言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

子どもの運動発達の目安|粗大運動・微細運動の流れと支援への活かし方

子どもの運動発達は何歳で身につく?

 

「うちの子、運動が遅いかも…」
「ジャンプが苦手」
「転びやすい」
「ボール遊びが苦手」

そんな姿を見て、不安になったことはありませんか?しかし、運動発達の遅れ=発達障害、とは限りません。実は、感覚・姿勢・身体の使い方など、さまざまな理由が隠れていることがあります。

子どもの運動発達は、年齢だけでは判断できません。大切なのは「流れ」でみることです。

子どもの運動発達は「寝返り→座る→立つ→歩く」のように順番があります。大切なのは“何歳でできるか”だけではなく、“どの流れの途中にいるか”を見ることです。この記事では粗大運動・微細運動の発達の目安と、支援への活かし方を分かりやすく紹介します。

 

 

まずはだいたいの流れを知る

発達は複雑です。まずは、ざっくりとした育ちの流れを知ることが大切です。

 

年齢 粗大運動 微細運動
0〜3か月 首が安定 手を見る
6か月 寝返り・座位 物を握る
1歳 歩く 指つまみ
2歳 走る 積み木
3歳 ジャンプ はさみ

 

このような、どこの教科書にも書いてあるような、だいたいの内容を抑えてみるとよいです。

 

 

子どもの発達期の区分

一般的には下記のような区分で分けられています。

新生児期  生後28日(4週)
乳児期   誕生~1歳
幼児期   1~6歳
学童期   6~12歳

  

粗大運動

⇒ 運動の発達 

3ヶ月  : 定頸(首がすわる)
7ヶ月  : 寝返り
8~11ヶ月 :  座位保持
10ヶ月 : つかまり立ち
13ヶ月 : つたい歩き
14ヶ月 :  立位
15ヶ月 :  ひとり遊び
1歳半~2歳 :  つかまって階段
4歳   :  片足立ち
5歳   :  片足飛び、ケンケン
6歳   :  スキップ

  

微細運動

⇒ 細かな手の動きの発達

◆つかむこと

3ヶ月 :意識的につかむ 
5ヶ月    :見たものをつかむ
        協応運動OK
7~8ヶ月  :親指と他指でつかむ
9~10ヶ月 :親指と小指でつかむ
12~15ヶ月:積み木を2個積む
        クレヨンをグーで握る
1歳半 :積み木を3~4個積む
     縦線や円を真似して描く
2歳
  :積み木を5~8個積む
     このころまでに利き手が決まる
3歳  :積み木でトンネルを作れる 
     大き目のボタンをはめたり外せる
4歳  :積み木で山を作れる
5歳  :積み木でロボットを作れる
     正しく鉛筆を持てる
     箸を大人も持ち方で使える
6歳  :積み木でロケットを作れる


◆ハサミを使う

3歳  :紙を線に沿って切ることができる
4歳  :紙を動かしながらハサミを使える
5歳  :様々な形をハサミで切り出せる

◆絵を描く

14~16ヶ月:自発的ななぐり書き
3歳  :縦の線を真似て書ける
3歳半頃:○を真似て書ける
4歳  :縦横の線をなぞる
4歳半頃:□を真似て書ける
5歳  :人物画を描く
     線の内側を色塗りできる

 

 

◆社会性・生活習慣 

2ヶ月 :あやすと笑う
4ヶ月    :いないないばあで笑う
5~6ヶ月:母親と他人に区別がつく 
7~8ヶ月:人見知りをする
9~10ヶ月:大人のマネをする 
11~12ヶ月:求められると物を渡す
16~18ヶ月:排尿後に教えてくれる
22~2歳  :排泄後に教えてくれる
3歳  ケンカをすると大人に言いつける
4歳    : 負けると悔しがる
5歳    :いけないことを他児に注意する
6歳    :組織だった遊びで数人の子と遊ぶ

  

その他の発達 

紹介してきた発達の表。これは、あくまで「目安」です。全員がこの年齢でできるわけではありません。

大切なのは、次の通りです。
・どの段階でつまずいているのか
・どこまではできているのか

 

 

食事の発達

 

食べる力にも育つ順序があります。いきなり噛めるようになるわけではありません。
いまどのくらいの段階なのか?
それを知ることで子どもの力に合った食事を提供することができます。

適切な食事の提供や食事介助をすることは安全を確保することにもつながります。
遊びや運動も大切です。
しかし、それ以上に、食事の発達を把握することは欠かせないことなのです。

 

 

ことばの発達

分かるようでわかりにくい「ことばの発達」。

なぜかというと、私たちは無意識に喋っているから「当たり前」に感じてしまうのです。ポイントはどのくらい理解できているのか?です。

・物の名前
・事象
・状態

目に見えないものにも名前がついていたり、概念(ルール)が存在していたりします。

理解できて初めて表出(喋ること)ができるようになります。

↑ 支援者はこれが意外と抜け落ちがちです!

 

▶支援に関する「ことば」をまとめました。もっと知りたい方はこちらもご覧ください。
「ことば」の記事まとめ

 

▶子どもの様々な「発達」を確認したい方はこちらもご覧ください。
いろんな発達段階を表にまとめてみました。子どもの発達年齢を知ろう

 

 

「発達年齢」の意味

発達年齢は資料によって多少異なります。なぜなら元となっている研究データが異なるからです。大昔に取ったデータと最近のデータでも異なります。国によっても差異はあるはずです。

また発達の年齢では「〇歳にできる」と表記されます。これを不思議に思ったことはありませんか?○歳になったら全員できるの?

発達段階の表に書かれていることは、正しくは「△%の子が〇歳にできる」という意味なのです。その年齢の100%の子ができるのと50%ができるのでは違ってくるはずです。

 

 

運動発達を支援にどう活かす?

 

では、この発達の流れをどう支援に活かすのでしょうか?

例えば、物を投げてしまう子は、「手を離す」段階にいる可能性があります。

その場合、
・置く経験を増やす
・ゆっくり離す動きを一緒に行う

といった関わりが必要になります。

 

 

発達を知ると子どもの言動の意味が分かる

 

発達段階を知る、ということは、子どもの反応の意味を知るということです。

 

ex. 声かけしても反応がない。遊びに夢中になっているのかな?

⇒ 考えられるのは、聴力の問題、注意の問題、ことばの理解の問題・・・様々な原因が考えられます。

 

ex. 食事中、スプーンを持ってくれない。食べたくないの?

⇒ 考えられることは、食べる意味に気づいていない、まっすぐ座れないため座面を抑えるために両手を使っているのでスプーンを持つ暇がない・・・これも様々な原因が考えられます。

 

▶「目」の発達も支援に欠かすことができない視点といえます。
障害児支援でポイントとなる視覚の発達【見る力】

 

 

まとめとして

今回は運動発達を簡単に説明しました。

いかがでしたでしょうか。ポイントは「流れで覚える」ということです。

 

例えば、物を投げてばかりの子がいたとします。発達の流れからみると

「物をつかむ」
  ↓
「物を机や床に押し付ける」
  ↓
「物から手を放す」
  ↓
「置くことができる」

となる。いきなり「そっと置くこと」は難しいのです。 だからこそ「発達を流れで覚える」とよいのです。

 

 

 

 

【参考資料】

◆言語聴覚士のための基礎知識

 

◆言語聴覚療法 技術ガイド

◆子ども家庭総合評価票記入のめやすと一覧表
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000348513.pdf