障害児施設での遊び&活動&かかわり方のヒント
障害児が通う施設では、様々な活動が準備されています。
それはすべて施設の職員が考えて用意しています。
しかし、これがなかなかうまくいきません。
・子どもに楽しんでもらえたかな?
・わたしの言うことを聞いてくれなかったな
そんな心配や反省をする職員は多いのです。
今回は「子どもが遊んでくれなかった」と感じたときに試してみるとよいことをまとめました。
施設での遊びや活動とは?
実際に施設ではどのような遊びや活動を準備しているのでしょうか?
うまくいかないときに「できること」とはどのようなことなのでしょうか?
大人の思いが強すぎないか?
障害児の施設では様々な活動を提供しています。
支援員の人たちは「○○をさせてあげたい」「□□を一緒に作ろう」と考えながら活動を組み立てています。
しかし、その思いが強ければ強すぎるほど、子どもが離れていってしまいます。
なぜでしょうか?
・関わり方を決めつけている
・「これをさせなければ」とムキになっている
支援員の方、上記のような経験はありませんか?
では、どうすればよいのでしょうか?
子どもの行動に合わせる
子どものルールに合わせる
これは大切。
大人は分かっていても無視してしまっていることが実に多いのです。
ルールとは、その子が当たり前のように使っている「ことば」や「動き」のことです。
ことばを話さない子。しかし、ひとり舌でリズムよく音を鳴らして笑って過ごしていることが多い。
この子のルールとは、
・舌を使って音を鳴らすこと
・独自のリズムやテンポを使っていること
子どもがやっていること、言っていることをマネしてみましょう。
きっと、興味を向けてくれるはずです。
子どもの行為や気持ちを代弁する
ことばをある程度理解している子に対しては、その子のやっていることや気持ちを言語化してあげるのです。
「自分の気持ちを受け止めてくれている」と感じてくれるはずです。
友だちと遊んでいるとき。
みんな順番で玩具を使っているけれど、その子は待っていられない。
待つ意味も分からない。
そんな子に対して「ダメでしょ!」「順番だよ!」と注意を繰り返しても分かってもらえないのではないでしょうか?
大人は「そうだよね。やりたいんだよね。」と受け止めてみるのです。
そして「じゃあさ、君の順番までこっちで遊んでいようよ」と提案してみる。
それが、子どもの気持ちを受け止める支援なのではないでしょうか?
分かりやすいかかわりを
遊びや支援の際、子どもにどのような関わり方をしていますか?
「何だかうまくいかない」と感じることが多いのではないでしょうか。
そういうときこそ、大人は自分自身の関わり方を振り返ってみましょう。
・指示ばかり出している
・子どもの言うことを聞いているだけ
・傍観しているだけ
になっていませんか?
それではグダグダになるだけです。
わかりやすい関わりとはシンプルな関わり方のことです。
環境を整理しよう
環境とは、遊ぶときに周囲がどのような状態なのか?ということです。
どこを見ても玩具と本だらけ。
こんな施設は結構あります。
魅力的ではありますが、子どもは「今、何をすればいいのか?」分からなくなってしまいます。
障害が重い、もしくは、発達が初期段階の子ほど集中できなくなるはずです。
周囲に誘惑が多いと「今やるべきもの」を見失ってしまうのです。
シンプルな環境をつくることが「よい遊び&活動」の大前提。
特に「始まり(視点)」と「終わり(終点)」を意識的に作ってみましょう。
「何を」「どうやって」「どこまでやればよいのか?」「結果的にどうなるのか?」
たとえば、次のように考えることができます。
まとめとして
今回は、障害児施設で遊びや活動を行って「うまくいかない!」と感じたときに試してみるとよいことを説明しました。
まずは、目の前にいる子どものルールを知ることから始めるとよいです。
そして、そのルールに大人も併せてみましょう。
きっと見える景色が変わるはずです。
よかったら参考にしてみてくださいね。
◆参考文献