言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児支援の仕事で劣等感を感じたときの対処法

福祉の仕事で劣等感を感じたときどうすればいいの?

毎日、楽しく仕事ができていますか?

仕事で劣等感を感じていませんか?

 

働いていると「自分は役に立っているのだろうか?」と考えることがあるはずです。

一度考え始めると「ドツボ」にはまってしまいます。

「役に立っているのかな?」

「必要ないんじゃないか?」

こんなことを考え続けていても、問題が解決するわけがない。

そんなことは自分でも分かっている。

しかし、考えてしまう。

 

わたしは、長年、障害児福祉の分野でたくさんの人たちをみてきました。

真面目で優しい人ほど悩んでしまう人が多いように感じます。

 

今回は、どんな職業であっても感じてしまう劣等感に どうやって立ち向かうか?を考えてみましょう。

あなたが、放課後等デイサービスや児童発達支援のような障害児福祉で働いていると想定しています。

気持ちよく働くためにも「劣等感」への立ち向かい方を紹介します。

 

 

 

「自分は必要ない」と感じる理由

なぜ「自分は必要ない」と感じるのでしょうか?

毎日一生懸命働いているのに、自分は他の人と比べて劣っている・・・。

なぜなのでしょうか?

 

「自分は必要とされていない?」という焦りの要因はいくつか考えらえます。

・資格や経験がないから?

・仕事をうまくこなせないから?

・他人から認めてもらっている実感がないから?

 

 

資格や経験がないから

資格や経験がないから「自分は必要とされていない」と感じてしまうのでしょうか?

障害児分野では何らかの「資格」を持っている人が多いのです。

 

ex. 障害児福祉でみられる資格

・児童指導員

・保育士

・児童発達支援管理責任者

・看護師

・リハビリ職(PT・OT・ST)

 

その他にも、初めて知るような職種の人たちと会うこともあります。

福祉分野では資格の細分化が進んでいます。そのため「有資格者」が やたらとたくさんいるのです。

そのため、逆に「資格」を持っていない人は劣等感を感じてしまう人もいます。

 

確かに、資格を持っていれば、就職のときに役に立ちます。就職活動が楽になります。

しかし、実際に働き始めると、

・資格を持っているけれど役に立たない人

・資格はないけれど、熱意があり丁寧な人

いろんな人がいます。

資格がなくても尊敬すべき働き方をしている人はたくさんいます。

福祉業界ではたいていくうえで重視されるのは、知識や経験よりも人間性というか人柄です。

 

長年、高齢者福祉や障害児福祉の分野で働いてきた わたしの感想ですが・・・。

どんなに知識を持っている人でも、一緒に働く人たちと(ある程度)コミュニケーションが取れないと、仕事を任せてもらえなくなっていきます。

資格の有無は仕事の「できる・できない」には つながらないのです。

 

 

仕事ができないから

「自分は仕事ができないから、必要とされないのでは」と考える人がいます。

「仕事ができない」というのは、業種によって「どんなものか?」が異なります。

 

福祉職で仕事が「できる」とは次のような人たち。

・たくさんの仕事を抱えていても、軽くこなしてしまう人

・いつの間にか仕事を終わらせている人

・予測して仕事ができる人

・まわりの人の仕事がみえている人

 

ex.

・自分の担当の子をみながら、他のスタッフが苦戦していたら助け船を出せる

・空き時間を上手く使って自分の仕事を終わらせられる

 

一方、仕事ができない人というのは次のような人たちです。

・やる気がない

・人の話を聞いていない人

・やりたい仕事しかしない人

・文句をばかり言う人

・「責任」を負わず逃げてばかりの人

 

ex.

・それは自分(わたし)の仕事ではないと言う

・提案ばかりするが実際に自分から動くことはない

 

「自分だけよければいいや」という人が「仕事ができない人」です。

要領が悪くたって、一緒に働く人たちや子どものことを ちゃんと考えられる人は「仕事ができない人」ではないのです。

 

福祉職は 一人だけが頑張っても職場は上手く回りません協力してくれない人がいても上手く回りません。

 

 

他人から認めてもらえないと感じるから

一番大きいのが、周囲から評価してもらえないから、ではないでしょうか?

頑張っても認めてもらっている気がしない。いくら頑張っても認めてもらえない。

確かに、嫌になってしまいますよね。

ひょっとして「頑張っているつもり」になっている?

 

自分が思っている【わたしの仕事っぷり】と、本当に周囲の人から見える【わたしの仕事っぷり】は同じなのでしょうか?

 

 

どうすればいいの?

じゃあ、福祉の仕事で劣等感を感じたらどうすればよいのでしょうか?

基本的には悩みすぎない・考えすぎないことが大切。

それができないから悩んでるんでしょ!と思われるかもしれません。

でしたら、ちょっとだけ考え方を変えてみましょう。

 

・仲間を「つなぐ」役割をしてみよう

・「義務」と「権利」を意識してみよう

・専門職が偉いわけじゃない!と知ろう

・仕事以外のことにも目を向けよう

 

 

仲間をつなぐ役割をしてみよう

仲間を「つなぐ」とは どのような意味なのでしょうか?

