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障害児と支援者の「自己肯定感」を育てるポイント

自己肯定感、大人と子どもに違いはあるのか?

障害児保育では、普段から「あの子は自己肯定感が低い」という話しになることがあります。実際に障害を持つ子は、自己肯定感が低いことが多いです。しかし、この「自己肯定感」。概念も人によってバラバラです。支援目標に入れても評価しづらくて「ぼんやりした感じ」になりがちです。そこで、もう一度、自己肯定感について考えてみたいと思います。

 

 

 

 


1)日本人の自己肯定感

 

障害を持った子のはなしをする前に、まずは日本人の「肯定感」についてです。

このグラフは、世界の若者の自己肯定感の差です。

 

日本人の若者、特に中高生は自分に対する自信がない傾向があります。


支援者も「自分に自信がない」と感じているかもしれません。

 

 

自己肯定感が低い大人

 

自己肯定感が低い人の特徴として、

・相手から素直に受け取れない

というものがあります。

 

これは、他者から何かをしてもらっても

・なにか裏があるのではないか?

・相手の手を煩わせてしまった。申し訳ない。

・「使えないやつ」と思われているんじゃないか?

と考えてしまい、素直に喜んだり、感謝したりできません。

 

また、トラブルが起こるたびに

「私が原因だ。何とかしなくちゃ」

という過剰な責任感を持ってしまいがちです。

 

自己肯定感が低いと、心にブレーキがかかってしまい、一歩が踏み出せなくなります。

その結果、周りからはオドオドしているように見えてしまう。


どうしたらいいの?

どうしようもできない

がんじがらめです。

本当にどうすればいいのでしょうか?

 


自己肯定感を回復するためにできることは過剰な責任感をなくすことだと言われています。

 

shuchi.php.co.jp

 

「私のせいだ」と考えないように習慣づけていくことで、自己肯定感が回復していくのです。

 

子ども、特に障害もを持った子の自己肯定感は、大人と少し違います。

子ども自身でどうにかできる、という問題ではなく、大人(支援者)の介入が大切だからです。

 

 

 

2)子どもの「自己肯定感」を育てるために

 

1 自己肯定感(自己有能感)とは

 

自分自身を肯定的に捉え、ほめることのできる心の動きのことです。他の子たちとの比較して優劣を決めるのではありません。

「じぶんとしては、どうか?」という尺度です。

決まった基準はなく、様々な分類があります。今回は下記のように定義します。


◆他者を基準とするもの

 ⇒ 優越感、劣等感

◆自分の中に基準があるもの

 ⇒ 自己肯定感、自己否定

 

 

2 劣等感からみえてくるもの

 

「優越感」の反対語に「劣等感」があります。

例えば、お絵描きや積み木積みなどを、他の子よりも上手にできない子がいたとします。

その際に、自分と他児を比べるて「上手くできない自分」に劣等感を持つことがあります。上手にできる子に対して、ねたんだり意地悪をすることがあるかもしれません。


こういう子に対して、行動を正す、というか、「やってはいけない」ことを教える支援は大切です。しかし、それ以上に、その子の根底にあるものを探っていくことが必要です。それが自己肯定感(自己有能感)なのです。


これが育っていないと、素直に友達をほめることもできない。

 


上記のように考えてみると、

「問題行動をなくそう」という視点でしかみられなかったものが、

「こういう力を付ければ問題行動も薄れるのではないか?」というふうに考えられるようになります。

 

 

 

3 支援について

 

自己肯定感を育てるために私たちは何ができるのでしょうか?


① 問題行動と子どもを分けて考える

→悪いことをしたから悪い子、というふうに考えないようにします。

子どもの「問題行動」と、その子の「存在」を分けて考えます。

× 他児を叩くなんて、ひねくれた子だ

○「叩く」行為に対して支援を考える

 

② 子どもが自分で決められるよう助ける

→自分で選んで自分で決める。発達段階によっては選ぶことが難しい子もいます。

その場合には「より興味を向けるものは何か?」に重点を置きます。

感覚的に受け取りやすいもの、理解しやすいものは何か?それを把握しておく必要はあります。子ども自身が、自己選択や自己決定できるために「子どもが持っている力」「特性」「性格」を把握するところから始めます。


③ 達成感

→うやむやになりやすい、ことばのひとつです。

「成功体験」はひとつの事実です。「達成感」があることで「成功体験」に気づくことができるのです。。

ただ成功体験を用意するだけではなく、どうすれば気づけるが大切です。


④ 結果ではなくプロセスをほめる

→大人は、どうしても結果にばかり目がいってしまいがちです。

大人の働きかけのすべてが子どもの成功体験につながるわけではありません。

しかし、その子の努力やプロセスに対してほめることはできます。


⑤ 気持ちの共感に重点を置く

子ども一人の「達成感」だけ「自己肯定感」を育てようととしても難しいです。

・「うまくできたことね」と大人と共感すること

・「うまくいかなかったけれど頑張った」と認めてもらうこと

他者とのつながりが大切。そのための、大人の介入が必要なのです。

 

 

その他の支援方法

 

① 意図的な無視

ひとりでずっとしゃべり続けているケースがあります。すべて返すことが支援とは言い切れないです。

たとえば、おしゃべりに反応してもらえると嬉しくなって、逆に興奮してしまう子もいます。興奮すれば崩れる。遊びや課題も上手くいかなくなる。劣等感。という悪循環になりやすいのです。このような「優しい意図的な無視」もあるのです。

 


② 実感できるための工夫

 

肢体不自由のある子は、育ちの中で「できない」「身につかない」という面が強調されてきた場合が多いです。自己肯定感が弱い傾向もみられます。

限られた時間の中で「自分でできる」「自分で選べる」環境を設定して、身についた力を使って、自ら感じ取れる遊びや活動を進めることが大切です。それぞれ試行錯誤しながら支援していければと思います。

 

 

まとめとして

 

自己肯定感を高めるためには、

 

・大人は、自分の考え方(習慣)を変える

・子どもは、達成感を得られる場面を設定する、結果までのプロセスをほめる

 

自分でできるか、支援者の介入を必要とするかです。

難易度としては、客観的に考えられる分、他者の介入があった方が解決しやすいです。

大人も、ひとりでどうにか出来ないときには、誰かの助けを借りてよいと思います。

自分が思っているよりも、周囲は見方が多いです。

 

 

 

 

 あわせて読みたい

www.hana-mode.com

 

 

参考資料 

実践家(教師・保育者・支援者)へのメッセージ 
発達支援実践講座 支援ハウツーの編み出し方(学苑社)
木村 順 

 

自己肯定感を育てる特別支援教育 - 滋賀県総合教育センター
http://www.shiga-ec.ed.jp/www/contents/1438335663659/files/JikokoteikanTokubetuSien.pdf


内閣府 子ども・若者白書(平成26年版)
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html