言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

「障害の軽い子ばかり集めた事業所」にはお金はあげないよ(報酬改定のはなし)

放課後等デイサービスの問題① 報酬改定

今回は、2018年度の報酬改定の問題についてです。放課後施設に関わっている方でないと分かりづらいのですが、簡単にいうと・・・


国:「障害の軽い子ばかり集めた事業所」にはお金はあげない」
放:「障害の重さをどうやって判断するんですか?」
国:「指標を作ったから、よく読んどいてや」
放:「・・・“障害が軽い子”の割合が半分以上だと、報酬が減るんですか?」
国:「そうや」
放:「ひぇー」

 

国・・・厚生労働省
放・・・放課後等デイサービス各事業所


2018年度の報酬改定では、報酬単価を引き下げられました。さらに国は、事業所にいる子の障害の重さの割合質の良し悪しの基準にしました。
各事業所がその指標を使って在籍している子どもたちを点数化して、特定の点数に満たなかったら報酬(利用実績に応じて支払われるもの)を引き下げると通達してきました。

参考)平成30年4月の放課後等デイサービス報酬見直し(厚生労働省HPより)

 

国の言い分は「障害の軽い子ばかり集めた事業所」にはお金はあげませんよ。単なる「子預かり」になっていしまっている「質の悪い事業所(施設)を減らすため」という名目です。
確かに、意図的に障害の軽い子を集めて、ひとつの部屋に入れて毎回DVDを流しておしまい、という事業所はあるようです。
しかし、障害の軽い子にターゲットを絞って、その子たちに合った支援を行っている事業所もたくさんあります。

 実際には、8割近い事業所が「あなたの事業所は障害の軽い子ばかり」と判断されて、収入減になっています。(全国放課後連調べ)

 

収入が減ったとしても事業所を続けていかなければいけません。支援の質を落とさないようにするために・・・となると、人件費の削減に踏み切る事業所が増えるはずです。突然給料を下げる、とはいかないまでも、新しくアルバイトを増やせない、通所日を増やしたい子どもがいたとしてもスタッフの数が足りず断らざるを得ない、などなど。

 

これって結局、支援の質の低下につながってしまうのではないか?

①どのくらい収入が減るの?
それまでは、在籍している子の障害の重さは報酬には関係がなく一律でした。それが、今回の報酬改定によって、「区分1」でも数%減、「区分2」は10%程度減となりました。事業所によっては、月に100万円以上収入が減ったところもあるようです。

 

②事業所側の行動

現在、現行の報酬の改定を求めているところです。(2019.11.16現在)要請事項は下記の通りです。


要請事項は
①指標判定の廃止、その結果に伴う報酬区分制度の廃止すること
②報酬単価をこれまで(2017年度まで)の額に引き上げること

 

「放課後等デイサービスは儲かる」といううたい文句に踊らされて、子どものことは二の次になっている事業所は、たしかにあります。・・・どこが儲かるんじゃ。いいとばっちり。