言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児保育のスタッフや親が「発達」を学びたいときに読むオススメの本

「発達」を学びたいときに読む本

障害を持つ子と関わるときに避けては通れない「発達」という問題。本を読んで知識や情報を得たい。でもどんな本を読めばよいのか分からない人も多いはずです。

ポイントは発達の本を読んで何を知りたいのか?です。

「障害のない子の発達?」「言語発達?」「運動発達?」目的によって読む本も異なります。

自分が欲しいのはどんな答えなのか?漠然と本を探すだけでは遠回りになってしまいます。

今回はポイントをふまえて「発達」の本を紹介します。

 

 

 

種類が多過ぎてドツボにはまる

 

「発達」の本を選ぶときに気をつけたいポイントがあります。それが、

「読んで何を知りたいのか?」ということです。

発達の本は「これでもか!」というくらい出版されています。なんでもいいから「発達」を知りたい!といって選んでしまうとドツボにはまります。
気づくとよく分からない高価な本を何冊も買ってしまった・・・なんてことも。

 

 

本を選ぶときのポイント

ポイントは何の発達を知りたいのか?です。


発達には様々な種類があります。

どんな発達を知りたいか?で読むべき本が変わってきます。

・大まかな「発達」を知りたい
・「運動発達」をしりたい
・「気持ちの発達」を知りたい

※人にオススメの本を教えてもらうときには「何を知りたいのか?」をハッキリと伝えると相手も困らないと思います。

 

 

① 一般的な「発達」が知りたい

まずは発達の大まかな流れが知りたい。という人もたくさんいるはずです。

そのためには「障害のない子の発達」いわゆる「定型発達」について書かれた本を読むと流れを理解しやすいです。


こんな人にオススメ
⇒ 健常児(障害のない子)の発達を知りたい人、はじめて発達を学ぶ人

何が分かる?
⇒ 発達の流れ、発達段階、発達の年齢など

⇒ 障害があってもなくても大体同じ流れで獲得していきます。育つスピードや壁にぶつかる頻度や状態は異なることが多いです。今後どうなるのか?を知ることで評価や支援に役立つのです。

 

 

絵で見ることばと思考の発達

ことばと思考は関わりが深いです。ことばを獲得していないと、頭の中で「ことば(文字)」を使ってものごとを考えることもできないのです。

私たちは無意識的に行っていることなので、子どもの思考の発達を考える際も抜け落ちやすい点なので注意が必要です!

その発達をおさえているのがこの本です。

www.hana-mode.com

 

 

 

子どもの発達に合わせたお母さんの語りかけ

ことばの獲得にも発達の順序があります。0~4歳までの発達と、その年齢に合った声かけの方法をレクチャーしてくれます。

小児・言語聴覚士の第一人者である中川先生が書いた本です。

専門書でなく一般書です。誰もが理解できるように分かりやすく書かれています。

 

 

やさしく学ぶ からだの発達

子どもが立って、手を使うようになるためには、どのような発達をたどるのでしょうか?

姿勢や移動など身体や運動の発達にポイントがおかれています。

親御さんが読んでも分かりやすいように書かれています。

 

 

やさしく学ぶ からだの発達 Part2

Part2では「運動発達」と「食べる」「遊ぶ」の発達について紹介しています。

意外と分かりにくい「運動」「食べる」「遊ぶ」の発達がまとめて書かれている本です。

食べることにも「発達」があることに気づかない人は多いです。発達が進めば食べられるもの(食材の大きさや硬さなど)も増えていきます。

遊びも同様です。いろいろな発達が進めば遊びも広がるのです。

この機会に「知的発達」や「認知発達」以外の発達に目を向けるのも子ども理解につながるはずです。

 

 

② 「気持ち」の発達が知りたい

発達は身体だけではありません。心も育っていくのです。

いわゆる「気持ち」の発達です。

障害児保育で役に立つ「気持ち」の育ちや変化について書かれた本を紹介します。


こんな人にオススメ
⇒ 「教科書的な本」ではピンとこない人
⇒ 放課後等デイサービスやその他療育施設で働く保育スタッフ

何が分かる?
⇒ 子どもの気持ちや関係性の発達

⇒ 子どもに寄り添った支援をしたい。でも何に気をつければよいのか分からない。気持ちの発達を知ることで「障害がある子もない子もちゃんと“気持ち”があるんだ」という支援の根本を理解することができます。

 

 

発達を学ぶちいさな本 

生まれてから6歳になるまでの発達についての本です。

分かりやすい書き方と見やすいイラストで描かれています。

発達は他者と関わることで進んでいくという考えで、分かりやすく説明しています。

・「気持ち」の育ちや変化の大まかな流れ
・なぜ発達を学んだ方がよいのか?

について書かれている本です。次に紹介する『発達の扉』をまとめたようなないようになっています。

 

 

発達の扉(上下巻)

誕生から就学までの子たちの発達について書かれた本です。

年齢ごとの特徴を挙げていますが、なかでも「気持ちの変化」を重点的に扱っています。

子どもたちの気持ちはどのように揺れ動いていくのか?育っていくのか?が分かりやすく説明されています。

良い本なのですが1994年発行という古い本です。

ネットで探しても古本ばかり出てきます。本屋にはまだあるようです。

 

 

障害児がそだつ放課後

この本を読むと「発達の流れ」「障害の特性」がよく分かります。

身体や知的の発達だけではなく、心の育ちについてもあわせて説明しています。

障害別の特性を説明したうえで、この障害を持つ子が学童(放課後等デイサービス)に入ったきたらどうすればよいのか?何を考えて支援を行うべきなのか?を教えてくれます。

「障害は個性だ!」
「“障がい”という表記にすべきだ!」

こんなことばを、聞いたことがありませんか?

私たちがどこからか植えつけられた、気持ち悪さの残る道徳的な“当たり前”です。

この気持ち悪さが残る理由を著者の白石先生が解説してくれています。

 

 

まとめとして

今回は「発達」の本の選び方、オススメの本を紹介しました。

障害を持った子の「○歳に□□を獲得する」としっかりと明記している本はありません。

健常児の子の発達の流れと比較しながら障害を持つ子の現状を把握をすることが子ども理解の近道なのです。よかったら参考にしてみてくださいね。

 

 

 

↓さまざまな発達段階をまとめました

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