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肢体不自由の子の筋緊張について【放課後等デイサービスのスタッフが知っておきたいこと】

緊張?筋緊張?

肢体不自由の子と関わるときに、避けては通ることができない緊張・筋緊張の問題。

筋緊張が強過ぎて泣き出す子や、逆に弱過ぎてひとりで座っていられない子など・・・。子どもによって様々です。私たちは、そんな子たちに何をしてあげられるでしょうか?今回は、筋緊張のはなしです。

 

 

 

 

緊張・筋緊張とは?

 

私たちは、無意識的に身体をまっすぐに保つことができます。これは様々な筋肉が微妙なバランスで緊張を保っているからです。止まっているときだけでなく、動きているときも同様です。

保育では、「緊張」「筋緊張」は良くない意味で使うことが多いです。

例えば、脳性麻痺の子。本人が意図していないにもかかわらず、筋肉に力が入ってしまう状態です。そういう子の手足を他者が動かそうとすると抵抗を感じます。脳性麻痺の子たちは、自分の筋肉をうまくコントロールすることができないために、姿勢のバランスを保つことができないのです。

 

 

「緊張」?「筋緊張」?

 

どちらもだいたい同じ意味です。正直、どちらのことばを使ってもよいと思います。しかし、どっちのことを言っているのか、言っている本人が把握することが大切です。

 

「緊張」

① 体や心が張り詰めた状態にあること(心理学)

② 筋肉の収縮運動(生理学)


肢体不自由児の身体の状態を表しているのは、②「筋緊張」です

 

例えば、脳性麻痺の子が、心が緊張すると必ず筋緊張が起こるかといわれると、そうではありません。ただ、心が緊張していると、身体の筋緊張が促進したり、脱力しにくくなったりすることは多くあります。

「筋緊張」が、心の問題だけで起きているのではないということがポイントです。

 

 

強過ぎても、弱すぎても問題は起こる


筋緊張が強くなり過ぎる(亢進する)と・・・

1)楽に座わることや寝ることができない

2)思うように手足を動かせない

3)着替えや移乗の介護負担が大きい

4)疼痛、不機嫌や不眠をみる

5)長期的に手足や脊柱が変形する

6)呼吸障害や胃食道逆流症を合併する

などの問題が生じます

 

筋緊張が弱すぎると・・・

1)立ち止まっていられない

→動き回る。実は走っているのは運動神経がいいからではなく一つ一つの動作を止めることができないからなのです。

2)おなかを突き出したようなかっこうで立つ

3)偏平足(いわゆる「べた足」)

4)よだれが垂れやすい

 

などがあります。脳性麻痺以外の障害の子たちにもよくみられるものです。

 

 

治療法ってあるの?

 

1)経口筋弛緩薬

脳から筋肉へ、緊張や弛緩などの命令が下っています。脳性麻痺の場合、この命令が正しく行われていないことがあります。過度な緊張が続くと頭痛や肩こりなど、二次的な問題が生じてしまいます。この過度な緊張を緩和するためのものです。
ex. ジアゼパムとチザニジン、経口バクロフェンなど。


2)ボツリヌス療法

ボツリヌス注射、ボトックス注射のことです。運動神経の末端の働きを麻痺させて、筋緊張を緩めるためのものです。この療法は、重篤な副作用は少なく比較的安全な治療と言われています。治療効果は一時的なものです。そのため、2~3ヶ月もしくは4~6ヶ月ごとに治療をします。個人差や注射を打つ場所によっても効果が変わってきます。

 

3)脊髄後根切断術

神経を切断して、足の筋緊張を軽減する手術です。運動神経ではなく、感覚神経を切断するので運動麻痺は起こりません。ボツリヌス療法では対応しきれない、下肢の強い筋緊張に適応される術です。一度切断することで、永続的に効果が持続します。

 

4)バクロフェン髄腔内投与療法

薬液が入ったポンプを身体に埋め込み、そこから脊髄へ薬液を送ります。筋緊張、痙縮を軽減させます。薬液の補充や、電池切れによるポンプの入れ替え等が必要です。

 

※上記の治療は、筋緊張を軽減しますが、運動麻痺を治す治療ではありません。

医療的な処置で一時的に身体が柔らかくなったとしても、動かさないでいると関節の可動域(動く範囲)が徐々に狭くなります。それが、拘縮・変形などの原因となります。術後も、適切に身体を動かしたり、装具を使用するなどの対応が欠かせません。

 

日本小児神経学会 小児神経Q&Aより引用
https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=18

 

 

 

私たちができること

 

① 緊張が強過ぎて脱力できないとき


・ 手足の指先を「ほどく」。

→ 基本的に人間は、どんなに緊張していても「末端」が緩めば全身も緩みます。例外はいます。たくさんいます。

・ 膝や肩など、大きな関節を動かしてみる

→ 無理やりはダメです。

 


② 声かけ

 

優しく、急かさず、が鉄則です。

※タイミングや子どもの身体を触り方によっても効果は変わってきます。
お互いに「どうにかしなくちゃ!」となっているケースがあります。大人は落ち着いて、待ってあげるとよいです。

  

 

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