障害による「生きづらさ」を押さえるための手段としての薬&入所
※ここでの薬とは発達障害などによる衝動性を抑えたり、脳性麻痺の過剰な筋緊張を抑える薬をさしています。
支援の限界なのか?
長く障害児と関わっていると、行動が抑えられないために投薬を開始したり、入所に至るケースを目にすることがあります。
その際、支援者として
「もっとよいアプローチがあったのではないか?」
「もう少し早くから療育を始められていれば」
と感じてしまうことがあります。
なかには、今すぐにでも投薬や入所を開始した方がよさそうなのに、支援者側が「まだいける」と言い張って、引き延ばしにしているケースもありあります。
もしも自分の子が薬や入所を始めるとなると・・・
支援者も
「もう少し(自分たちが)頑張ればなんとかなるはず」
「薬や入所施設に任せては(自分たちの)負けだ」
と思っているのでしょう。
もしも「自分の子が投薬や入所を始める必要がでたら」という状況に直面したら、私も悩みます。
特に親は周囲からの批判があったりして、「自分のせいだ」と悩むと思います。
はたして、薬や入所は誰にとってプラスなのか。
投薬や入所のあとに何が変わるのかを考える
現在、障害児に対する療法やアプローチは把握しきれないくらいたくさんあります。中身もバラバラなのが現状です。言い換えれば、まだ効果的な対処法、根本からの解決法がみつかっていないから、ということ。
確かに、薬を使うにしても、保護者や支援者が実際に自分で試してみることはできません。そのため、薬を飲むとどうなってしまうのか?という不安があります。
しかし、薬を飲み始めて、もしくは入所をし始めて、穏やかに過ごせるようになった、というケースを山ほど見てきました。
薬や入所を始めることは「負け」ではありません。
心身の安定や情緒面を整えてからでないと育たない部分もたくさんあるのは事実です。
薬や入所を始めることは決して「負け」ではないと思います。医者や薬剤師でない限り、薬のことはよく分かりません。入所する施設にも同じことが言えると思います。
支援者ではなく本人にとってプラスになる方を選んであげたいです。それとともに、保護者や兄弟姉妹の生活の保障という観点も忘れてはならないのだと思います。