言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

スポンサーリンク

子どもの摂食嚥下。大人の摂食嚥下とは何が違う?

 大人と大人の違い

 

大人は、これまでの生活を通して学習してきたものの積み重ねが「正しく」食べられる力となっています。しかし、子どもの場合、口腔器官や筋などに奇形があったり(器質的要因)、動きがスムーズでなかったり(機能的、機質的要因)するために、食べる力が育っていないケースがあります。そのため食べづらさ(摂食嚥下障害)となって現れます。摂食嚥下をみる際には、これらの点が異なることを十分に配慮していく必要があります。

 

 

摂食嚥下機能の発達段階

定型発達と呼ばれる、発達に問題のない子どもの食べる機能には8つの段階があります。

口を使って食物を食べるための力をつけて、歯や舌をうまく使う力をつけて、スプーンや箸を使って食べる力をつける、という段階を経て上手く食べられるようになっていきます。

今回は、食べる機能の発達をみていきたいと思います。

 

 

嚥下の発達

① 経口摂取準備期(1~4ヶ月くらい)

・母乳を飲む時期です。口の近くに乳首が当たると口に含む(検索反射)や口に乳首が入ったら吸う(吸啜反射/きゅうてつはんしゃ)等の反射を使って栄養を体内に取り込んでいきます。

・玩具や自分の指を口に入れることで、口の中に異物が入っても大丈夫な状態をつくっていきます。

 

② 嚥下機能準備期(5~6ヶ月くらい)

・口を閉じて食べるようになりますが、下唇は内側に入ってしまいます(下唇の内転)。

・舌を前後に動かして口の中に入った食物を喉の奥へと移動させます。

 

 

■摂食機能の発達

③ 捕食獲得期(5~6ヶ月くらい)

・自発的に口を使ってものを食べ始めるようになる時期です。食べ物を口に入れる際、意識的に唇や顎を使って口を閉じたり処理をしたりしようとします。

 

 

④ 押し潰し期(7~8ヶ月くらい)

・食べる際に、口を閉じているため、舌が口の中で上下に動けるようになります。その動きで、軟らかい食べ物を舌と口蓋(口の天井)で潰すこともできるようになります。

・口角は左右対称の動きをします。

 

 

⑤ すり潰し期(9~11ヶ月くらい)

・舌が左右に動くようになります。押し潰す動きだけでは処理できないものを歯茎を使って処理するようになるのですが、その際、舌を使って食物を歯の上に移動させられます。

・口角は左右非対称の動きをします。

 

 

■手指機能の発達

⑥ 自食準備期(12~18ヶ月くらい)

・手を使って物を食べるようになります(手と口の協調動作が上手くなる)。

・手に持った物を口の中に入れる(物を放す)ことができるようになってきます。

 

 

⑦ 手づかみ期

・体幹の保持が安定してくるので、手を使うのが上手になってきます。

・手を使って口の真ん中から食物を入れられるようになります。また、前歯での噛みちぎりをするようになります(一口量の調整)。

 

 

⑧ 食具食べ期

・スプーンなどの食具を使って、口に運べるようになります。

・唇を使って上手に食物を取り込めるようになってきます。

 

 

前提となる力を押さえる

 舌が左右に動かないのに食物を噛むことはできません。次の段階へ進むためには、前提となる力を獲得しておく必要があります。

支援者が発達の流れを押さえておかないと、木綿豆腐くらいの硬さしか処理できない子に噛む練習をさせてしまったり、手づかみ食べの練習をもっとした方がよい子に箸を使わせたり・・・というような、発達を無視した支援をしてしまいがちです。このような支援を続けていくと、今は何ともなくても今後、奇妙な食べ方になってしまったり、喉に詰まらせてしまったりと、食事中の事故が起こりやすくなります。

 

 

 あわせて読みたい

★障害を持った子の食事介助

障害を持った子の食事介助①「食事介助って何?」

障害を持った子の食事介助②「ムセるって何?原因って何?」 

障害を持った子の食事介助③「見守り・一部介助」

障害を持った子の食事介助④「食べる機能の順番」