うがいについて改めて考えてみた
風邪予防やインフルエンザ予防には「うがい」「手洗い」「マスク」が大切だと言われてきました。
これは私たちの中では常識でした。
それが近年、変化しています。
「手洗い」「人込みを避ける」を徹底するように言われています。
マスクも、感染拡大を防ぐためには有効。しかし、自分を守る手段としては推奨されていません。(厚生労働省)
では、今回は「うがい」が意味のないものなのか?を考えていきたいと思います。
1)うがいって何?
うがいとは、みなさんご存知の通り、口に水を含んで吐き出すことで異物を除去する行為です。
2)うがいができるようになる年齢
では、うがいっていつごろできるようになるのでしょうか?
ブクブクうがい 4歳
ガラガラうがい 5歳
※上記は健常児の子の場合75%の子ができる年齢)
うがいの練習はじめる目安
1歳 水を口にためて吐き出す練習
2歳 水を含まずブクブク練習
3歳 ブクブクうがいの練習
それでは、うがいの目的をみていきましょう。
3)うがいの目的
①風邪の予防
うがいの効果
・ のどや口腔内の炎症
・ 抜歯創を含む口腔創傷の感染予防や消毒
・ かぜ等の感染の予防
慶応義塾大学病院
http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/raiin/kusuri/kusuri_06.html
風邪やインフルエンザの予防のために、手洗い、うがい、マスク着用、咳エチケット等の感染予防対策を行うようにいわれています。
しかし、『新型インフルエンザ対策行動計 行動計画案』では、
うがいについては、風邪等の上気道感染症の予防への効果があるとする報告もあるが、インフルエンザの予防効果に関する科学的根拠は未だ確立されていない。
行動計画の見直し案 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001o0a2-att/2r9852000001o0pi.pdf
② 虫歯予防
うがいによって、食べかすや雑菌を除去することで口腔内がきれいになります。
また、口腔内の感想を防ぐので、菌の増殖を和らげる効果もあります。
その際には、上を向くガラガラうがいでなく、まっすぐもしくは下方を向いたブクブクうがいを行います。
③構音訓練
構音訓練で、うがいを使うことがあります。
「か(/ka/)」の音の練習です。
ガラガラうがいの動きが「か」を言うときの動きと同じなのです。
練習方法としては、
・少量の水でガラガラうがいをします
・量を少し増やして
・水なしで「ガラガラ」言ってみます
・「か」の音を出します
というのが、ざっくりした流れです。
4)うがいの注意点
① 誤嚥に気をつける
水分でムセる子は、うがいをやるときに注意が必要です。
口腔ケアがほとんどできていない子の場合は、口の中は菌でいっぱいです。
その状態で誤嚥すると、肺炎のリスクが高まります。
基本、自分の唾液でムセる子、水分にとろみを付けるくらいの子には、うがいはやらせません。
誤嚥とムセの違いはこちらから
② 薬剤は正しく使う
うがいの薬は多くの種類が出ています。
用途に合わせて、分量を守ることが大切です。
例えば、イソジンガーグル液。これはヨウ素が多く含まれています。
イソジンガーグルは強いため、口の中にいる“良い菌”まで根こそぎやっつけてしまう。
日常的に過剰摂取してしまうと甲状腺機能低下症、甲状腺腫、甲状腺中毒症などが起こります。
まとめとして
うがいは風邪予防に欠かせないものです。しかし、インフルエンザ予防には効果が薄い等、用途を選びます。
感染予防のためには、
・人込みを避ける
・栄養と睡眠をしっかりとる
に加えて、マスクをすることで他人にうつさないことも大切です。
また、うがいは口の動きの練習にもなります。
うがいをするためには、水分を口の中に保持しておく必要があります。
頬の内側や喉の奥を動かす必要があります。
これらは、話すこと(構音)や食べること(摂食嚥下)の力になります。
子どもが習慣にして損はないものなのです。
学校がないときにも、家でできる
参照
障害者歯科保健医療対策マニュアル
東京都保健所
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tamakodaira/shikahoken/shikahoken.files/hamigaki1.pdf
習慣的なイソジン咳嗽は止めましょう
かがやきクリニック川口
https://kagayakiclinic.jp/contents/kagayaki/040.html
うがいの練習・指導
日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/dentist/program/pdf/ugai_renshuu.pdf
話題の食品成分の科学情報
ヨウ素解説
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail680.html