自分の経験や知識を言語化しているか?
最終更新:2021.01.12
福祉や教育の分野で、後輩育成が難しいと感じたことはありませんか?後輩や新人を育てるときは担当者任せ。そんな施設も少なくありません。
業務内容だけ伝えて、あとは「先輩の背中を見て学びなさい」。
こんな何世代も前のやり方を続けているところもあるはずです。これでは後輩や新人は困ってしまい、長く働きたいとは思わないはずです。
では、人材育成の際に気をつけるポイントはどんなものがあるのでしょうか?
今回はポイントのひとつである「言語化」についてです。
スタッフが育たない!
職員間での話し合いで、よく聞かれることばです。
スタッフがなかなか育たない。すぐに辞めてしまう。結局、長くいる職員と新人アルバイトだでしかおらず、中堅職員がほとんどいない・・・。人財育成のために、あなたは何をしていますか?
自分の経験を“ことば”にして伝えられていますか?
勘の良い人や要領の良い人は、先輩スタッフが子どもと関わる姿を見て、自分の支援に落とし込むことができます。では、全くの未経験で、要領の悪い人はどうしたらよいのでしょうか?
先輩の背中を見て学べ、というのは、もはや過去のやり方です。そこでポイントとなるのが「言語化する」ということです。
後輩育成のためにも
長年、放課後等デイサービスで働いているスタッフは、様々な問題を乗り越えてきた先輩スタッフはたくさんいます。実際、普段から素敵な保育をしている先輩スタッフもたくさんいます。それを自分だけのものにしたままでは、もったいないです。
何を言語化するのか?
ことばにすることで、普段は先輩スタッフがどのように考えて、子どもと向き合っているのか?何を目安に何を決めているのか?が明確になります。特に、ことばで伝えた方がよいのは下記の通りです。
① 保育活動の組み立て方
毎日の保育や療育。先輩たちは当たり前のように組んでいきます。しかし、後輩や新人は先輩の意図が分からないことがあります。考えてはいるんです。しかし分からない。今は先輩の立場の人でも、昔、新人だったころは気づけなかったことがたくさんあるとはずです。
・なぜ、このメンバー(集団)を選んだのか?
・なぜ、この活動・場所なのか?
・なぜ、このタイムスケジュールなのか?
これらを中心にことばにして伝えます。
② 支援に関すること
実際に子どもと接するときも、後輩や新人は困ってしまうことが多いです。
・支援者として、どのように子どもへ働きかけたらよいのか?
・子どもの言動や反応から、何を読み取ったらよいのか?
これらを言語化して、後輩スタッフへ教えていくことが大切です。
さらに、
・なぜこういうアプローチをとるのか?
・何を目指しているのか?
・注意すべきところは?
を説明できると、なお良いです。「うちの施設では、代々こういうやり方なの」という考え方では、誰もついてきません。 後輩スタッフに、うまく伝わらず、ヤキモキすることもあるかと思います。しかし、この「ことばに直す」という作業が後輩を育てることになるのです。
まとめ
自分の経験を言語化すること。
当たり前のように思われるかもしれませんが、現場ではできていないケースが多いのです。見て学んでもらうことも大切です。しかし、これまで自分たちが得た知識や経験を
ことばにして後輩や新人に伝えることで成長が早くなるはずです。ぜひ意識してみることをオススメします。