言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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障害児保育では、遊びの流れコントロールしたほうがよいのか?

主導権について

 

子どもと関わるときに、子どもに自由にやってもらうときと、すべて大人が仕切るときとがあります。特に障害を持った子と遊ぶときは、子どもの自主性は重んじたいけど、大人が介入しないと、取っ散らかってしまう。こんな悩みは多いと思います。では、障害児保育では、どのくらい遊びの流れコントロールしたほうがよいのでしょうか?

 

 

 

 
1)子どものペースにどのくらいあわせるのか?

 

子どもが遊んでいるときに大人が介入することがあります。その際、「自由にやらせてあげたい」「子どもに合わせなくちゃ」と、子どもが「やりたいこと」を「やりたいように」やらせているだけになってしまうことはないでしょうか?
 

子自身が受け入れられる幅が狭いです。だからといって、すべてをその子の原則(特性や性格、ルールなど)に、大人が合わせていくことは必要です。しかし、それは「子どもの求めるものだけを与え従う」「子どもの言いなりになる」ということではありません。

 

  

2)子どもの「できること」「できる動き」を活用する
 
障害を持った子の場合、いつもヒモを持って振る、手に持ったものを口に入れる、というように、遊び方が極端に限られているケースがあります。特に、発達的に初期段階の子の場合、叩く、引くなど、動き自体にバリエーションが少ないです。 そこで、“いま、その子が持っている動き”を使って遊ぶ経験を重ねていきます。

例えば、
 
・ヒモを振るだけの子
→ヒモの先に鈴を付けてみる、ヒモの材質を変えてみる、ヒモに似たものを振ってもらう

・ものを掴むが握って放すだけの子
→いつも掴んでいるものとは異なる素材(ツルツル、ザラザラ、フワフワなど)を握ってもらう

・常同的に手を振っている子
→手を振り下ろす先に風船を用意しておく
 
“いま、その子が持っている動き”は、その子が持っている大切な「手段」です。それを使って「気づき」を促していくことが、発達を深めたり拡げたりするために欠かせません。これが、保育者・利用者が狙うべき第一歩となります。

子どもの「楽しい」に合わせて、プラスアルファで
こうやったらもっと楽しいのではないか?
これに気づいたら、もっと楽しくなるのではないか?
というように遊びを組んでいきます。

目の前にいる子がやりたいようにやらせるだけではなく、遊びの流れを支援者がコントロールすること。意外と見落としがちなことです。支援者が主導権を握るということは意味のあることなのです。
 
 

発達障害やダウン症の子の場合は?

 

それでは、重症心身障害児“以外”の子の「主導権」はどうなのでしょうか?主に、ダウン症、自閉症などの、いくらか喋ることができている子を想定しています。ここでの答えも

 

・「主導権をすべて子どもに渡さない」

・「大人が主導権の量を操作する」です。

 
 
子どもの家来になっていない?
 
肢体不自由の子と違って、ダウン症や自閉症の子たちはたくさん動きます。「今はそれをする時間じゃない!」と言いたくなることもあるのではないでしょうか?また、一緒に遊んでいるはずなのに、うまく噛み合わない。感じたことがあると思います。
 
・大人からの提案を「いいの」と拒み、自分のやりたいように進める子
・大人をからかうことが、やり取りの手段になっている子
 
放課後等デイサービスの保育中に多く目にすると思います。こういう子と接するときに主従関係ができてしまっているまま、保育を進めている人がいます。あえてやっているのなら、よいと思います。大人が何を言っても「いいの」と、自分のやりたいことやルールだけの限定した遊びを繰り返すだけでは「気づき」は生まれにくいと思います。
 
・もしかしたら、その子には、大人が提案したものをやる自信がないのかもしれません。失敗することを嫌う子に多いです。
・もしかしたら、大人が提案したもの自体を認識・理解をしていないのかもしれません。
・もしかしたら、今もしくは次に「何をすればよいのか」が分からないから、今やっていることを続けているのかもしれません。
・もしかしたら、終わりを作ることができずにいるのかもしれません。
 
他にも「もしかしたら」はあるはずです。 この「もしかしたら」という仮定を考えることなく、子どもの言う通りに動いてしまっては、「(子どもが)他の楽しいものに気づくチャンス」を用意してあげられないのです。
 
 
どのくらいの難しさがちょうどよいのか?
 
目の前にいる子に合った遊びや活動を提供する。ちょっとだけ支援者がお手伝いをしてあげることで乗り越えられる課題を用意する。 子どもには、本人が感じたまま思いっきり遊んでもらうことも大切です。しかし、それでは乗り越えられない壁ができたままになっているケースもあるのです。主導権という考え方。ちょっと頭の片隅に置いておくと支援が変わります。