言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを探っていくブログです

「象徴」「表象」「記号」違いを知れば発達が見えてくる!

象徴機能の発達ってどういう意味?表象と違いは?

 

最終更新:2021.01.16

発達や障害を学ぶと、必ずと言っていいほど出てくる象徴機能。よく見かける用語ですが、いまいちピンときませんよね。

象徴機能とは発達にとってどんなメリットがあるのでしょうか?また、どのように発達が進んでいくのでしょうか?今回は、

・用語の違い
・象徴機能の発達

について説明していきます。

  

 

 「象徴」「表象」「記号」とは、何かを表すこと

 

用語の整理

 

象徴化では似た用語がいくつかあります。まずは用語の整理です。

 

象徴

 

何かを別の何かで表現するもの。
象徴は必然的に選ばれたもの。他のものでは替えがきかないものが多い。それを見たときに思い起こさせるもの。シンボル。
記号や象徴よりも曖昧。
ex.
「ハト」は平和の象徴
旧約聖書のノアの方舟。洪水の終わりをハトが知らせたことから、ハトが平和の象徴と言われるようになった。

ex.
象徴あそび:つもり遊び・見立て遊びのような、あるものを別のもので表すといった遊び。

 

表象

 

何かを思い浮かべること。

それを見たときにより一般的な状況や性質を思い起こさせるもの。何かを使って特定のものを表すこと。
記号や象徴の中間的な意味合いで使われることが多い。

ex.
イメージや絵など

  

記号

 

何かを表すことで意味を発生させるもの。ことばや文字、サインなど。別にそれでなくても問題がなく、他のものに替えることも可能。

ex.
「リンゴ」という名前。
これは赤くて甘くて噛むとサクサクした果物。この「リンゴ」という3文字と実際のリンゴは誰かが意図的に名づけたもの。

 

 

象徴機能が必要なわけ

 

他者とのやり取りのときに、ことばや身振り、文字などを使って、相手に自分の意図を伝えます。このとき、ことばや身振り、文字に意味がある必要があります

当たり前なのでは?そう思うかもしれません。しかし、障害を持った子や、発達が初期の子のなかには、ことばや身振りなどに意味を持たせることが難しい場合があります。

ex.
自閉症子でテレビから流れてくるCMのセリフを繰り返す場合

ことばで何かを伝えることがコミュニケーションです。無意味に声を出しただけでは、相手に意図は伝わりません。


自分が言ったことに意味を持たせることが象徴機能。他者と関わるために象徴機能は欠かせない力なのです。

 

 

象徴遊びの発達

それでは、象徴機能の発達をみていきましょう。分かりやすいように「遊び」の面からみていきます。

立命館大学新井らに研究よると象徴遊びの発達は(荒井庸子・荒木穂積2013)次のような段階となるといわれています。

 

1歳半~2 歳ころ

・表象機能が獲得される
→今までの遊びに比べて創造的なものになる

 

2歳ころ

人形を使った象徴遊びが積極的に行われるようになる
→「つもり遊び」「見立て遊び」を十分経験する時期。

 

3歳頃

目の前にないものでも、イメージや概念を使って代用することができるようになる。

ex.「ごっこ遊び」がはじまる。
→自分の経験を活用できる。
→友達とのイメージの共有はまだ難しい。

 

4歳前後

ごっこ遊びの場面で「ウソ」を使って遊ぶことができる。

ex.「ウソッコ遊び」
→他の子たちとイメージを共有して遊べるということ
これが役割遊びへと発展していく

 

5、6歳ころ

遊びに役割が生まれる。役割の分担や交代もスムーズになる。

 

7、8歳ころ

抽象的なルールでも遊ぶようになる

 

  

まとめ

 

「象徴」「表象」「記号」の違いと象徴機能の発達について説明しました。

子どもは遊びから生きるために必要なスキルを身につけていくのです。目の前にいる子どもが、いまどの段階なのか?を知ることで発達を進めるお手伝いができるはずです。

  

ポイント!

「象徴」⇒ 別のものに置き換える力。

「表象」⇒ 何かを思い浮かべる力のこと。

「記号」⇒ 何かを表すこと

  

参考資料

立命館人間科学研究,26,47-62,2013. 研究論文(Articles)
自閉症スペクトラム児における象徴機能と遊びの発達―ごっこ遊びから役割遊びへの発達過程の検討―
https://core.ac.uk/download/pdf/60540081.pdf