言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児支援の会議が長くなる原因とは?本人たちは気づいていないだけ!

障害児施設の会議を短くするためのポイント

放課後等デイサービスのような施設では定期的に会議が行われています。支援に関するものや業務に関するものなど。なかでも「支援会議」は時間が長くなりやすい ものの ひとつです。

たくさんの職種があつまれば話しもはずみます。しかし、会議が長くなると、他の仕事に影響が出てきます。活動の準備もできなくなります。

こんかいは、障害児施設での会議について説明します。

・時間が長くなる原因

・早く終わらせるために

長い会議=良い会議でありません!無駄な時間をつくる原因を知って、みんなで早く家に帰りましょう!

 

 

 

障害児施設での会議の種類

会議には いくつかの種類があります。

支援に関するもの
・支援の目標を立てる、修正する
⇒ ex. 支援会議など

業務に関するもの
・スタッフの役割決め、改善
⇒ ex. 施設会議、支援員会議など

活動に関するもの
・イベントの立案、準備
⇒ ex. 支援員会議、スケジュール会議など

今回は、長くなりやすい「支援会議」について話しをします。

 

 

時間が長くなる原因

会議にはいくつか種類があることをお話しました。ではなぜ「支援会議」は時間が長くなりやすいのでしょうか?原因は次の通りです。

・感情で話しを進めるから
・論点がすり替わるから
・思い出話になるから
・意見を全員に言わせるから

それぞれ みていきましょう。

 

感情で話をするから

障害児支援の現場では、現在、どのくらい発達がすすんでいるのか?という評価をすることがあります。これが「発達段階」「発達年齢」と呼ばれるものです。子どもの様子から割り出したり、実際に検査を行ったりして判断します。

しかし、これに対して「この子の力はそんなに低くない!」と怒る支援者がいます。理由を聞いてみると「何となくそう思う」と言う。さらに「もっと できるはず」と言って難しい遊びや課題を提供している。

そういうタイプの支援者に悪気がないのは分かります。しかし、何となくで他職種の所見(子どもの見立て)を否定されても困るだけです。突然、会議の場で「そんなはずない」否定されても、会議の時間が長くなるだけです。

 

 

論点がすり替わるから

また、意外と多いのが「論点をすり替えられてしまう」というもの。話しが進まなくなるため、会議時間は伸びてしまいます。言っている本人は気づいていないことが多いです。

論点とは いま議論している内容のこと。

 

ex.

・子どもの支援や心情について話しているのに、準備や後片付けや大変だと強調する

・子どもの発達段階の現状を話しているのに「中学生だから絵本は読まないで」とか言う

・子どものことを話しているのに、自分の「有能さ」を語りだす

 

話しの流れが意図しない方向に変わったら、司会・進行の人が正す必要があります。

 

 

思い出話しに花が咲くから

結構多い、というか毎回あるのではないでしょうか?

子どもとの付き合いが長くなればなるほど「昔は○○だった」と、孫の成長を喜ぶ おじいさん・お婆さんのようになってしまいがちです。もちろん、入ったばかりのスタッフは置いてけぼりです。

支援会議で、成長した姿をスタッフ間で「情報共有」することは大切です。しかし、そこには「なぜ成長したのか?」「これから何をすればよいのか?」という分析を行う必要があるはず。

思い出話しは会議が終わってからやるのがよいです。

 

 

全員に意見を言わせようとするから

会議の参加者が増えると、喋る人が偏ってしまいます。なかには「会議なんだから全員発言すべき」と強制?する人もいます。

でも、待ってください。喋らない人って どんな人なのでしょうか?やる気がない人なのでしょうか?もちろん、違います。

 

・あまり関わったことがないので あまりよく知らない

・継続年数が長いスタッフの意見が強いから黙っているだけ

 

特定の子の会議にも、いろんなスタッフが参加しているのです。全員の意見を聞いても、特に良い案は出なかった。結局、会議時間が長くなっただけだった。というのは よくある話し。

確かに、意思確認のための多数決などで全員の意見を聞くケースはあります。しかし、全ての疑問に関して、全員の意見を求める必要はないのではないでしょうか?

 

 

会議を早く終わらせるために

障害児支援の会議を早く終わらせるために、何に気をつければよいのでしょうか?

 

会議の目的を考えよう

 

 

いま言わなくてもよいこともある

 

 

 

 

まとめとして

コスパ(コスト・パフォーマンス)・タイパ(タイム・パフォーマンス)ばかり考えていると、大切なことを見落としてしまいます。

そうではなくて、「子どもの状態や行動の仮説」や「支援の方向性」などの大切なことには、しっかりと時間をかけて話し合いをする。何が大切で、何がいまやらなくてよいことなのか、を考えながら会議を進めることが時間を無駄にしないためのポイントです。

会議が長引かないための5か条は次の通りです。

① 感情ではなく客観的に話そう
② 論点がすり替わったら元に戻す
③ 思い出話しは後で
④ 必ず全員に意見を言わせなくても ОK
⑤ いま言わなくてもよいこともある

 

有意義な会議を行うために、特定の人の意見が強くなりすぎないよう、「いま議論する内容なのか?」を考えながら進めていきましょう。

支援会議の目的は 子どもの支援をより良いものにしよう!です。

 

よかったら参考にしてみてくださいね。