言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

文字の読み書きはどのように獲得するのか?発達年齢と前提となる力は何なのか?

読み書きの発達段階

 

日本語の読み書きは1歳ころから始まり、多くの子が就学前にはひらがなの読み書きができるようになります。しかし、これはあくまで一般的には、というはなしです。

文字の読み書きができるようになる時期は個人差が大きいです。環境や本人の興味・関心などによっても左右されがちだからです。今回は、定型発達の子がどのように読み書きを獲得していくのか、発達年齢や前提となる力から考えていきます。

 

ポイント!

① 定型発達の子は読み書きが何歳頃からできるようになるか?

② 文字を獲得するためには高価な教材は必要なのか?

 

 

 

 


読みの発達

 

8-12ヶ月
絵本に興味を持ち始める

1歳過ぎ
文字に興味を持つようになる
まだ文字を記号として認識

1~2歳
絵本の中のものの中の名前を言う

2~3歳
文字に意味や目的があることを理解し始める
文字を読む方向性を理解する
自分の名前の文字など、特定の文字に興味を持ち始める

3~4歳
看板やパッケージなどの名前などに気づくようになる

4才くらい
自分の名前を読めるようになる
自分の名前に含まれる文字を探す

5歳
身近な単語を読む
絵本を読んでもらうときや、自分が書いた文字を読むときに、文字を目で追うことができる
自分や仲が良い友達の名前を書く

 

書き


1才くらい
書くことへの興味が生まれる

2歳過ぎ
文字らしき線を描く

2歳後半
書いた絵の下に名前と言って線を描く

4歳過ぎ
絵よりも平仮名や疑似文字を書く子が増える

6歳
自分の気持ちを文で表すようになる

 

※年齢は『特別支援教育における 言語・コミュニケーション・読み書きに困難がある子どもの理解と支援』P.186より

 

 

読み書きの前提となる力

 

平仮名読みの獲得
◆必要な力

・音韻意識
⇒ ひらがな一文字は一つの音と対応していることに気づく

・音韻抽出
⇒ 「さかな」の最初の文字は?がわかる
※これらができて初めて「しりとり」を楽しむことができます。さらに、

・かな識字
⇒ 文字と絵や記号の違いが分かる

・数唱
⇒ 数を数えられる

・語彙
⇒ 単語自体を知っている

・視知覚技能
⇒ 目を使って各動きをサポートする

・記憶の問題
⇒ 覚えていられるか

 

書くことは上記の力外にも手先の器用さ(微細運動)
の発達も関係しています。

 

 

どうやって読み書きを促すか?

 

前提となる力は上記のとおりです。では、家や施設ではどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

 


環境が大切

 

読みも書きも環境が大切です。文字に触れる機会がないと興味や関心を持ちようがないです。好き・嫌い以前の問題です。

一緒に絵本などを読む機会を設けるとよいです。たかが絵本読み。されど絵本読みです。

 

 

無理にお金を使う必要はない!

 

最近では、読み書きに限らず、様々な教材が売られています。広告を見ると、この商品を今すぐに買わないと一生文字を獲得できないのでは?と思いそうになります。

 

ちょっと待ってください。

 

払った金額=発達の促進とはなりえません

100円ショップで売られている絵本も優秀です。

図書館にもたくさん本があります。

行政によっては定期健診のときに絵本をくれる所もあります。

 

安く済ませる=子どものことを考えていないわけではありません

安心してください。それは断言できます。

・適切な時期に環境を整えてあげること
・この環境とは高いお金を払うということではないということ

これだけは頭の片隅に置いておいてください。

 

 

選び方

図書館などで絵本を選ぶときは、

・単純なものでOK
⇒絵本にも適応年齢があります。年齢が表記されていることもあります。それを見て選ぶとよいです。

話題になっている絵本だから、という理由では子どもに合わないことも多いのです。複雑なストーリーを理解するには少し年齢を重ねてからです。

・どのくらいの物事を理解できるのか?
・どんなものに注意や興味を向けるのか?

を気にしてあげられるとよいです。

 

まずはカタログ的な絵本から初めて、

次に繰り返しのことばがある絵本

そして単純なストーリーがある絵本

それらを繰り返し読んでいったのちに

ちょっと複雑な(大人でも楽しめるようなストーリー)絵本

 

を読んであげるとよいと思います。

 

 

優秀な100均の絵本

結構いろいろな種類の本が売られています。

例えばこれはCan Doの本。各100円です。

 

私も自分の子にはこの本を使いました。子どもも気に入ってくれて、すでにボロボロです。

子どもが本や文字を好きになるための「導入」になればいいかな?と思って買いました。しかし、子どもはこの本自体を楽しんでくれたようです。

 

まとめとして

 

読み書きの発達は意外と見落としがちです。

気づいたらできていた。
気づいたらできていなかった。

そんなケースも多くあります。

 

◆読むこと

 まずは文字や記号に興味を持つこと。それらに意味があることに気づくことが大前提です。

50音を順番に言うことができていても理解しているとは言入れません。急に「な」は何て読む?と聞かれると答えられない子もいます。

 

◆書くこと

・線を書ける
・目の動き
・動きの方向を理解する
・一文字が一つの音に対応していることを知る

 など、様々な土台となる力が必要となります。

 

 まずは子どもに文字に触れる機会を用意してあげる。興味を持ってくれれば自分から学んでいくはずです。

 

読み書きの障害については、また後日書きたいと思います。

 

 


参考文献

◆特別支援教育における 言語・コミュニケーション・読み書きに困難がある子どもの理解と支援

言語・コミュニケーション・読み書きに困難がある子どもの理解と支援

大伴潔/大井学 学苑社 2011年08月
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◆読み書きの発達における研究動向と今後の課題
読み書きの発達における研究動向と今後の課題 - 愛知県立大学 東俣淳子
https://aichi-pu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3923&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1