障害を持つ子と周産期医療 名称の確認
周産期(妊娠22週から出生7日未満)に何らかのトラブルがあり、障害が残ることがあります。
特別支援学校や放課後等デイサービスに通っている子のなかにも、周産期に病院で治療を受けていた子がいます。
そのときに入るのが「NICU」です。
療育の現場でも聞くことがあると思います。
それに関係することばに
・GCU
・ICU
・PICU
などがあります。
実際に携わっていた人以外には、わけが分からなくなります。
今回は、それらの言葉を整理していきたいと思います。
日本の周産期医療
周産期は、新生児仮死など、母親や赤ちゃんの命に係わる問題が起こる可能性が高くなる時期と言われています。
近年では、医療の進歩により、新生児の死亡率が低くなっています。
他国も年々低くはなっていますが、日本はダントツで低いです。
名称の整理 NICU? GICU?
生まれてすぐに、集中的な治療が必要なケースもあります。
・予定よりも早く生まれてきて子(早産児)
・体重が極端に軽い子(低体重出産児)
・病気を持って生まれてきた子(病的新生児、病児)
そういう子たちを専門に治療してくれる場所があります。
それが
■ NICU
NICUとは、Neonatal Intensive Care Unit
新生児集中治療室のことです。
NICUとは新生児集中治療管理室のことです。
・予定日より早く生まれた赤ちゃん(早産児)
・体重が小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児)、
・病気の治療が必要な赤ちゃん
などが入院している集中治療室です。
専任の医師や看護師が、赤ちゃんの状態を24時間体制で細かく観察してくれています。
■ GICU
GCUとは、Growing Care Unit
新生児回復室のことです。
NICUでの治療を終えたこが対象です。
そこで、赤ちゃん、両親ともに家に帰る準備をしていきます。
退院前にワンクッションを置いて、
・ミルクの飲み方
・入浴の方法
などを本格的に学んでいきます。
・新生児強化治療室
・新生児治療回復室
とも呼ばれています。
そもそも、ICUは何か?PICUは?
■ICU
ICUとは、Intensive care unit
集中治療室のことです。
病気や事故などで、呼吸や循環器などに極めて重いダメージを負った人が、より効果的な治療を受けるところです。
一人ひとりの患者を24時間体制でみていきます。
■ PICU
PICUは、pediatric intensive care unit
小児集中治療室のことです。
小児を対象としたICUです。
ここでの対象は、病院によってバラバラです。
おおむね15歳
・15歳未満
・15歳以下
・中学3年生以下
としているところが多いようです。
◆対象年齢
おさらいになりますが・・・
・NICU 0歳
・PICU 1~14歳
・ICU それ以上
まとめとして
医療の進歩によって、助かる命が増えてきました。
医療技術と、それにかかわる医療従事者のおかげです。
しかし、退院しても、生きていくために「医療的ケア」が手放せない子は少なくありません。
・人工呼吸器
・経管栄養
・吸引 など
地域での受け入れ先が限られているのも事実です。
実際、放課後等デイサービスで、
・障害が重い子
・医療的ケアが必要な子
が通える施設は本当に少ないです。
さまざまな問題が絡み合う分野です。
問題は山積みです。
あわせて読みたい
参考資料
◆NICU GICU
http://www.gh.opho.jp/pdf/kango_nicu30.pdf
◆東大病院 小児・新生児集中治療部 新生児集中治療室NICU・GCU
http://nicu.umin.jp/
◆PICU〜小児救急最後の砦 PICU〜小児救急最後の砦
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/03/dl/s0304-7h.pdf
◆日本集中治療医学会
http://www.jsicm.org/public/picu.html
◆日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 地域周産期医療センター
https://www.musashinojrc-pmc.com/about.html
◆日本赤十字社医療センター
http://www.med.jrc.or.jp/hospital/clinic/tabid/410/Default.aspx
◆第 1-24表 諸外国の周産期死亡率(出生千対),年次別
http://www.mhlw.go.jp/toukei/youran/data23k/1-24.xls