言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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その食事介助は本当に「正しい」食事介助?

なんとなくやってしまいがちな食事介助

放課後等デイサービスの保育は、活動がメインです。そのため、食事に対して「早く終わらせなくちゃ」という意識してしまいがちです。

危険だとは分かっているのに

そう感じる人は少ないくないと思います。食事で子どもを危険にさらさないためにも、食事の際に注意したいことを再確認してみたいと思います。

 

 

 

食事介助の成功って何?

弁当は完食すべき?

子どもが持ってくるお弁当は、親御さんが「このくらい食べてほしい」「食べられるだろう」と考えて量を決めているのだと思います。

しかし、その量が、子どもの必要エネルギー分入っているとは考えづらいです。なので、持ってきたお弁当を完食することが成功だとは言い切れません。食べられるようであれば残さず食べてもらってよいと思います。

※栄養管理がなされている子どもの弁当の場合は、その限りではありません。

 

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こぼさず、汚さず食べるべき?

食事を介助する際、支援者はどうしても「こぼさずにキレイに食べなくては」と思ってしまいがちです。定型発達の子は、手づかみでもスプーンでも散々こぼして汚して食べています。その試行錯誤の繰り返しが食べる力を育てていきます。障害を持った子も考え方は同じです。ただ、子ども本人が正しい食べ方に気付きやすいように、大人がフォローしてあげることは必要です。子どもや机が汚れたら後で拭けばいい。ただそれだけです。子どもの今後を踏まえた上で、いま何ができるのかを考えて支援に落としていくことが必要です。

 

 

早く食べないといけない?

大人の都合で、早く食事を終えたい、というのであれば、答えは×です。

子どもの安全と保育の実行を天秤にかけてみてください。食事介助では、子どもの食べるペースを見ながら介助することが大切です。子どもが欲しがるから、次から次に口に食物を入れるのではありません。飲み込んで口の中が空になってから、次の一口を入れることを繰り返していきます。口の中に食物がたまっているからお茶で流し込むのは、良い介助とは言えません。流し込んでしまっては、子どもが自分で飲み込む力を阻害してしまします。

食事に1時間以上かかるケースは、食形態が子どもの能力に合っていない、量が多過ぎる、体調などに問題がある等、何らかの問題が潜んでいることがあります。時間をかけ過ぎてしまうと、今度は疲れてしまいますし。

 

 

自分で食べるということ

自分ひとりで食事をできる(自食)できるということは素晴らしいことです。しかし、自食ばかり進めてしまうと、逆に変な癖がついてしまい、正しい食べ方が崩れてしまう可能性もあります。

子どもによるのですが、自食を進める場合は、100%自分で食べてもらうのではなく、前半もしくは後半などの1/21/3を介助で食べさせるということも考えていきます。

 

 

楽しく食べるということ

どうすれば楽しく食べられるか?難しい問題だと思います。食事はコミュニケーションの力を育むために有用な時間です。やり取りや声掛けなどをしながら食べ進めていくことが大切です。

TVや音楽をかけながら食べている施設もあります。いろんな音がして楽しい雰囲気にはなります。しかし、その場合、子どもが「食べること」に集中できなくなってしまい、ムセや窒息などのリスクは高まります。 早く食べ終わった子も、CDや音の出る絵本で遊ぶのではなく、ゆったりとした時間を設けることが望ましいです。

時々、音楽がないと怒ったり覚醒が下がったりするケースがあります。その場合にも、CDをかけるのではなく、支援者が小さな声で歌を歌うなどの支援が考えられます。支援者みんなで考えていきたいです。

 

※水分摂取

水分を上手にのめる子でも、どんどん水を口に注ぎ込めば飲めてしまう子がいます。それは「連続飲みが出来る」とは言いません。「流し込めている」という状態で、正しい飲みこみ方ではありません。私たちは飲む時には呼吸を止めます。これは正常なメカニズムです。水分をどんどん流しこんでいる時間は呼吸ができない状態で苦しいのです。飲むときの介助は、コップのふち下部を下唇(舌)の上にくるようにします。上唇に水面がつくようにして液体を感じてもらい、啜り取りを促します。

 

目の前にいる子は楽しく食べていますか?

職業柄、“食べることが苦手な子”の食事介助を担当することがあります。肢体不自由児といっても、食べ方は、特徴も発達段階も子どもによって大きく異なります。自食の子もいれば、全介助で食べている子もいます。上手く食べられない理由は、人それぞれです。

 

・ 食べる機能が育っていない子

・ 食に関心が薄い子

・ 筋緊張が強過ぎる子

・ 正しくない食べ方が身に付いている子

 

などなど。本当に様々なタイプの子がいます。

 
 
どういうふうに食事を進めていく?

 目の前にいる子は食事を「楽しい」と感じてくれているか?

 

最近、どんな子の介助をしていても思うことがあります。 楽しいと思ってくれていれば、食べる力が育ちやすくなると思います。逆に、食事に嫌なイメージを持っている子は、食事介助に対して拒否がみられることが増えてきます。それは、子どもの表情に顕著にあらわれます。“

 

「正しい食事介助を!」とばかり考えていると逆効果になることもあります。匙加減が難しい。

 
 
 
賑やかな雰囲気を作ればいいの?

その子が好きな曲をCDで流しておけばいい?

TVやDVDを流しておけばいい?

支援者同士が楽しくお喋りして、明るい雰囲気を作ればいい?

 

確かに「楽しい雰囲気」にはなります。しかし、それは支援者目線での話し。子どもにととっては、余計な刺激が増えてしまうということとなり、意識が食事から逸れやすくなってしまいます。食事に集中できないと、ムセや誤嚥の危険性は高くなります。苦しむ頻度が増えてしまい、「楽しい」時間とは程遠くなります。

 

食事も、他の訓練や療育と同じで「出来た」が大切です。適切な食事介助やタイミング、大人とのやり取りの流れで、気付いたら「上手に食べられていた」という経験を積み重ねるということが大切なのではないでしょうか?支援者の知識や手技だけではなく、子どもとの関係性も重要となってきます。 食事の「楽しい」を意識していますか?