言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

放課後等デイサービスの「活動」「遊び」の決め方とは?ポイントを紹介!

放課後等デイサービスの活動

放課後等デイサービスは、何らかの障害や疾患を持つ子が通う学童のような場所です。

そこでは、日々、様々な活動や遊びを提供しています。

スタッフが頭を悩ますのが「どんな活動や遊びを提供しようか?」ということ。

ここでは、活動内容を決めるときのポイントをおはなしします。

 

 

 

 

放課後等デイサービスでの活動って?

放課後等デイサービスでは、学校が終わった後に遊んだりおやつを食べたりする場所です。

通っている学校や障害も子どもによって違います。

活動内容は施設によって異なります。

しかし、子どもと楽しい時間を過ごすというのは、どの施設でも共通です。

 

活動や遊びを決めるのは、施設で働くスタッフです。

誰が決めるかは施設によって異なります。

・保育士や児童指導員

・児童発達管理責任者

・施設責任者

・その他スタッフ

わたしのようなリハビリ職が活動を決めている施設もあります。

 

 

基本的な活動の決め方

活動を決めるときに まずは実現可能か?を考えます。

さらに、ニーズに合っているのか?ということ。

施設によって「どんな活動が多いのか?」という 上司や支援員の好みが色濃く出ます。

自分が働く施設ではどのような活動が合うのか?と考えながら決めていくとよいです。

では、詳しく見ていきましょう。

 

 

「できるのか?」で決める

まずは、いろいろ案を出していきます。

その案を見直して「これは できるのか?」と考えます。

誰にとって「できる」「できない」なのかが重要です。

・子どもが「できるのか?」

・スタッフが「できるのか?」

 

 

子どもの「できるのか?」

いくら素敵な活動が思い浮かんだからと言っても、それをやる子どもができなければ意味がなくなります。

・活動や遊びを理解できるのか

手や身体を動かすことができるのか

 

ex.

・工作をやったけれど、結局、大人が9割やることになった

・フルーツバスケットをやったけれど、みんな「?」という顔だった

 

子どもの持っている力、特に「理解度」を把握して、それに合った活動や遊びを選ぶ必要があります。

支援者が「何となくやりたい」という理由で決めてしまっては、お互いにつらくなるはずです。

 

また、「同じ遊びを、同じやり方で全員にやってあげたい」というのも場合によっては厳しくなります。

 

ex. パズル

・パズルをやりたがる子がいた。だから、全員にパズルをやってもらった。

⇒ 結局、楽しんでいたのは、はじめにやりたがっていた子だけだった。

パズルのルールが分からない子、寝たきりで目も開かない子、自己刺激にしか興味がない子、みんな、おいてけれぼりだった。

 

 

 

支援者の「できるのか?」

意外と見落とされがちなのが これ。

その日、その時間にいるスタッフで実施できるのか?

他の人に頼めばいいや、ではなく「いま、現場にいる人員でまかなえるのか?」です。

 

ex. 活動が上手くいかない原因

・支援者の人数が足りない

・支援者の力(パワー)が足りない

・支援者の技術等が足りない

 

「上手くいかなかったから、人員を増やしてください」

すぐに、そういった要求を出す支援者がいます。

ちょっと待ってください。

まずは「いま、その場にいる人たちで できる取り組みは何だろう?」と考えましたか?

 

ex. 上手くいくかもしれない例

・「待てない子」がいるなら、待たなくてもよい活動にすればよい

・子どもが言うことを聞かないのなら「どうすれば興味を向けてくれるか?」と考えてみればよい

・「問題行動」が気になるなら、「止めさせる」支援の他に、「原因は何だろう?」と考えてみるとよい

・一緒に活動に入るスタッフの「得意」なことに注目して、助けてもらうとよい

 

人員が足りない施設も多くあります。

それでも、素敵な活動を提供できているところもあります。

不満だけを言っていても、何も始まりません。

ため息ばかりついていても しょうがない。

まずは「どうすればいいのかな?」と考えてみることから始めてはいかがでしょうか?

 

 

「何を求められている?」で決める

支援を組み立てる人が「やりたい!」と思うだけでは実施できないことがあります。

支援者以外の人から「こうやってもらいた」と言われることも多いです。

「何を求められているのか?」にも気を配りましょう。

・施設のカラーに合っているのか?

・上司に嫌がられないか?

・親御さんからどう思われるのか?

 

 

施設は「何を求めてる?」

施設のカラーというのがあります。

たいていの施設は「いろんなことを やってみよう」と言ってくれると思います。

しかし、すべてがそうではありません。

「うちの施設は○○という感じで やってもらわないと困る」というところがあります。

施設のカラーなんだか、上司の好みなんだか よくわかりません。

 

ex.

・とにかく元気よくやってくれよ。

・療育とか訓練とかいらないよ。楽しく遊べばいいから。

これらを強調されすぎると、専門職(セラピスト)の存在意義がなくなってしまいます。

昔は、普通にこのように言われることが多かったです。

最近は、少なくなってきた印象ですが、まだこういう施設はあります。

 

専門職に「なんでもいいから専門的なことをやっといて」なんていう施設も意外と多い。

こう言われるのが専門職は一番困ります。

とくに経験の浅いセラピストは。

 

 

保護者は「何を求めてる?」

保護者が放課後等デイサービスに求めていることがあります。

 

・楽しく過ごして欲しい

・たくさん友だちと遊んで欲しい

・〇〇ができるようになって欲しい

 

親御さんによって様々。

親御さんの「願い」や「希望」から活動を決めることもあります。

しかし、気をつけたいのが 親御さんの言いなりになり過ぎてしまうことです。

 

どの親御さんも、自分の子に「できること」が少しでも増えたら嬉しいはずです。

それは分かります。

しかし、親御さんが「あれも!これも!」と施設側に求めるのはちょっと違う気がします

施設側が「あれもやります!」「これもやります!」と親御さんの要望を100パーセント受け入れるのは もっと違うのではないでしょうか。

 

ex.

・ことばが出ていない子に「喋れるよう支援します」

・立位がとれない子に「ひとりでトイレに行けるようにします」

・窒息のリスクが高い子に「ひとりで食べられるようにします」

 

なんて目標を立ててしまう ところもあります。

もしかしたら、すぐにできる子もいるかもしれません。

しかし、それは稀。

短期的にできるようにはなりません。

 

さらに、放課後等デイサービスはリハビリ施設ではありません

www.hana-mode.com

 

 

 

まとめとして

今回は、放課後等デイサービスで行う活動や遊びの決め方をお話ししました。

何となく決めているようで、一筋縄ではいかない作業です。

しかし、活動決めは子どものことをさらに「知ろう」とするよいキッカケとなるはずです。

よかったら参考にしてみてくださいね。

◆今日のポイント◆

◆「できるのか?」で決める

⇒ 子どもは「できる?」&支援者は「できる?」

◆「何を求められている?」で決める

⇒ 施設は?保護者は?