医療的ケア児と障害児の違い
最近、よく耳にする「医療的ケア児」。
医療的な治療(ケア)が必要なことは、なんとなく分かるけど・・・。
障害児と何が違うの?
今回は「医療的ケア児」と「障害児」の違いについて
医療的ケア児とは
医療的なケアが日常的に必要な子のことです。
医療的なケアとは
・経管栄養
⇒ 口から食べ物を食べられない子。
チューブなどを使って直接胃や腸に栄養を送ります。
・吸引
⇒ 痰を自力で出せない子。
のどに痰が詰まると呼吸ができなくなります。
チューブを使って痰を取り除きます。
・気管切開
⇒ 自力でうまく呼吸ができない子。
のどに穴をあけて、気道確保をします。
痰吸引に使うこともあります。
・酸素吸入
⇒ 自力でうまく呼吸ができない子。
肺に酸素を入れることで人工的に呼吸をさせます。
24時間つけなくてもよい子もいます。
・人工呼吸器
⇒ 自力でうまく呼吸ができない子。
酸素吸入で酸素を取り入れることはできる。
しかし、二酸化炭素を充分に出せない子。
子どもによっては、NICUなどに長期入院していた経歴の子もいます。
医療的ケアの必要な子は、年々、増え続けています。
分類はあるの?
移動が困難であれば「肢体不自由児」、知的な遅れも加われば「重症心身障害児」などに分類されることがあります。なかでも、医療的ケアが必要な子の場合「超重症心身障害児」と呼ばれることもあります。
分類のイメージとしては・・・
大分類 ⇒ 肢体不自由児
中分類 ⇒ 重症心身障害児
重症心身障害児って?
超重症心身障害児
重症心身障害児(重心)に加えて、医療的ケアが必要、などがある場合には「超重症心身障害児」と分類されることがあります。定義はいろいろありますが、下記の通りです。
超重症心身障害児(者)とは
介助によらなければ座位が保持できず、かつ、人工呼吸器を使用す
る等、特別の医学的管理が必要な状態が6月以上継続している状態
岩手県HP 重症心身障がい児・者等の定義https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/943/4-3-3.pdf
「医療的ケア児」 と「障害児」は何が違うのか?
まとめとして
「障害児」
⇒ 脳性麻痺や自閉症、ダウン症など、なんらかの障害がある子の総称。
医療的ケアを、まったく必要としない子もたくさんいます。
知的な遅れの有無は、障害や個人によって異なります。
「医療的ケア児」
⇒ 医療的なケアが必要な子。
脳性麻痺のような障害である子もいます。
しかし、重い内部疾患で、その他の障害がない子もいます。
そのため
「障害児」=「医療的ケア児」とは言い切れないのです。
参考資料
◆全国医療的ケア児者支援協議会
http://iryou-care.jp/about/
◆医療的ケア児に関する施策について - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000553177.pdf
◆あおぞら富谷仙台ブログ
人工呼吸器の理解のために(1):酸素吸入と人工呼吸器の違い
https://aozoracl-tomiyasendai.com/1088/
◆独立行政法人 環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/oxygen/
◆医療的ケア児に関する施策について - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000553177.pdf
◆障害者の範囲 (参考資料) - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1031-10e_0001.pdf