方は、実際に口の中を見てみるのが一番手っ取り早いです。確認の手順としては、


①ゴックンしたか?

②口が空になったか?


人は、ゴックン(嚥下)するときに、喉仏が上に動きます。飲み込む前に介助者の指を、子どもの喉仏上方に触れておけば、動きが分かります。この動きは人によって分かりづらい場合もあります。

次に見ておきたいのが「一回のゴックンで口の中は空になったか?」ということです。

口の中に残っている⇒ 一口量が多すぎる


という可能性があります。また、残っている食物の残骸が、口の中、前方に偏っている場合


⇒舌を使って喉の奥(後方)に送り込めていないということが分かります。

 


口から出てくる場合


一度、口の中に入った食物が、口から出てくる(出す)ケースがあります。考えられるのは、


・熱かった

・硬過ぎる

・量が多すぎる

・美味しくない(不本意だ)

・筋力が弱くて口の中に保持しておけない


どれが原因なのかは、前後関係や子どもの性格などにもよります。

 

 

 

4)食事を中止した方がよいケースは?


・眠ってしまった

・完全に食べる気が失せてしまっている

・痰絡みが強く、食物が喉の奥へ入っていかない


※食べる気はあるようだが、なんだか分からないけれど、食べられない


⇒この場合は、介助者を変えてみるのもありだと思います。

介助の上手い下手ではなくて、子どもと介助者がお互いに「どうにかしなくちゃ」と硬くなっているケースがあるからです。もちろん私が介助をやっているときに、そうなっていることもたくさんあります。

 

 

 

5)食事時間


学校給食は、(量はよく分かりませんが)30~45分で完食できる量になっているはずです。予め量が決まっているので、その時間内に食べ終わらないときは

・食形態が合っていない

・介助に問題がある

のどちらかと分かります。


しかし、放課後等デイサービスなどの施設では、持参の弁当も、昼食&夕食づくりの量も適当だと思われます。なので、食べ終わらなくても、何に問題があるのか判断しかねます。

理想を言えば、45~60分で食べ終える。時間がかかっても90分で切り上げる。そうしないと、子どもは疲れてしまいます。

 

 

 

食べ終わったら歯磨き(口腔ケア)を!


食事に時間をかけるのであれば、その分、歯磨きなどの口腔ケアに時間が使いたいです・・・。学校休業になってから、口腔ケアをできていない子はたくさんいるはずです・・・。どの子も、口臭だけではなく、虫歯や誤嚥性肺炎のリスクが上がっています。

自閉症の子たちも、肢体不自由の子たちも、学校で行っていた歯磨き習慣。

ぜひ放課後等デイサービスでも続けてほしいです

今回の緊急事態宣言や学校休校によって、家で食べる機会が増えています。家では学校や施設のような、充分な食事のフォローができないことが多いです。そのため、学校が始まってから、食べ方に癖がつくようになっている子もいるはずです。

口の中が汚い状態だと、誤嚥して唾液が肺に入ったとき、病気になるリスクが高くなります。そんなときでも、口腔ケアがしっかりとできていれば、リスクは下がります。ぜひ口腔ケアは続けていければと思います。

 

 

 

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 久しぶりの食事介助シリーズ

 ① 姿勢・食形態

 ② 食事介助(前編) 

 ③ 食事介助(後編) ←いま見ている記事です!