障害児の分野には様々なスペシャリスト(専門職)の人たちがいます。

専門職にはそれぞれ得意分野があります。

・理学療法士(PT)は 身体の動きをよく知っている

・作業療法士(OT)は 感覚や操作などに詳しい 

・言語聴覚士(ST)は ことばや食事に詳しい

 

専門的な知識をたくさん持っています。

しかし、他の職種の分野のことはよく知りません。

言語聴覚士は身体の動きは何となくしか分かっていません。

理学療法士だって、ことばのことはよく知らないはずです。

だったら、専門職の間に位置する「保育職」「支援員」が「つなぐ」役割をすればいいのです。

 

ex. 保護者に相談されたとき

よく知らないことを何となく答えるのではなく「身体のことなら理学療法士や作業療法士」に、「食事のことなら言語聴覚士や栄養士」に取り次ぐのです。

 

親御さんやスタッフからしつもんされたら、直接、自分の知識を武器にするのではなく、「あの人なら よく知ってるよ」と伝えてあげる。

福祉や医療の世界で、適当なことを言うのが一番よくない。

これを繰り返していると、周りから人が離れていきます。

だったら、正確な情報を知っている人を紹介する(つなぐ)のです。

 

自分のできるところは自分でやる。分からないところ、できないところは他のスペシャリストたちに助けてもらえばよいのです。

自分が持っていない知識を他の誰かに埋めてもらいながら、問題を解決していく。

 

福祉業界で働く人の中にはプライドが高い人がいます。

そんな安いプライドなんて捨てましょう

助けてくれる人がいるなら、うまく助けてもらう。

まずは、人とコミュニケーションをとりましょう。

人と人をつなぐ役割ができる人って実は貴重なのです。

 

 

「義務」と「権利」を意識してみる

二つ目は「義務」と「権利」。

これがゴチャゴチャになっている人は意外と多い。

自分の権利ばかり主張する人って・・・いますよね?

 

義務・・・やらなければならないこと

権利・・・利益やありがたみを受けられる

 

これが どちらかに偏っている人が意外と多いのです。

この2つは天秤にかけて均等になるべきだと思います。

 

ex. 義務 < 権利 タイプ

サボってばかりなのに休憩や休暇を過剰に欲しがる人。このタイプは、仕事を頼まれると、まず文句を言うか嫌な顔をする。サボらないまでも「責任を負いたくない」人が多い。

ex. 義務 > 権利 タイプ

文句も言わずに他の人の仕事を引き受けている。それが日常化している。このタイプは、「みんなが当たり前にもらえるもの」でも「自分はそれを受けるような仕事ができていない」と思っている。

 

どっちに偏ってもおかしなことになります。

仕事はいくらでも楽ができてしまうものです。

しかし、忘れないでください。

自分が「楽」をすれば、他の誰かが「大変な思い」をするのです。

 

ちゃんとやることをやったうえで見返りを求めるのがよいのです。

できていますか?

 

 

仕事以外の時間も大切にしよう

悩んでばかりいる人は、休日も 悩んで うなされて終わってしまうことも。

せっかくのお休みの日です。

自分の「楽しいこと」をみつける時間にしましょう。

平日に疲れ切った頭と身体をリフレッシュさせる必要があります。

 

参考資料

仕事と休暇。これらを考えるとき、次のような考え方を念頭に置いておくとよいでしょう。

ワーク ライフ バランス

仕事をし過ぎず、遊び過ぎず。どっちも頑張ろう!というもの。平日の仕事に負けないくらい休日を楽しむのもよし。

ワーク ライフ インテグレーション

仕事も人生に一部。自分の生活が仕事に持っていかれないようにしよう。でも、仕事で頑張ったことが人生をより輝かしくしてくれるはず。

どっちに傾き過ぎても うまくいかないね、というはなしです。

 

 

注意!空回りしないために

劣等感を埋めるために空回りしてしまう人がいます。

・変な民間資格と取ろうとする

・他人の悪口を言う

・転職を繰り返す

 

へんな民間資格

名前は出せませんが、言語聴覚士(国家資格)を持っている わたしも、いくつか持っています。

何万円も払いましたが、全く役に立っていません。

障害児分野で働き始めて役に立った資格は「言語聴覚士」と「普通自動車免許」のみ。

特に放課後等デイサービスでは、どんな職種であっても運転できると重宝されます。

もちろん、「仕事で運転はしない」という条件で入職して、大活躍しているスタッフにもたくさん会ってきました。

 

 

悪口なんて もってのほか

他人の悪口なんて言っていると、結局、どこかで自分の悪口も言われているもんです。

人を呪わば穴二つ。

 

「あの人バカだね~」と愛情をもって笑い話にするのはよいですが。

悪口は言う方もエネルギーを使います。

そんなエネルギーが余っているなら、支援の準備にでも使った方がよっぽど有意義です。

 

 

まとめとして

今回は、障害児福祉の分野で働いていて「自分なんて必要とされていない?」と感じたときに、どんなことを考えたらよいか?を話しました。

どんなに頑張っていても、上手くいかないことはあります。

空回りしたり、ため息ばっかり吐いたりしないでください。

落ち込んでばかりのときって、自分のことばかり考えているはずです。

わたしたちの仕事は「子どもをみること」のはずです。

 

他人と比べなくてよいです。

比べたって、ろくなことはないはず。

 

でも、「あの人はすごいな」と思ったら、その人の真似をしてみてください。

・子どもとの遊び方

・仕事の進め方

・問題解決の仕方

ちょっとでも自分の身につけられれば、いろんな面でプラスになりますし、ちょっとだけ自信もつきます。

「誰も見てないし・・・」

落ち込む必要はありません。

きっと、あなたの頑張りを見てくれている人はいるはずです。

 

もしも、いなかったら、わたしがあなたの頑張りを認めます。

(どの立場からものを言っているのでしょうか。すみません)

よかったら参考にしてみてくださいね。