言語聴覚士は放課後等デイサービスで何ができる?

放課後等デイサービスで言語聴覚士(ST)としてできることを模索しています

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給食の食形態ってなに?お粥にすると噛む力は弱くなるの?障害児と食形態のはなし

軟らかいものばかり食べさせられて心配です

 

 

学校給食では、子どもの食べる力によって食形態(初期食、中期食、後期食など)が決められています。

これらの食材は、

子どもの現状にあった硬さや大きさに加工してある

次の段階を意識したものであること

というような、今度、どのような力をつけてもらいたいのかという意味合いも含まれています。

保護者やスタッフの思いは
大人と同じものを食べさせてあげたい

気持ちは分かります

なぜ、この食形態のものを食べているのか?が理解できないと
このままでは噛む力が弱くなるのではないか?
と考えてしまうかもしれません。

そもそも食形態って何なのでしょうか?
お粥ばかり食べていると噛む力が弱くなるのでしょうか?

 

 

 

 

 

食形態って何だ?

そもそも「食形態」って何なのでしょうか?

学校給食は、どの子も基本的に同じメニューです。しかし、まったく同じものを提供してしまっては上手く食べることができません。そのため、子どもの「食べる力」によって食事の形態(硬さ・大きさなど)が決められています。

それが「初期食」「中期食」「後期食」というような形態食・嚥下食と呼ばれるものです。この形態食は、歯科医師もしくは栄養士や言語聴覚士などによって決められることが多いです。

私たちが普段食べている食物の硬さ・大きさ(形態)は「普通食」と呼ばれています。

これと比べると形態食は見た目から違っています。

例えば

初期食 ⇒ ヨーグルトくらい

中期食 ⇒ 絹ごし豆腐くらい

後期食 ⇒ バナナくらい

こんなに軟らかいのです。

そのため、

こんなに軟らかいものばかり食べていたら咀嚼(そしゃく)の力が落ちる。

と考えてしまう保護者やスタッフもたくさんいます。

 

 

 

ポイントは舌の動き


私たちが食べるとき、すべてを噛んで処理しているわけではありません。

舌と口の天井(口蓋)で押し潰して食べる

これが意外と抜け落ちがちな視点です。

食べるためには舌の動きが重要です。舌の動きは

① 前後に動いて ⇒ 食物を喉の奥へ送る

② 上下に動いて ⇒ 舌と口の天井(口蓋)で食物を押し潰す

③ 左右に動いて ⇒ 舌を使って食物を歯に乗せる

 



という順に獲得していきます。

これらができて、はじめて「噛んで食べる」方法を獲得していきます。

いま、どの段階で、次に獲得する力は何か?が大切です。

 

 

 

本当に食べられているの?


噛んで食べていると思っていたけれど、実際には押し潰して処理していた

このようなこともあります。

この子はどうやって食べ物を処理しているのか?という視点から探っていくとよいです。

もしも見ただけでは分からなければ、一度、専門職に相談してみるのもよいでしょう。

いままで日常的に唐揚げを提供していたけれど、丸飲みしていたのかもしれないのです。考えただけで恐ろしい・・・。それでは食べられているとは言えないのです。

 

 

 

まとめとして

子どもに合った食事とは・・・

・「食べる力」に合ったものを提供する

・次を見通した食形態にする

これが鉄則です。

子どもの食べる力に合わせた食形態であるならば、お粥にしたからといって噛む力が弱くなることはありません。


「ちょっと硬いやつで練習して見ようか」

保育中にチャレンジさせようとする人がいるかもしれません。

例えば、

× 普段よりも硬いものを食べる練習

× なんとなく、とろみをつけないで飲む練習

医師の指示や指導もなく、ただの気まぐれでやってよいことではありません。

指示や指導があるのならば、それを実行できる人も必要です。

食事の支援で一番のポイントとなるのが安全に食べられるものの提供です。

特に放課後等デイサービスなどの福祉施設では、医師が常駐していないところがほとんどです。こういった施設では、食事は慎重に安全に進めていく必要があります。 

 

 

 

 参考資料

 ◆特別支援学校小学部の食指導環境の調査
  中嶋里香
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2019/007804/010/0343-0353.pdf

◆知的障害特別支援学校教員が捉えている食支援への課題
-アンケートの記述内容から-
星出てい子、中村 勇
http://www.ipu.ac.jp/image/04_C0B1BDD0A4C6A4A4BBD2BBE1.pdf