無意識で迷惑な人たちから自分を守るポイント
障害児支援には様々な子どもがいます。それ以上に、いろんなタイプの大人(支援者)たちがいます。全員が素敵な人ばかりだったら良いのだけれど、そういうわけにもいきません。
わたしは言語聴覚士(ST)として長年、障害児支援の分野で働いてきました。いろんな施設での仕事を経験してきました。一緒に勤務した人の中には「周囲を嫌な気持ちにさせる」タイプの人もいました。
そういうタイプに共通するのが「自分は悪くない。自分は嫌な思いをさせられている」とアピールする、ということです。
今回は、自分の職場に「ため息」「愚痴」「意味のない心配」で仲間の士気を下げる人がいたら、どうやって関わるがよいのか?という話しをします。
いま職場で悩んでいて、この記事を読んで少しでも気が楽になってもらえれば、と思います。
福祉の現場は寛容だけれど・・・
障害児施設や高齢者施設などの福祉分野は 働く人に優しいです。積極的にコミュニケーションをとるタイプでなくても、利用者(児)に真摯に向き合える人なら歓迎してくれます。一般企業なら冷たい目で見られてしまうでも、福祉施設なら上手く働ける、そんな例がたくさんあります。
しかし、例外はあります。それは仲間に悪影響を与えるタイプの人です。無意識的にやっている態度や行為が周囲の人たちを嫌な気分にさせる。同僚に こういったタイプの人がいても 簡単に辞めてもらうことなんてできません。つらいのは仲間たちなのに・・・。
では、周囲に悪い影響を与える人がいる場合、どうすればよいのか?考えてみましょう。
士気が下がる〈例〉
士気を下げるようなことをする人は意外と多くいます。しかも、無自覚であることが多いです。
「士気が下がる」とは、「頑張ろう!」という気持ちやモチベーションが下がってしまうこと。
障害児支援は様々な職種や役割の人から成り立っています。
・保育職、支援職
・リハビリ職(PT・OT・STなど)
・医療職(医師、歯科医師、看護師など)
・教師
これ以外にもたくさんいます。だからこそ、チームとなって子どもに支援を行うことが欠かせません。そこに、ひとりでも輪を乱すスタッフがいたら・・・。
・ため息ばかりつく
・愚痴ばかり言う
・いらぬ心配ばかりする
現場の空気が悪くなるはずです。この「空気の悪さ」。子どもは敏感なので、ソワソワしたり、逆に悪さをする子が増えたりするケースもあります。そうすると「ため息」「愚痴」「心配」は増えるので悪循環となります。
ため息ばかり
ため息にも種類があります。
「はぁー、良かった」「はぁー、楽しかった」の ため息ならいいのです。
「はぁー、自分だけ大変だ」
「はぁー、イライラする」
というマイナスの ため息が いけないのです。
ため息が多いタイプの人は癖になっています。なかには、周囲の人に聞かせるように「はぁー」と言う人もいます。ため息をつかれたって「助けてあげよう」という気持ちにはなりません。
何の得にもならない、それが「ため息」です。
愚痴ばかり言う
福祉職は対人援助職特有のストレスが たくさんあります。気の知れない仲間に、適度な愚痴(グチ)は言った方がよいと思います。しかし、口を開けば愚痴ばかり。誰に対しても愚痴ばかり。そういうタイプの人がいます。
・あの人が早く決めてくれないから(私が)困る
・あの子はふざけてばかり。絶対わざとだ
・あの人がしっかりしないから休憩がとれない
「今日も頑張ろう!」と思って仕事をしている人だってたくさんいます。それなのに朝から愚痴ばかり・・・。何なの?ひどい人になると子どもに対して愚痴を言っていることも・・・。
頑張ってから愚痴を言ってください。周囲の人たちは、みな そう思っているはず。
いらぬ心配ばかりしている
「あれは どうなったんですか?」
「○○は 大丈夫です?」
「あー気が重い」
自分には直接関係ないことばかり心配する人がいます。
・運転手ではないのにルートの心配ばかりする
・子どもの「希望の通所日」に文句ばかり言う
・支援職が決めた活動に対する意味のない心配
共通しているのが・・・自分の役割ではないけれど、自分が大変になるかもしれないから心配している。子どもや施設のためを思って心配していないのがこのタイプの特徴です。
それぞれのスタッフが自分の役割は責任をもってやってくれています。あなたが口をはさまなくても大丈夫なんですよ?
