言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

食事介助への拒否について。食が進まないのには原因がある!

なぜ食事が進まないのか?

障害を持つ子のなかには、食事介助が必要な子がいます。 

介助していても食事がなかなか進まないことがあります。

それが続くと痩せていってしまいます。

ただ「食べたくない」というだけではなくて、何かしらの原因がありそうです。

今回は、食が進まなくなった時の原因についてはなしをします。

 

 

 

障害を持った子への食事介助

障害を持つ子への介助はポイントを抑えることが大切です。

・食べるペース
・食べ方

を知ることで、ある程度はスムーズに介助をすることができるようになります。

それによって、子ども自身も安心して介助をさせてくれることが多いです。

しかし、時として食が進まなくなることがあります。

いつもはよく食べるのに・・・。なぜ?

介助者は自分のやり方を疑うかもしれません。

 

そういうときには考えてみるとよいことがあります。

 

 

原因として考えらえること

食べてくれない原因としては

食欲がない
好き嫌い(嗜好)の問題
覚醒レベルの問題(眠気が強すぎる等)
筋緊張が強すぎる
呼吸の問題

などがあります。それぞれの原因をみていきましょう。 

 

 

1)食欲がない

2つが考えられます。

・ただ単にお腹が空かない
・好き嫌い(嗜好)

日常的に車椅子を使っている子は一日動かないこともあります。もちろん食事の間隔が短いとお腹も空きません。

また、ただ単に好き嫌いで拒否していることもあります。

 

2)覚醒の問題

薬や障害の影響で眠気が強い子がいます。しかも、それが食事時間に重なると、介助者はどうしようもなくなります。普段は上手に食べている子でも、ウトウトしたりぼんやりしている状態ではのどに食物を詰まらせてしまうこともあります。

半分寝ているのに無理やり食べさせるのはやめましょう。事故の原因になります。

 

※覚醒とは?
⇒ 目が覚めていて、意識がはっきりしている状態。障害を持つ子の場合、普段から覚醒が低い(はっきりしていない)ことがある。

 

3)筋緊張が強すぎる

過度に筋緊張が強くなってしまい、口や姿勢のコントロールがうまくいかないことがあります。食べたくても食べられない状態です。

いつもは食べられている食材の「硬さ・大きさなど(食形態)」が、筋緊張のため処理できないという場合もあります。その場合は、軟らかくしたり、少しカットしたり加工して対応します。

 

※筋緊張とは?
⇒ 私たちの身体には数多くの筋肉があります。筋肉たちが協力し合うことによって手を伸ばす、足を曲げる等の運動ができているのです。筋肉同士のバランスもとれているのですが、障害がある子の場合、過度に緊張が入ったり、逆に力が入りにくかったりすることがあります。力が入り過ぎて動きにくくなってしまっている状態を「筋緊張」とよびます。詳しくはこちらの記事もどうぞ。

www.hana-mode.com

 

 

4)呼吸の問題

「呼吸」状態が悪いために食べられないということも考えられます。

息苦しくて食事処ではないという状態です。

流れとしては下記の通りです。 


呼吸状態が悪くて疲れてしまい、充分な食事量が摂れない
 ↓
痩せていく
 ↓
無理やり食べさせる
 ↓
本人は苦しい
 ↓
食事をのどに詰まらせる

 

呼吸の状態をみながら食事介助を進めることが大切なのです!

***

呼吸のチェック

① 呼吸数
・12~18回/分  ⇒ 正常
・20回/分    ⇒ 頻呼吸

② 呼吸のパターン
・嚥下時は呼吸が一瞬止まる
 ⇒嚥下後は呼気で再開する(嚥下前は吸気となる)

※ 飲み込む際に呼吸が止まるのは1秒未満(0.6秒程度)と言われています。
※ 呼吸の数がいつもよりも増えればそれだけ疲れてしまいます。

 

 

その他

食事介助の方法が悪いから食べてくれないということもあります。

・ペースが速すぎる
・一口量がやたら多い
・雑過ぎる

食事介助が必要な子は、カットしたり潰したり、食材を加工しなければならないことがあります。

グチャグチャにならないようにしてあげたいです。

ある程度は仕方がないのですが・・・。

自分だったらそれを食べたいですか?

 

 

まとめとして

今回は、食事が進まない子の原因についてはなしをしました。

食事介助中は、子どもの食べる様子をよく見るだけではなくて、その原因も考えながら食事を勧めていくのがよいです。

ぜひ参考にしてみてください。