ことば・文字を覚えるために使える本って?
最近「ことばや文字の学習」のための本やグッズがたくさん出ています。
なかには長年、親や療育家から愛されてきた本もあります。
しかし、大多数は
・誰がターゲットなのか分からない本
・かわいいイラストならよいと思っている本
・英語をつけ足せばよいと思っている本
が山のように出ています。
値段が高ければ良い本というわけではありません。
では、ことばや文字を学ぶときに使うとよい本・グッズは、何を目安に選べばよいのでしょうか?
今回は言語聴覚士の私がオススメする本・グッズを紹介します。
選ぶときのポイント
一番のポイントは子どもにとって使いやすいか?を考えることです。
本選びの際「自分にとってどうか?」で判断していませんか?
「(自分にとって)面白い!」
「(自分にとって)勉強になる!」
違うのです。
使うのは子どもです。
子どもによって理解度も興味も違います。
キラキラし過ぎるものは、集中して本来の目的(文字)を落ち着いて見られなくなってしまうこともあるのです。
本・グッズに表記されている「対象年齢」は確かに参考になります。
それよりも「(目の前にいる子は)理解できそうか?」で選ぶことが大切です。
とくに発達がゆっくりの子であればなおさらです。
だから、子どもにとって「面白い?」「理解できそう?」が基準となるのです。
使いやすい本・グッズを選ぼう【ことば】
・シンプルなもの
・文字が大きいもの
を選ぶとよいです。
イラストやキャラクターがゴチャゴチャしたものは妨害刺激となります。覚えるときの邪魔になるのです。
大人は「たくさん描いてあった楽しそう」と思いますが。
オノマトペ カード シリーズ
「ぴゅーぴゅー」「ピョンピョン」などの擬音語などがたくさん書いてあるカードです。子どもがことばへの興味を深めるキッカケとなります。絵本も出ています。
「あいうえお編」「ぱぴぷぺぽ編」があります。
値段はどちらも 2,860円(税込)。
↓ 絵本も出ています ↓
使いやすい本・グッズを選ぼう【文字】
シンプルかつ大きな文字で書かれた本。
文字の形を学ぶときに指や鉛筆でなぞる行為が役立ちます。
子どもが文字を把握しづらそうなときには「指でなぞってみて」とアドバイスしてみてください。きっと変わります。
小さく書かれているとなぞりにくい。
だから大きく書かれているものがよいのです。
理想的な本があります。
あいうえお えほん
それが『あいうえお えほん』です。
これは20年以上愛されている本です。
障害がある子もない子も使っています。
子どもが見ただけで「どうすればよいのか」が分かりやすい作りになっています。
ボールペンよりも少し大きめです。
指でなぞるにはちょうどよい大きさです。
書き順も書いてあります。
昔から中身が変わっていないので、なかには「イラストが古臭い!」と毛嫌いする人もいます。それで他の本にするのじゃあもったい。
値段も1,980円(税込)。プレゼントにもちょうどよい価格です。
何歳から文字を勉強し始めればいいの?
多くの親や支援者が持つ疑問です。
答えは子どもが文字に興味を持ち始めたらです。
「なんだそりゃ」と思われるかもしれません。
しかし、文字を獲得する年齢は決まっていないのです。
文字を覚える年齢も子どもによって違います。
本来であれば小学校に上がってから覚えていくのが自然です。
しかし、近年、早期教育や英才教育の流行りから、早くから覚えさせよう!という流れになっています。
無理やり未就学児から覚えさせることはありません。
ただ、子ども本人が文字に興味を持ったら学べる環境を用意してあげることが大切。
環境づくりこそ大人がやってあげられることなのです。
ただし、生まれつき耳が聞こえづらい子の場合、ことば(しゃべること)よりも文字(読み書き)を先に学ぶケースが多いです。
耳で聞こえないと声や音を把握することができません。
だから「文字」という目に見える形で「ことば」を学んでいくのです。
ことばの発達を知ろう
基本的には「理解」してから「話し始める」のです。
そのためよく大人がやっている「はい、○○って言ってごらん」攻撃は意味がないのです。
まずは、子どもが周りのものごとに気づくこと。
そして興味を持つことが大切。
興味を持てば理解も深まりやすいのです。
発達段階のめやすはこちらの記事もご覧ください。
文字の発達を知ろう
文字を獲得する発達段階は何となくあります。
目安を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
まとめとして
今回は「ことば」「文字」を覚えるときのポイントとオススメの本・グッズを紹介しました。
子どもにあったものを用意してあげられればと思います。
本の場合は図書館で実物を確かめてみるという手もあります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。プレゼントにも最適ですよ。