言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできること、役割を探っていくブログです

障害児保育でイライラしたときの対応のポイント!

怒りをどこに持って行けばいいのか?

チームで動く障害児の療育分野では、多職種との連携が多く、思い通りにことが進まないこともあります。自分の思いと周囲の考えの差が生まれてしまうことも。

仕事をしていると、子どもや同僚と関わっている際に「イラっと」してしまうことはあります。しかし、支援者が感情に任せて怒っていては仕事になりません。今回は「怒り」についてです。

 

 

専門職とストレス

興味深い研究がありました。

『リハビリテーション専門職と職業性ストレスの関係について』という論文で、PT、OT,STのストレスの違いを調べたものです。

結果は、どの職種も心理的な仕事の負担には差がみられませんでした。しかし、OTだけ、ストレスを感じている値や、疲労度が高かったのです。

この論文では、PTには身体の領域があり、STには言語の領域があります。しかし、OTはどちらつかずな領域が多い。そのため、PTやOTにお伺いをたてながら仕事を進めることになり、ストレス値が高くなっているのではないか?と考察していました。

ストレスは
・自分の内側にため込む
・周囲にイライラを向ける

あらわれ方はこの2パターンです。

 

 

  

自分は正しいという思い

さらに、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(中野信子)では、

 

人は、なぜ他人を許せないのか?

中野信子 アスコム 2020年01月27日頃
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怒りの根底には正義がどこにあるのか?が関係していると言っています。

 

社会的に「正しいこと」にあてはまらないものごとには怒りを感じる。

正しい=正義

自分の考えることは正しい

相手が間違っている

怒る

「正義」を掲げているので、自分に非はない!

怒りはエスカレート

 

 

対応として

そんな時に私が心がけているのは、下記の2点です。

  

他のスタッフに対応を変わってもらう

ひとりで全てやろうとしても、上手くいかないことはたくさんあります。子どもとの相性の問題もあります。しかし、そのまま、お互いに怒っているよりは、対応を変わってもらって、自分がクールダウンする時間を作ることも大切です。他の人と変わってもらうことは、悪いことではありません。

 

視点を変える

「なんでこの子は、私の言うことを聞いてくれないの?」

・・・聞いてくれるわけがありません。

だって、今のその子にとって、大人の言うことを聞くメリットを感じていないわけですし。 そんな時は、視点を変えてみると良いです。子どもが余計なことばかりしていたら、

「何でそんなことをするのか?」
「原因は?」
「前後や周囲との因果関係は?」

など。そういう風に考えてみると、怒っている暇はなくなります。
 

 

なぜ許せないのか客観的に振り返ってみる

「なぜ自分はイライラしたのか?」を客観的に考えてみます。そうすることでクールダウンすることができます。

その場では難しいかもしれません。そういうときは保育が終わってから、ゆっくりと考えて、次回に備えるのでもOKです。

 

私は、自分が実際に「怒りそうな」場面に遭遇した時、上記の3つが有効でした。

 

 

まとめとして

ストレスと怒り。自分でも気が付かないうちにこの2つはやってきます。

周囲の人間がイライラしているのは分かりやすい。しかし、自分がイライラしているのには自分でも気づかないことも・・・。

そんなときには
・自分がなぜイライラしたのか考えてみる
・ストレスにさらされる場を離れる
ことが大切です。我慢し過ぎは身体にも心にも毒です。

特に障害児分野はチームで動いているので、周囲の人たちと助け合うことがポイントです。

また、日ごろから他の職種の人たちの悩みやストレスを理解するようにしましょう。こちらが相手を理解すれば、相手もこちらを理解してくれるようになってきます。これも、みんなで気持ちよく働くために必要なことです。

 

 

参考資料

キレる!

中野 信子 小学館 2019年05月31日頃
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リハビリテーション専門職と職業性ストレスの関係について
日置 久視,井奈波良(平成 30 年 2 月 7 日受付)

http://www.jsomt.jp/journal/pdf/066060459.pdf

 

 

投稿日:2018年10月14日

更新日:2020年4月7日