巻き込まれないために
周囲の士気を下げるタイプの人に、直接文句を言っても無駄なことが多いです。なかには聞き入れてくれる人もいるかもしれません。しかし、大多数が「自分は正しい」と思って迷惑を振りまいています。そういう人がいる場合、わたしたちはどうすればよいのでしょうか?
距離を置く
一番効果的なのが距離を置くということ。
そんなことをしたら悪い・・・そう考える人もいるかもしれません。しかし、迷惑を振りまく人の話しを親身になって聞きすぎると、こちらがつぶれてしまいます。
こちらがつぶれても、その人は助けてくれません。
必要以上に近づかない。仕事上の、最低限のお付き合いにとどめておくことがベストです。
軽く流す
自分を守るための方法2つめ。
相手が「ため息」「愚痴」「心配」を言ってきたら「へー、そうなんですね」と聞き流す。極力、話しを広げないことがベスト。
効果的なのが、その人が好きな話題にすり替えてしまうというもの。ラーメンが好きだったら、オススメのラーメン屋を聞いてみる等。もちろん、聞いても行きません。絶対に一緒に行ってはいけません。
わたしもやっている方法です。相手は気持ちよく喋ってくれます。オススメです。
現場で必要なこと
迷惑を振りまく人がいたら「反面教師」としましょう。それで、普段の自分の仕事っぷりを振り返るのです。
・自分勝手なことを 言ったり したり していないかな?
・権利ばかりでなく義務もちゃんと請け負ってるかな?
・嫌な感情が顔や行動に出ていないかな?
反面教師としたうえで、障害児支援に必要なことを改めて考えてみるとよいでしょう。よいキッカケとなるはずです。
チームワーク
障害児福祉はチームワークが必要な現場、という話しをしました。せっかく一緒に働くのだから、みんなが気持ちよく仕事をできるように努力したいものです。
福祉職、リハビリ職は技術や知識が重要だと思われがちです。しかし、それ以上に人柄の方が大切なのです。
現に、スタッフの定着率がよい施設は、人柄の良い人が多い傾向があります。技術や知識の未熟さは人柄でカバーできます!
チームワークを意識しましょう。
子どもを「みる」目
障害児支援は、子どもを「注意」「強制」をする場ではありません。遊びや経験を通して様々なものに気づいてもらう場です。目の前にいる子どもが、ひとつでも多く「できるようにしなければ」と考えていると失敗します。
・子どもがどう受け取っているか?
・どのくらい理解しているか?
・何に困っているか?
そんなことを考えながら子どもを「みる」ことが発達を促すポイントになったりします。
心の安定
一番大切なのが、あなた自身の「心の安定」です。ストレスで気持ちがザワザワした状態のなか働き続けていくと、そのうち心が壊れてしまいます。
大切なのは仕事ではなくて、あなたの生活です。
自分のプライベートを潰してまで仕事を優先する必要なんて、まったくありません。どの職場でも同じです。
まとめとして
今回は、障害児支援の現場でみかける「まわりに嫌な感じを与える人」の特徴を説明しました。
実際に このようなタイプの人は結構います。気持ちよく働くために、巻き込まれないよう自分を守ってください。子どもたちにも悪い影響が出ないようにするためにも関わり過ぎないことがポイントです。
自分を大切に、子どもを守りながら楽しく働いていけるよう考えていきましょう。
よかったら参考にしてみてくださいね。