言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

「ことば遊び」ができるようになる年齢はいつころ?

「ことば遊び」は何歳からできるようになる?

「しりとり」や「逆さことば」「回文」など、日本語にはたくさんの「ことば遊び」があります。

これらは突然、楽しめるようになるわけではありません。

何歳頃からできるようになるのでしょうか?

今回は「ことば遊び」と「発達」についてのはなしです。

 

 

4、5歳からできるようになってくる

「ことば遊び」は4、5歳からできるようになると言われています。

もちろん個人差が大きいです。

そのため、5歳になっても「ことば遊び」ができない子はたくさんいます。

では、なぜ4、5歳からできるようになるのか?

そもそも「ことば遊び」とは何なのか?を説明していきます。

 

 

「ことば遊び」の種類

ことば遊びは様々な種類があります。

みなさんも子どものころに遊んだことがあるのではないでしょうか?

ここでは代表的なあそびを取り上げてみました。

 

ことば遊びの種類 

・しりとり
・逆さことば
・回文
・ダジャレ
・なぞなぞ

 

しりとり(尻取)

ある単語の一番終わりにある音(語尾音)が先頭にある単語(語頭音)を探す遊び。

ex. 「りん」→「りら」
   「るー」→「ーる」

 

逆さことば(倒語)

単語を後ろ(逆さ)から読む遊びです。

後ろから読んで意味が成立しなくてもOKです。

ex. 「てぶくろ」→「ろくぶて」
   「カップ」 →「プッカ」

 

上から読んでも下から読んでも同じことば(回文)

逆さことばと似ていますが、上から読んでも逆から読んでも同じ音になる単語を探す遊びです。

ex. 「新聞紙」 →「しんぶんし」
   「庭のワニ」→「にわのわに」

 

ダジャレ(駄洒落)

似ている音(もしくは同じ音)のことばを掛け合わせて遊ぶもの。

名詞が動詞になる等、品詞が変わってしまってもOKです。

ex.
アルミ缶の上にあるミカン

 

その他

その他にもいろいろあります。

 

◆繰り返し同じ単語を言う

同じ単語を繰り返し言うことで別の単語が現れる遊びです。

ex.「かっぱ、かっぱ、かっぱ・・・」
  ⇒ 「パッカ、パッカ、パッカ・・・」
  ※河童が馬の足音に変化

 

◆韻(いん)を踏む

ラップなどでおなじみのアレです。

ダジャレではなくて母音(あいうえお)が同じことばを重ねるのです。

他の遊びに比べるとだいぶ高度ですが・・・。

参考程度に。

 

ex.
アルミ缶の上にあるミカン

 

 

「ことば遊び」の発達段階と年齢

「ことば遊び」にも発達段階があります。

発達段階とは子どもの発達がどのくらい進んでいるかを表したものです。

○歳に△△ができるようになるか」が分かります。

 

 

必ずできないとだめなの?

発達段階の表はあくまでめやすです。

子どもは「○歳になったから△△が必ずできるようになる」とはなりません。

本やインターネットなどで「ボタンをはめられる:3歳」のような様々な発達段階が紹介されています。

しかしこれは全員ができるというわけではありません。

 

本によって発達年齢が異なる理由

たとえば「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」があります。

この検査では3歳の子たちの60~70%が「ボタンをはめられる」ようになるという意味合いで使われているのです。

他の発達段階の表も同じです。

何割かの子どもかができているという目安なのです

ただし、できるようになる年齢の割合(%)は本や研究によって違います。

 

 

「ことば遊び」ができるようになるまでの流れ

しりとりなどの「ことば遊び」は4、5歳くらいからできるようになると説明しました。

これには理由があります。

この頃の子どもは、単語の仕組みを理解できるようになってくるからです。

この仕組みのなかでも特に大切なルールがあります。

それが「音韻(おんいん)」です。

音韻を意識&理解できるようになると、日本語(単語)で遊べるようになるのです。

 

「音韻意識」を身につけよう

音韻意識とは「ことば遊び」を楽しむために大切な力です。

これが身についていないと「ことば遊び」を十分に楽しむことができないです。

 

音韻意識とは?

音韻意識(おんいんいしき)とは、日本語のルールに意識を向けるということです。

ここでいう日本語とは、日本語や英語、中国語というような「大きなくくり」のことではありません。

もっと細かい「単語」や「音」などのパーツに分けたときのルールをみるということです。

・日本語がどんなパーツで成り立っているか?
・どのようなルールで使われるのか?

を考えて、身につけることが「ことば遊び」をするために必要なのです。

 

「音韻を意識する」とは簡単にいうと次のようなことです。

ex. 「りんご」という単語
⇒「り」「ん」「ご」という3つの ”音” に分けられる。
⇒ 先頭の音は「り」、真ん中が「ん」、最後が「ご」。
⇒ 反対から読むと「ごんり」

 

◆日本語のルールはこちらをごらんください。

www.hana-mode.com

 

音韻意識の発達段階

音韻意識の大切さを説明しました。

では、子どもは何歳に音韻を意識するようになるのでしょうか?

年齢順に紹介します。

 

4歳

ことばを細かく分解できる。

「逆さまことば」「しりとり」で遊べるようになる

5歳

単語の「先頭」「真ん中」「最後」にあるの音(語)が何か分かる。

ex. 「りんご」⇒「先頭:り」「真ん中:ん」「最後:ご」

※分かるようになる順番は「先頭」→「最後」→「真ん中」

小1

短い単語であれば、語中の1文字を削除して答えられる。

ex. 「プレゼント」⇒先頭の語を削除→「レゼント」

小学2~3年

5文字以上の単語でも、語中の1文字を削除して答えられる。

ex. 「フライドポテト」⇒語尾の語を削除→「フライドポテ」

 

 

文字の読み書きにもプラスになる!

文字の読みも「音韻意識」と関係すると言われています。

文字が読めることは「ことば遊び」のぜってい的な条件ではありません。

しかし、遊ぶときの助けになったり、遊びの幅が広がったりします。

 

◆文字の読み書きの発達はこちらをごらんください。

www.hana-mode.com

 

 

まとめとして

今回は「ことば遊び」がいつごろから楽しめるようになるのか、について説明しました。

個人差はありますが 4、5歳くらいからできるようになってきます

ポイントは音韻を意識しているか?です。

子どもと遊ぶときに大切なのは「この子はどのくらい理解しているのか?」と考えながら説明をしたり手助けしたりすることです。

それがないと大人の独りよがりなものになってしまいます。

障害がある子もない子も同じです。

よかったら参考にしてみてくださいね。