偏食に関する本の紹介
食事の支援は内容が幅広いです。食べる機能の問題、形状(奇形や術後)などの問題、手の動きの問題などです。その中でも目立たないけれど心配されるものがあります。それが「偏食」です。
最近では「偏食」にスポットライトを当てた専門書や入門書もたくさん出てきました。ここでは「偏食」に関するオススメの本を紹介します。障害がある子もない子も役に立つ本ばかりです!
偏食とは?
「偏食(へんしょく)」というのは、何らかの理由で「食べられるもの」が少ない状態、決められたものしか食べられない状態を指します。自閉症などの発達障害では、よく見られます。もちろん、それ以外の障害でも偏食は存在します。
発達障害と偏食
偏食の特徴は次の通りです。
・感覚的な問題
⇒ 味や触感、温度、見た目、風味など
・自分の食べる力と合っていない問題
⇒ 豆腐を潰すのでやっとの段階なのに、肉や硬い野菜を食べさせられる等
・こだわり
⇒ 発達障害に見られるもの。「これ」「これで」「ここで」しか食べない、と決めている
ワガママでやっているわけではないのです!!
発達障害児の偏食改善マニュアル
偏食を改善していくための対応をマニュアル化したものです。少し難しい部分もありますが、写真やイラスト多めで見やすいです。価格は少し高めですが・・・。
「○○さえ やっておけば大丈夫」そんな本は存在しません。支援の方向性を示してくれるのが本です。そこから、丁寧に関わっていくことが大切。当たり前だけれど大切なことです。
発達が気になる子の偏食の見方と対応
発達が気になる子の食事を中心に、偏食の理由と対応が書かれています。また、手の動きづらさ(不器用さ)について説明がされています。
いつもの小児科外来や健診で役立つヒント 子どもの偏食外来
偏食が以来の医師が書いた本です。一般向けではなく専門家に向けて書かれています!(「食べること」に関する相談を受ける小児科医,保健医療従事者,保育士,栄養士など)小児 摂食障害の予防と対処のポイントが分かりやすく書かれています。
気になる子の偏食
偏食は子ども一人一人によって異なります。まずは子どもの現状を知ることが大切。この本では、好き嫌いの理由を口腔面・認知面・感覚面・環境面、また手の不器用さの面から解説しています。
丁寧に作られた本で、言語聴覚士(ST)のようなリハビリ専門職でなくても 比較的 読みやすいです!
子育てや幼稚園・保育園と偏食
特に「障害」を指摘されていないけれど「偏食」が気になる子向けの本を紹介します。
子どもも親もラクになる偏食の教科書
偏食の原因や対応についてイラスト多めで紹介しています。「偏食」に注目するのではなく、目の前にいる「子ども」に注目することが大切。そんな本です。
偏食・少食・野菜いやいや
楽しい食事を子どもの心の発達に寄りそって学ぼうという本です。「寄り添う」というのは難しい。まずは意識することから始めてみましょう。さらに、心の発達にも着目しようねという根本的な内容が書かれた本です。
1歳、2歳からの偏食解消レシピ
遊び食べは発達していくうえで必要なこと。大人が見落としがちな点をベースに「1歳」と「2歳」の子に大人がしてあげられることを考えていきます。そんな本です。
偏食解消で大人気。 さくらしんまち保育園の給食レシピ
好き嫌いというのは、味や触感だけで判断しているものではありません。食べ物に対する記憶が結びついていることが多いのです。大人が決めつけ過ぎず、楽しく食べましょうという本です。レシピがついているのは ありがたい!
事故に備える
食事と切っても切り離せないのが事故。どんなに対策を練っても事故を100パーセント防ぐことはできません。だったら、事故が起きたら何をすればよいのか?という考え方で食事介助にのぞむ方がずっといいはず!ここでは事故に備えるための本を紹介します。
5分以内で助けよう!誤嚥・窒息時のアプローチ
誤嚥や窒息の事故のとき、介助者はどのようなことをすればよいのでしょうか?そんな悩みを、かわいいイラストと手技で教えてくれます。人気シリーズなので、続々と新版が出てきました。本当にオススメです。
選ぶときの注意点
選ぶときに「表紙のイラスト」で決めてはいけません。なぜなら、子どもの食に関する本は、かわいらしい子どもの絵が描いてある可能性が高いからです。可愛い絵だからといって、内容が易しいわけではありません!注意が必要です。
まとめとして
今回は、偏食について書かれた本を紹介しました。選ぶ時のポイントは次の通りです。
・出版年が新しいもの
・「絶対、治る」と書いていないもの
・見やすい&読みやすいもの
もしも、本選びに迷ったら出版年が新しいもののなかから選んでみてください。情報は日々進化していくからです。
確かに古くてもよい本はあります。専門書には「良書」が存在します。これは古くても色あせない本のことを指します。高度で難しい場合が多い。
まずは見やすいものを手に取って、次により難しそうなものにチャレンジしていくのも手です。
よかったら参考にしてみてくださいね。