言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

子どもに「だから言ったでしょ!」って言ってない?そんな注意の仕方はNG

「だから言ったでしょ!」という言い方がダメな理由

子どもは失敗や間違いをたくさんします。

危ない場面もありますし、ケガをすることもあります。

もしも、子どもが失敗したら何と声をかけますか?

「だから言ったじゃないの!」

こんな声かけをしていませんか?

これはあまり良くない声かけなのです。

障害がない子に対しても同じです。

今回は「だから言ったじゃない!」はなぜ良くない言い方なのか?というはなしです。

もっとよい言い方の例も紹介します。

 

 

 

子どもはなぜ失敗するのか?

子どもはたくさん失敗します。

大人から見て「余計」なことをたくさんします。

しかも、同じ失敗や間違いを何度もします。

・他者の真似をしてみたいから

・ひとりでやりたいから

・他のものに注意が逸れてしまうから

・身体の使い方がまだ上手ではないから

・大人から言われたからやっているだけだから

・上手くやるポイントが掴めないから

その他にも、子どもが失敗する理由なんて山ほどあります。

 

 

ダメな理由

失敗しそうな子どもに「危ない!」と声を荒らげてたところで何も解決はしません。

子どもが驚いて怖がるだけです。

「どんな行動が危険だったのか?」
「何が間違っていたのか?」

それを子どもに分かってもらうことが大切です。

大人が口で「ワーワー」言うだけでは何も伝わりません。

伝わなければ子どもはまた間違ってしまうでしょう。

大人が余計にイライラする悪循環になってしまうのです。

 

 

何な解決にもならないから

「だから」って何?

きっと「わたし(大人)は正しいことを言っている。」

「それを守らない あなたが悪い」

そう言いたいだけなのではないでしょうか?

でしたら「どうすればよかったのか」「これからはどうするとよいのか」を教えてあげたほうがよいです。

 

 

順序が違う

「だから〜」なんて言っていないで、やるべきことが他にあるはずです。

子どもに大人側の感情をぶつけるのではなく守ってあげる。

・ケガの状態を確かめる

・不安な気持ちになっている子を落ち着かせる

・二次的な被害が出ないよう対処する

などなど。

 

 

親だけではない

「だから言ったでしょ」

親御さんが使いがちな言い方です。

「親なんだからちゃんとしろよ」

イヤイヤ。そうではありません。

親以外の人も結構言っています。

そちらのほうがタチが悪いです。

 

おじいちゃん・おばあちゃん

・躾(しつけ)のつもりで言っているケース

・無意識的に言っているケース

大きく分けて2パターンあります。

「大人の言うのことには すべて従いなさい!」

昔ながらの古い考え方を押しつけているだけです。

悪いことは悪い、それは正しい。

でも考えてみてください。

自分の立ち位置を。

おじいちゃん・おばあちゃんが子どもに追い打ちをかけるようなことを言うのは間違っています。

もしも、親が子どもを叱っていたら、おじいちゃん・おばあちゃんは子どもの「逃げ場」になってあげると子どもは救われます。

 

支援者

保育職や先生でも「だから〜」と言う人はいます。

障害児施設のスタッフでも時々聞かれることばです。

特に障害を持つ子どもの中には、言われたことが理解しづらい子もいます。

「だったら、どうすべきか?」

社会的に通用する、安全なやり方を子どもに身につけてもらう。

気づいてもらうようにするのが「支援」です。

頭ごなしに叱りつける言い方では子どもの「自己肯定感」が低くなる一方です。

低すぎる自己肯定感は自傷行為や問題行動の引き金となります。

 

 

言い替えてみよう

「だから言ったじゃないの」がよい言い方でないことが分かりました。

では何と言えばいいのでしょうか?

例を考えてみました。

 

言い替えの例

・危ないことをしている子に
⇒「〇〇するのはよくないよ。△△ってしてみるといいんじゃない?」

・少しケガをしてしまった子に
⇒「大丈夫?このくらいなら平気だよ。すぐに治るよ。でも〇〇するのはよくないことだよ」


当然ながら、友だちに怪我をさせたり、他人の物を壊してしまったりしたときには 他者の治療や対応が優先となります!

 

第三者は特に気をつけよう

普段から親の言うことなんて聞かない子に親御さんが言ってしまうことはあるかもしれません。

「だから〜」と完全に言うなとは思いません。

親以外の大人たちは言わない方がよいです。

周りにいる人たちも聞いていて気分がよいものではありません。

もちろん、言われた子どもも。

 

 

まとめとして

今回は、子どもが失敗したときに「だから言ったでしょ」と声をかけるのは間違ってる、というはなしをしました。

この言い方は無責任だから他の言い方にかえたほうがよいのです。

躾(しつけ)も大事かもしれません。

しかし、子どもの「気持ち」を考えることも忘れてはいけないのです。

よかったら参考にしてみてくださいね。