ネット上で意味を取り違えてがちなことば
「障害児」と「知的障害」が同じだと思っている人は結構います。
「アスペルガー」と「知的障害」を同じものだと思っている人もいます。
どちらも同じものではありません。
それでは、何が違うのかを見ていきましょう。
違いは?
× 障害児 = 知的障害
× アスペルガー = 知的障害
イコールではありません
障害児と知的障害 ⇒ 分類の大きさが異なる
アスペルガーと知的障害 ⇒ 前提の症状が異る
障害児
障害を持った子の総称です。何らかの原因によって、脳の機能や身体の期間にダメージを受けたために、日常生活や社会生活に制限を受けている状態です。そのうち未成年の子をさします。
知的障害児
何らかの原因によって、脳の機能がダメージを受けると、思うように発達が進んでいきません。そのため、同年代の子と比べると、考え方やことばの使い方などに遅れがみられることもあります。そのため、日常生活や社会生活に制限が現れます。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群って?
自閉症のような、
・社会コミュニケーションに困難さ
・狭い興味や反復した行動
などは持っています。
しかし、
・知能も比較的良好
・ことばの機能も充分
アスペルガーは、このような、知的機能が低くないタイプの自閉症(のひとつ)です。
アスペルガー症候群(の分類)は消えた?
近年、障害分類の改定により、アスペルガー症候群が消えました。
・DSM-Ⅴという、アメリカ精神医学会が作ったもの
・ICD-11という、WHOが作ったもの
アスペルガー症候群という名前はなくなっています。
すべて「自閉症スペクトラム症」というものの下位分類に含まれました。
しかし、完全になくなったわけではありません。
アメリカ以外の国では、いまも使っている国はあります。
まとめ
障害や疾患などのことば使うときには、違いや使い方を知っておいた方がよいです。
もしも、自分の知識が曖昧なときには、
・どんな障害なのか?
・どんな症状があるのか?
・どんなことに困っているのか?
などを調べてみることをお勧めします。
あやふやなまま使ってしまうと、その障害を持つ子や家族に失礼です。
間違えに気づかず、ドヤ顔で使い続けるのは、とても恥ずかしい。
この機会に整理できればと思います。
参考資料
◆児童福祉法(昭和22年法律第164号)
http://roppou.aichi-u.ac.jp/joubun/s22-164.htm
◆障害者基本法( 昭和45年05月21日法律第84号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83001000&dataType=0&pageNo=1