言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

補聴器と人工内耳の違いを知っていますか?いまさら聞けない話。

補聴器と人工内耳の違い

 

補聴器と人工内耳。なんだか似ているこの2つ。違いは分かりますか?

聞こえづらい子たちが使っている補聴器・人工内耳。どちらも、ことばや音が聞き取りにくい人が使う聞こえの補助具です。高価な医療機器で、細かな調整は病院や専門店で行います。

この2つの機器の違いを答えられますか?簡単に言ってしまうと、

・手術が必要かどうか?
・誰でも使えるものなのか?
・どの段階で音を完治させるのか?

です。それでは詳しくみていきましょう。

 

 

 

それぞれの役割

補聴器

・外から聞こえてきた音を補聴器によって増大する機器
・アナログ補聴器とデジタル補聴器がある
・耳にくっつけて使う。全て体外につけるもの

アナログ補聴器は外からの音をただ大きくする(音量を上げる)ものです。一方、デジタル補聴器は音量を上げるだけではなく、音を電気信号に変えて音質を変化させることができます。そのたま高い音だけ音量を上げることなどができます。聴力合わせた調整ができるようになります。

補聴器について知りたい方はこちらの記事もどうぞ

www.hana-mode.com



人工内耳

・外から聞こえてきた音を変化させて神経や脳へと送る機会です。
・デジタル補聴器と似ていると思われるかもしれません。
しかし、人工内耳は部品を身体に埋め込む手術が必要です。そのため病院でしか買えません。

 人工内耳について知りたい方はこちらの記事もどうぞ
www.hana-mode.com

 

 

どっちを使えばいいの?

どちらがよいかは子どもによって変わってきます。

・耳の状態
・知的能力
・生活環境

などによっても異なります。

また、人工内耳を入れる手術には条件があります。

小児人工内耳適応基準(2014)

原則1歳以上(体重8kg以上)
以下のいずれかに該当する場合

(1)裸耳での聴力検査で平均聴力レベルが90dB以上

(2)上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の平均聴力レベルが45dBよりも改善しない場合

(3)上記の条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が50%未満の場合

家族の継続的な協力が見込まれる
療育機関との密接な連携が保たれる
両耳聴の実現のために人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない


Cochlear社ホームページより
https://www.cochlear.com/jp/home/understand/hearing-and-hl/hl-treatments/cochlear-implant


難しいですが、このくらい聴力が残っていて、術後の環境が整っていないと人工内耳を活用し切れないよね、ということです。

 

 

まとめとして

私たちがことばを理解したり話したりできているのは、音が聞こえているから、ということが大きく関与しています。ことばを獲得するためには、音が聞こえていた方が有利なのです。子どもの難聴が分かったら、早めに補聴器を装用するなどの対応が必要なのです。

 

 

参考資料

◆小児人工内耳適応基準
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/members/iinkaikara/pdf/artificial_inner_ear-child.pdf

◆Cochlear社ホームページ
https://www.cochlear.com/jp/home/understand/hearing-and-hl/hl-treatments/cochlear-implant