周囲から自分はどう見えているのか
対人援助職の私たちは、ご家族や他施設のスタッフからどのように見られているのでしょうか?
服装や身だしなみなどはある程度、個人に任されているかと思います。しかし、周囲から自分はどう見えているのか?という視点を持つことが大切です。これは医療職・福祉職で働くうえで欠かすことはできないポイントなのです。
今回は「仕事中につけるマスク」を例に説明していきます。
なぜ不織布マスクが推奨されるのか?
マスクにも様々な種類があります。
・布マスク
・ナイロン製マスク
・不織布マスク
色や素材、見た目など、使う人によってこだわりがあるかもしれません。
しかし、医療系、教育系の職場では不織布のマスクが多く使われています。
なぜなのでしょうか?
こたえば不織布は他の素材のものと比べて感染リスクを軽減することができるからです。
不織布マスクのメリット
たとえば、不織布マスクは自分から出ていくのは20%に抑えられる(80%はカットできる)
吸い込む量はマスクをしていれば30%しか入ってこない(70%は防ぐことができる)
※参考:国立大学法人豊橋技術科学大学 Press
『コロナウイルス飛沫感染に関する研究. ~マスクの効果と歌唱時のリスク検討~(2020/10/15)』より
https://www.tut.ac.jp/docs/201015kisyakaiken.pdf
コロナウイルスはどんなふうに感染する?
新型コロナウイルスは風邪などと異なり、飛沫感染ではなくマイクロ飛沫感染だといわれています。
そのため、食事のようなマスクを外して会話をする状況のときに感染しやすいのです。
だからこそ、そういう機会を避けるよう言われているのです。
マスクの効果と限界
子どもと関わる人ならマスクの種類にも気を配りたいです。
なぜなら、保育や療育など支援や介助をするときは、子どもとの距離が近くなりやすいからです。
さらに、子どもによってはマスクをできない子も少なくありません。
マスクの効果は下記の2点です。
・自分からウイルスを外に漏らさない
・周囲からのウイルスを自分に取り込まない
ウレタンマスクは呼吸はしやすいのですが、ウイルスを通しやすいといわれています。
もしも自分がウイルスを保持していて、子どもに感染させてしまったら・・・。
ただし、マスクは顔の大きさにあったものを選ぶことが必要です。不織布マスクであっても、しっかりと顔に密着させられていないと横から漏れてくるので意味がないのですが・・・。
食事介助で用意しておくとよいアイテム
食事介助をするときには、マスクやフェイスシールド、グローブ(介助用のゴム手袋)をすることは最低限必要です。さらに注意したいのが下記の点です。
・感染源
⇒ 口腔内にウイルスが多く存在
⇒ くしゃみ、咳、会話、唾液
・介助方法
⇒ 正面介助に固執せずに横からの介助も取り入れていく
最近、感染対策のひとつとして期待されている消毒グッズがあります。
MA-T(要時生成型亜塩素酸イオン水溶液)
MA-Tとは
一見ただの水ですが、ウイルスを攻撃してくれる亜塩素酸イオンの消毒液です。口に入れても大丈夫。
大阪大学大学院・薬学研究所が開発、アース製薬がMA-Tの製品活用を進めています。さらに日本MA-T工業会をつくり、花王や資生堂、住友化学などが加盟しています。
除菌力:多くの細菌・ウイルスに効果あり
安全性:水と同等で引火性もない
匂い :なしアースヘルスケア株式会社 ホームページより
https://earth-hc.jp/ma-t/
口腔内のウイルスを減らすジェル、スプレー
◆A2Care マウスウォッシュ
類似品、コピー商品が出回るのを防ぐために「MA-T JAPAN認証」制度を設けています。
施設の現状に合った対策を行うことが大切です。
こんなハンドクリームもあります。
デルタ株などへの対策を
デルタ株は感染力が強いといわれています。しかし、目に見えないのでどれがデルタ株なのかは分かりません。
しかも、デルタ株は、これまでの株と比べても
・より距離をとる必要がある
・より短かい時間の会話(マスクなし)でも感染しやすい
と言われています。
これまでしてきた感染症対応よりも、より慎重に対策を行っていくことが大切です。
施設の対策はスタッフの安心感へとつながる
スタッフの対策は保護者への安心感へとつながる
わたしもコロナ禍で障害児と関わる仕事をしていて、これは福祉職の鉄則だと感じています。
(第59回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年8月20日)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1013388/1014570.html
まとめとして
今回は、障害児保育や療育を行うときに支援者ができるちょっとした気遣いのはなしをしました。
教育や福祉の職種でも見た目も大切です。しかし、「どうすれば」リスクを下げられるのか?を考えながら子どもと接することが求められるのです。
障害児施設へボランティアや実習に行く人もぜひ参考にしてみてくださいね!
参考
◆厚生労働省 新型コロナウイルス感染症についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
◆厚生労働省 マスクの効果について
https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf