言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

支援員も保育士も看護師も。誰でも障害児支援の“プロ”になれる方法

支援職のプロってどういう人のことを言うのだろう?

子どもが拒否した。うまく関われない。
そんなとき「経験が足りないから…」「資格がないから…」と思ってしまいがちです。でも本当に大事なのはそこではありません。

障害児支援の分野にはたくさんの職種がいます。
支援員以外にも、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などなど。職種によって使う知識も手技もバラバラです。資格を持っている人もいれば、持っていない人もいます。やる気のある人もいれば、ない人もいます。

ただ、親御さんから見れば、施設のスタッフはみんな「プロ」です。

今回は、障害児支援の分野で、本当に「プロ」はどのような人のことを言うのだろう?という話しです。誰でも今日からできるポイントもあわせて紹介します。

 

 

 

仕事を丁寧にできるプロたち

障害児支援のプロとは、「あたりまえのことを丁寧にできる人」のことをさすのだと思います。
素人の人たちが、何となくやっている工程でも、プロの人はしっかりと丁寧に行います。何年も繰り返し同じ作業を行ってくると、実行も早くなります。

「なぜ、いま、この作業を行うのか?」
「どのような意味があるのか?」

それを熟知しているのがプロです。支援の仕事では、派手な成果よりも「日々の積み重ね」が子どもに反映します。

わたしたちの身の回りにもプロがたくさんいます。

ex. 警察官

先日、白バイのお巡りさんが信号待ちの後、毎回、しっかりと左右を目視してから出発していました。
当たり前のことかもしれませんが、安全のために丁寧に確認を行っていました。

ex. 職人さん

口は悪くても、仕事はとても丁寧。普段はがさつだけれど、仕事のときは繊細。そんな人も多くいます。

 

 

資格の役割

資格保有者には その職種の役割があります。

・PT OT ST⇒リハビリを行う
・看護師 ⇒医療的ケアを行う

その職種にしかできない業務を行います。

 

 

プロとしての姿勢

障害を持つ子が目の前にいたとします。障害児と関わった経験がない人の場合、「障害児は障害児」と”ひとくくり”にしてみてしまう傾向があります。

普段から障害児と関わる人であれば「障害児だって個性や特徴が 一人ひとり違う」ということを知っています。さらに、プロであれば「同じ障害であっても、一人ひとり対応が異なる」ことを念頭に置いて支援を行なうことができます。

 

 

資格を持っていれば支援のプロなのか?

資格保持者=支援のプロ、と考えていませんか?しかし、これら2つはイコールではありません。
資格は「“できる業務の範囲”を示すものであり、“支援の質”を決めるものではありません。

 

 

障害児をみるときのポイント

障害児支援のプロは「どうすれば、目の前にいる子を理解できるか?」を常に探っています。子どもを「みる」ときにのポイントは次の通り。

 

ポイント!

「丁寧さ」+「子ども理解」+「意図を持った働きかけ」

 

どうしても、リハビリ職や看護師など、特定の資格保持者だけがプロだと思われがちです。しかし、保育士や支援員の人もプロです。資格を持っていない人もプロです。

資格なんて必要ない、と言っているわけではありません。
資格の有無とは別に、その人「どのように仕事にのぞんでいるか?」という考え方が大切なのです。

 

 

支援の意味を理解しよう

「丁寧に仕事をする」こと以外に大切なのが「意味を理解する」ということです。いま、あなたがやっている仕事や作業には「どのような意味があるか」考えたことがありますか?

ただ言われたことをやるだけなら誰にでもできます。そうではなくて、自分が「やっていること」に対して「なぜ?」と思ってみることが大切なのです。

 

例1「なぜ、こんなことをするのか?」

 

ex. ① 手を振り払ってしまう

考えられる理由の例:
・触覚刺激に過敏で、急な接触がストレスになった
・自分のペースでやりたい気持ちが強い
・次に何をされるのか予測できず、不安になった

⇒ 支援への示唆:
触る前に声をかける、視覚で見通しを伝える、理解できる環境や材料を用意するなど

 

例2「なぜ、この順番で支援するのか?」

 

ex. まず“落ち着く”→“課題に取り組む”の順にする

考えられる理由例:
・情緒が不安定なまま課題に入っても、集中が続かず成功体験になりにくい
・予測しやすい流れを作り、安心した状態で課題に向かえる
・生理的安定(姿勢・感覚)が、認知的課題の土台になる

⇒ 支援への示唆:
いきなり机上の課題に入らず、まずトランポリンやペグ刺しやふれあい遊びを行ってから課題を始める

 

例3「なぜ、同じ活動を続けてやるのか?」

 

ex. 毎回、様々な素敵な活動をやってあげたいが拒否される

考えられる理由例:
・活動の意味が分からず、何をやっていいのか分かりにくい
・子どもが安心して取り組めるものを考える
・大人の嗜好を押し付けてしまっている

⇒ 支援への示唆:
同じ内容、同じ場所、同じ流れ、というのは「見通し」を立てやすくなります。これによって理解や情緒面の安定を促すことができます

 

例4「なぜ、この声かけをするの?」

 

ex. わたしが声かけすると子どもが怒ることがある

考えられる理由例:
・ことば数が多く、子どもに伝わっていない
・使用している単語が難しく、子どもが理解できていない
・大人が「言えば分かってくれるはず」と思い込んでいる

⇒ 支援への示唆:
子どもの理解度に合わせて声かけを行うことが鉄則。また、子どもが反応する前に大人が話し始めてしまうと、子どもは嫌になってしまう。

 

あなたが今日からできる“プロへの一歩”

 

障害児支援のプロとは、特別な資格を持つ人ではなく、目の前の子どもに必要な支援を、丁寧に、意味を理解して行う人のことです。そこで働く人たちは、みんな「プロ」なのです。

まだ働き始めたばかりの人でも、プロに近づける考え方があります。それがこれらです。

・子どもの行動の意味を考える
・一つの工程を丁寧に行う
・なぜこの支援を選ぶのか言語化してみる
・小さな変化を見逃さない
・他職種と視点を共有する

これだけで、支援の質は大きく変わります。

 

 

 

まとめとして

今回は、障害児支援の「プロ」は どのような人なのか?という話しをしました。

「丁寧さ」+「子ども理解」+「意図を持った働きかけ」

普段から丁寧に、考えながら仕事を行っていきましょう。

あなたが今日行った小さな“丁寧さ”が、子どもの未来を変えるかもしれません。ぜひ、現場で働く皆さん自身の“プロとしての姿勢”を、改めて見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

明日、どの場面で“丁寧さ”を出してみようか?
どの子どもの“意味”を読み取ってみようかな?

よかったら参考にしてみてくださいね。