言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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言語聴覚士が知っておきたい 歯のはなし

 歯について復習をしよう

小児分野の言語聴覚士(ST)は、摂食嚥下に関わることが多いです。食事介助や調理の加工の方法は知っているけれど、歯のことは全然知らない、というSTはたくさんいると思います。そんなSTのために、もう一度、歯について復習をしましょう。  

 

 

 

歯の役割

 

歯には、噛むこと以外にも様々な役割があります。


食べる

歯を使うことで、食物をかみ切ったり、すり潰すことができます。

発音

人は話すときに、舌を歯の根元につけたり、歯で挟んだりして発音をしています。歯がないと舌の置き場所が曖昧になるので、発音も不明瞭になってしまいます。

見た目
それ以外にも、歯並びや色など、見た目にも影響を与えます。

力む
また、歯がしっかりとかみ合わさっていることで、重いものを持ったり、バランスを保ったりすることができます。

 

  

歯の本数

 

歯の本数はみんな同じです。口の中の奇形や疾患などがある場合には、本数が足りないこともあります。歯列は基本的に口の中でアーチを描きます。しかし、人によってはまっすぐでなかったり、2列になってしまう子もいます。 

 

乳歯20本

上:10本

下:10本

 

永久歯32本

上:16本

下:16本

 

※永久歯は、親知らずを除いて28本

 

  

歯の名称

 

摂食指導や助言を行う際、「噛み合わせが良い歯はどれか?」等を伝えるとき、歯の名称や場所をおさえておくと伝えやすいです。その際、「前歯」「犬歯」「奥歯」ということばでスタッフに話すと伝わりやすいです。 

 

乳歯

2歳中頃から3歳くらいで生えそろいます

 

永久歯

 

  

歯の中身

 

歯の周辺組織は、歯を支持しているものです。口腔内に露出している部分を「歯冠」、歯肉に埋まっている部分を「歯根」と呼びます。 

 

 

 

虫歯について

 

1)原因

う蝕(うしょく)とも呼ばれます。虫歯になる原因としては下記の4点があげられます。虫歯になるリスクを下げるには、食生活と口腔ケアを考えていく必要があります。

① 細菌

② 糖分

③ 歯質

④ 時間

 

2)好発部位

虫歯になりやすい場所(好発部位)は

 

●歯がダメージをうけると・・・

① 虫歯や衝撃によって歯がダメージを受ける

② エナメル質が溶ける

③ 象牙質が溶ける

④ 少し縮んで第二象牙質ができる

⑤ 歯髄までとどく

⑥ 神経が死ぬ

 

 

 歯の大切さ
 
1)歯を使うことの大切さ
 
歯には歯根膜というところがあります。そこには歯根膜神経という神経があるので「(食物などを)噛んだ!」と実感することができます。この神経は鋭敏なのですが、噛んだ経験がないと「噛み心地」を感じることはできません。
 
 
2)子どもに合った練習を
 
だからといって、噛む練習として何でもかんでも食べさせるのは危険です。「いま、どの発達段階なのか?」を見極めたうえで食物の硬さや大きさを決めていきます。
 
 
食べる機能の発達とは?(リンク)
 
舌や顎の動きなどによって食物の形態が決まります。なので、学校給食では「普通食」以外に「初期食」「中期食」「後期食」などがあるのです。これらは「嚥下食」と呼ばれることもあります。

 

食形態とは?(リンク)

姿勢と食形態について

 

いくら歯があっても、食材が「子どもの食べる力」に合っていないと歯は使わず、丸飲みになってしまいます。

 

 

 

はみがき

 

はみがきとは、歯をきれいにすることです。歯ブラシで歯の表面をみがくだけではなく、歯と歯肉の間の汚れを取ったり、歯間ブラシなどを使って歯と歯の間に残ったカスを取り除いたりしながら、虫歯を予防します。

 

 

1)なぜ歯磨きは大切なの?

 

虫歯を予防するためです。それ以外にも理由があります。

障害を持っている子の中には、口腔ケアが行き届いておらず、口の中がとても汚れているケースが少なくありません。歯並びが悪かったり、薬の影響で歯肉が張れていたりするためにに、本人は真面目にみがいていても、きれいになっていないこともあります。

例えば、ムセや誤嚥を繰り返す子。菌がたくさん入っている唾液を誤嚥すれば、肺にまで菌が入ることになります。そうなると、口の中だけの問題ではなくなります。

例えば、長い間、虫歯を放置しておけば、歯は崩れてなくなってしまいます。入れ歯を作ったとしても、うまく活用できなければ、上手に食べられなくなります。

菌が入り込むリスクを下げるためにも、歯を残すためにも、普段から口の中をきれいにしておく必要があります。

 

また、ダウン症の人は歯周病になりやすいといわれています。普段からの口腔ケアをしっかりと行うことが、今後の生活を左右するのです。

 

 

2)歯磨きのポイント

 

介助者は、歯ブラシをエンピツの持ち方で、軽くにぎります。みがくときには、毛先がつぶれない程度の力でブラシを動かします。歯を磨くときにはブラシが歯と平行になるように、歯と歯肉の隙間をみがくときには斜めになるようににブラシを当てます。

 

 

口唇が邪魔なときには、介助者が指を入れて口を開きます。

指を入れてすぐにみがき始めると、驚いてしまいます。なので、少し待ってみます。

介助者の指は、歯と頬の間に入れます。歯と歯の間に入れてしまうと噛まれます。

指で口をグイっと引っ張ってしまうと、子どもは嫌がります。

少し口の中を膨らませるイメージだとよいです。

 

 

 

 

あわせて読みたい

◆唾液についての記事です

www.hana-mode.com

 

 

参考資料

・『言語聴覚士のための臨床歯科医学・口腔外科学』
  道健一 医歯薬出版株式会社

・『精神科看護らしい 口腔ケアへの探求』

  高橋清美 戸原玄 寺尾岳 精神看護出版